相続税が一括で払えない!そんな時には延納申請を!

延納

急に相続や贈与が発生し、多額の税金の支払いに「そんなお金準備していない」「払えなかったらどうなるのだろう」とお困りではありませんか?

しかし、相続税の支払いは一定の要件を満たす場合、分割して納めることが可能です。

「こんなに一括で払えないよ…」と、諦める前に今回ご紹介する「延納」を検討してみてはいかがでしょうか?

1.相続税の延納とは?

お願いする男性

 相続税は本来、一括で納付することが原則となっています。しかし、それが困難な理由がある場合には、延納申請書などの必要書類を納期限までに税務署長に提出します。
それが認められた場合、分割して支払うことが可能となります。ただし、この制度を利用するには一定の要件を満たす必要があります。

また、延納の申請をすることにより分割での支払いが可能となる一方、延納期間中は納付する相続税額とは別に利子税※がかかります。
その点も考慮した上で延納申請するかどうか検討した方が良いでしょう。

※ 利子税とは延納が認められた場合に追加で課される利息的な税金です。

2.延納の要件とは?

延納するには次に示す要件を満たす必要があります。

  • 相続税額(贈与税額)が 10 万円を超えていること
  • 金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること
  • 「延納申請書」及び「担保提供関係書類」を期限までに提出すること
  • 延納税額に相当する担保を提供すること
ただし、延納税額が 100 万円以下(※)で、かつ、延納期間が 3 年以下である場合は担保を提供する必要はありません。
※平成27年4月1日以降に提出したものから「100万円以下」となります。それ以前は「50万円未満」でした。

《よくある要件の解釈ミス》

要件で、『金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること』という記述があります。
こちらの要件は、相続した財産+相続人がもともと保有している財産の合計金額でも納付が困難な場合を指します。
よくある解釈ミスが、相続した財産では、払えないから延納しよう!と考える方もいらっしゃるのですが、相続人本人の財産も足して考えなければならない点をお間違えのないようにしてください。

3.延納した場合の利子税は?

延納した場合、延納期間中は延納税額に対して利子税がかかります。
「どのくらいの期間延納出来るのか?」「利子税の割合はどのくらいか?」に関しては相続税の計算の基となった財産価額の合計のうち、不動産等がどの程度占めているかによって、おおむね以下の表のようになります。
区分
延納期間
延納
利子税割合
特例割合
※1
(最高)
(年割合)
(年割合)
不動産等の割合が
75%以上の場合
①動産等に係る延納相続税額
10年
5.40%
1.30%
②不動産等に係る延納相続税額(③を除く)
20年
3.60%
0.80%
③計画伐採立木の割合が20%以上の
 計画伐採立木に係る延納相続税額
20年
1.20%
0.20%
不動産等の割合が
50%以上75%未満の場合
④動産等に係る延納相続税額
10年
5.40%
1.30%
⑤不動産等に係る延納相続税額(⑥を除く)
15年
3.60%
0.80%
⑥計画伐採立木の割合が20%以上の
 計画伐採立木に係る延納相続税額
20年
1.20%
0.20%
不動産等の割合が
50%未満の場合
⑦一般の延納相続税額(⑧及⑨び⑩を除く)
5年
6.00%
1.40%
⑧立木の割合が30%を超える場合の
 立木に係る延納相続税額(⑩を除く)
5年
4.80%
1.10%
⑨特別緑地保全地区内の土地に係る延納相続税額
5年
4.20%
1.00%
⑩計画伐採立木の割合が20%以上の計画伐採立木に
 係る延納相続税額
5年
1.20%
0.20%
※1 この表の「特例割合」は、平成27年1月1日現在の「延納特例基準割合」1.8%で計算しています。
  したがって、「延納特例基準割合」の変更があった場合には、上の表の「特例割合」も変わります。実際に延納申請の際は税務署で確認して下さい。

4.延納するためには何を担保にする必要があるのか?

延納するためには一定の場合(当記事「2、延納の要件とは?④」の場合)を除いて、担保を提供する必要があります。

延納の担保として提供できる財産の種類は、以下の通りです。

(1) 国債及び地方債
(2) 社債、その他の有価証券で税務署長が確実と認めるもの
(3) 土地
(4) 建物、立木、登記された船舶などで保険に附したもの
(5) 鉄道財団、工場財団などの財団

(6) 税務署長が確実と認める保証人の保証

※担保に提供することが出来るのは、相続により取得した財産だけではなく、相続人の固有の財産、第三者又は法定代理人等の同意が得られている財産であれば担保として提供することができます。

5.延納申請書の書き方

延納申請書の書き方について詳しく知りたい方は、以下のサイトの具体的な手続きについてはP.5から、各種書式についてはP.34から載っておりますのでご覧ください。

6.延納をした場合の繰上返済等の期間の変更はできるのか?

 延納期間は相続財産中の不動産等の占める割合にもよりますが、長い場合20年にもなる場合があります。
その間に、相続税を繰り上げて納めることが可能となった場合、繰上返済も可能です。
税務署に延納期間を当初の期間より短縮をしてもらうように申請をすることにより、結果として繰上げて相続税を納付することが可能となります。
また、延納の許可を受けた後、何らかの事由(会社を経営していて事業が上手くいかず資金繰りが厳しくなった等)で、支払いが困難となった場合、申請書を提出することにより、延納の条件について変更を求めることも可能です。
 もし、金銭での支払いが困難となった場合は、申告期限から10年以内であれば物納(不動産等による納付)への変更も可能となっております。
「物納」については「相続税の支払いは現金ではなく物納ですべき場合も存在する?」をご覧ください。

7.相続税の延納を行うための手続きは?

 延納を行うには延納申請書に担保提供関係書類を添付し、納付期限または延納申請期限までに税務署に提出します。

延納申請書には、

  • 期限までに金銭で納付することが困難な理由および金額
  • どのくらいの期間延納したいのか
  • いくら分割したいのか
  • 1回あたりいくら支払い、いつ支払うのか
  • その他必要事項等
を記入します。
また、延納申請の期限までに担保提供書類を用意することができない場合は、担保提供関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、担保提供書類の提出期限を最長6ヶ月まで延長することができます。
ただし、1回の届出により延長出来るのは3ヶ月です。6ヶ月延長する場合は2回届出をする必要があります。
延納申請書を提出後、所轄の税務署長が、その延納申請に係る要件の調査結果に基づいて、延納申請期限から3ヶ月以内に許可又は却下を行います。
※ 延納担保などの調査に3カ月を超える期間を要するような場合などは、許可または却下までの期間が延長される場合があります。

まとめ

今回ご紹介した「延納」には納付を分割できるというメリットもありますが、デメリットもあります。
もし、利子税を支払うより金融機関からお金を借りる方が利率が低い場合、金融機関からお金を借りて一括で相続税を支払う方が良いなんてこともあるかもしれません。
申請をする前に一度、税理士等の専門家に相談し、よく検討したうえで申請することをおすすめします。
類似論点を下記に記載しましたので、参照ください。
 
相続した不動産を売却して納税する方も多くいらっしゃいます。
不動産を売却する際に、査定をしてもらうことなく売却してしまうと、相場がわからず、安い価格で買い取られてしまう可能性があるのです。安く買い取られないためにも、不動産査定をしてもらうことをお勧め致します。お勧めの不動産査定会社の情報は下記のサイトをご参照ください。
相続税納税のために、不動産を最も高く売却する方法とは?
 

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