直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

息子が家を建てることになった場合に、息子が住宅ローンを組み、返済をしていくのが普通でしょう。
しかし、父から息子に住宅取得資金の贈与をおこなったら、節税につながるケースが存在します。
この制度を理解するためには、直系尊属という言葉の理解と、住宅取得資金の贈与の特例の仕組みを理解する必要がありますので、下記でご説明していきます。

直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

1.事例を使って住宅取得等資金の贈与を理解しよう!

直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

【お客様 Aさんの事例】

Aさんは、平成29年7月10日、祖父(直系尊属)から住宅取得等資金1,100万円の贈与を受け、住宅取得等資金の非課税の適用を受けました。

直系尊属からの住宅取得等資金の贈与により、一定の要件(省エネ性、耐震性など)を満たした住宅用家屋を新築した方は1,200万円が非課税となります。なお、甲さんは一定の要件を満たした住宅用家屋を新築しました。

よって、甲さんの贈与税は次のとおりです。

甲さんの税金計算(平成29年分)

① 非課税金額 最大1,200万円まで非課税(一定の要件を満たした場合)

 今回、一定の要件を満たしている為、1,200万円までの贈与が非課税となります。

② 課税価格   贈与額 1,100万円 <  非課税金額最大1,200万円

③ したがって、贈与税はゼロ円となります!

この特例を利用するだけで納税額が大幅に削減されます。

《適用要件の整理》 

直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?
※この制度を理解するためには、直系尊属をしっかり理解することが非常に大事となってきますので、まずは直系尊属からご説明させて頂きます。

2.直系尊属とは?

直系尊属とは、①直系(血統が直線的につながっていること)の②尊属(自分より世代が上の者)で、かつ、③血族である者です。
例としては、父母・祖父母など自分より上の世代で、直通する系統の親族のことをいいます。
直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

3.直系尊属からの住宅取得等資金の贈与

直系尊属から住宅取得資金の贈与を受ける場合には、要件を満たせば、贈与により取得をした住宅取得等資金のうち住宅資金非課税限度額までの金額については、贈与税の課税価格に算入しないという優遇を受けることが可能となっております。

4.住宅取得等資金の贈与の対象者は?

次のすべての要件を満たす場合に対象者となります。

① 相続又は遺贈によって財産を取得した個人で、その取得時に国内に住所を有するもの
② 贈与年1月1日において20歳以上の者であること

③ その年分の合計所得金額(※)が2,000万円以下の者であること

(※合計所得金額の目安としては 給与所得+不動産所得+事業所得の合計が2,000万円以下かどうか確認しましょう。)

5.住宅取得等資金の要件は?

① 平成24年1月1日から平成33年12月31日までの間に
② 直系尊属(親など)からの贈与により
③ 住宅取得等資金の取得をした特定受遺者(何か特定された相続財産だけを、遺言によって受け取る人)が、
④ その取得をした日の属する年の翌年3月15日までに
⑤ その住宅取得等資金の全額を住宅用家屋の新築等のための対価に充ててその新築等をした場合において、
⑥ 同日までにその家屋をその特定受贈者の居住の用に供したとき又は

⑦ 同日後遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき

上記の要件を満たした場合にかぎり、優遇が受けられます。

6.非課税になる金額はいくら?

直系尊属から住宅取得資金の贈与で最大1,200万非課税?

平成27年度税制改正により、適用期限が平成31年6月30日まで延長され、非課税枠も拡大となる予定です。
この制度は、もともと、平成26年12月31日で終わる予定でしたが、平成27年度税制改正で制度が拡充

《改正でのポイント》

・非課税枠拡大で3,000万円へ!!(平成28年10月からの見込)

・平成27年以降の非課税限度額

(カッコ内は省エネ等の条件を満たした住宅の場合)

平成27年         ⇒ 1,000万円 (1,500万円)

平成28年   1月~        9月 ⇒     700万円 (1,200万円)

平成28年10月~29年9月 ⇒ 2,500万円 (3,000万円) 

平成29年10月~30年9月 ⇒ 1,000万円 (1,500万円)

平成30年10月~31年6月 ⇒       700万円 (1,200万円)

なお、消費税増税の延期に伴う改正により平成28年以降の非課税枠の金額と期間に変更が生じています。

詳しくは最大1,310万円の贈与が無税に?住宅に絡む贈与税とは?

7.住宅取得等資金とは何か?

 次のいずれかの新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭をいう。

① 特定受贈者による住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得

② 特定受贈者による既存住宅用家屋の取得

③ 特定受贈者が所有している家屋につき行う増改築等

④ ①から③の新築等とともにするその敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利の取得(①の住宅用家屋の新築等に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含む。)

8.住宅取得等資金の特例を受けるために必要な手続きは?

 この非課税制度を利用するには、贈与税がゼロであっても確定申告は必ず必要となります。

ゼロだから申告しなくて良いと思われている方が多いので、注意が必要となります。

 【必要となる確定申告書】 

①贈与税の申告書の第一表

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/zoyo/yoshiki2016/pdf/001.pdf

 ②贈与税の申告書の第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/zoyo/yoshiki2016/pdf/002.pd

上記の申告書の記載例はこちらを参考にしてください。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/zoyo/tebiki2016/pdf/10.pdf

 【添付書類は?】

  • 住民票の写し
  • 戸籍の謄本
  • 新築や取得の契約書の写し及び登記事項証明書

※これらの手続きは少し大変ですが、何とかご自身でも出来るでしょう!

しかし、ミスしやすいのも事実です。ミスを防ぐためにも専門家の税理士にお願いすることをオススメします。 

まとめ

住宅取得資金の特例を利用することで最大1,200万円まで贈与税が非課税となります。生前に贈与することが、死後の相続税対策となることから非常に注目されている制度といえるでしょう。この制度を上手く利用して皆さんも節税をしてくだい。
贈与税の非課税制度は他にもあります。
他のものも知りたい方は、
をご覧ください。