5分でマスター!!相続税の基礎知識

相続税は平成27年に大きく改正され、相続税が課税される方が今までの1.5倍から2倍に増加すると言われております。まずは、相続の基礎知識を身につけて相続が発生した際にも動揺せず、対応するための知識を身につけましょう!!
今回の記事では、相続の概要を簡単にご説明させて頂きます。

1.相続の流れは?

相続財産を遺して亡くなった場合に相続が発生してきます。
以下の図の通り、順を追って手続きなども含め、説明していきます。
無題

(1)死亡届提出

 まず、死亡した場合には、7日以内に死亡届を提出してください。
 (もし外国で亡くなったときは3ヶ月以内に死亡届を提出しましょう。)
 死亡届出の提出先は、死亡地・死亡者の本籍地・届出人の住所地のいずれかの区市町村役場(市役所等)です。
 死亡届提出時に必要なものは、医師による死亡診断書、届出人に印鑑です。葬儀社が代理で届出をすることも可能です。

(2)遺言の有無を確認

 遺言には「公正証書遺言」(公証人に依頼して作成した遺言)と、「自筆証書遺言」(自分で作成した遺言)の2種類があります。
(詳しくは「公正証書遺言」については「公正証書遺言を作らなければ絶対に後悔します!」、「自筆証書遺言」については「自分で作った遺言書が使われないことも?!」をご覧ください。)
遺言書の有無により、遺産の分割の方法が変わります。遺言書が無い場合は「遺産分割協議」という方法、遺言書があるばあいは遺言に沿った形で遺産を分割することになります。
遺言書は、相続人ではない人にも遺産を残したい場合などに記載しておくことで遺産を相続させることができます。また、遺産相続に対するトラブルを防ぐことも出来るので、できるだけ
準備しておいた方が良いと思います。

①遺言がある場合

 自筆証書遺言を残した場合

 遺言の保管者又は遺言を発見した相続人は、遺言を家庭裁判所に提出し、遺言書の存在及び内容を確認するために調査する「検認」という手続きが必要となります。自筆証書遺言の場合は封印がれていても、されていなくても「検認」が必要です。

 公正証書遺言を残した場合

 公正証書遺言の場合は、家庭裁判所での開封や検認の手続きは必要ありません。

注意点としましては、遺言が封印されている場合、それを家庭裁判所に提出する前に開けてはいけないということです!もし、開けてしまった場合、5万円以下の過料が科されます。

②遺言がない場合

 遺言書がない場合は、相続人(相続する人)同士による話し合い(遺産分割協議)によって財産の分割を行います。相続分(どれくらい財産がもらえるか)は基本的には民法に定められている法定相続分を目安とします。

意外とモメる遺産分割【遺産分割協議とは?】

(3)相続人を確定する

 遺言に記載がある場合には、原則としては、その遺言通りに相続人(相続する人)を確定して行きますが、遺言がない場合には下記に従って相続人を確定していきます。

被相続人の配偶者は常に相続人となります。

配偶者以外の相続人は以下の順位によって決まります。

第1順位

死亡した人の子供

その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、子供が相続します。
子供がすでに死亡しており、孫がいる場合には、孫が相続します。
(これを代襲相続と呼びます。代襲相続については「代襲相続って何?代襲相続の基礎知識」で詳しく説明していますのでご覧ください。)

第2順位

死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)

第1順位の人がいないときは第2順位の方が相続人となります。第1順位の方がいる場合には、第2順位の方は相続できません。
父母も祖父母もいる場合は、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。

第3順位

 死亡した人の兄弟姉妹

第1順位の人も第2順位の人もいないとき第3順位の方が相続人となります。第1順位、第2順位の方がいる場合には、第3順位の方は相続できません。
 その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供(甥っ子、姪っ子)が相続人となります。

(これを代襲相続と呼びます。代襲相続については「代襲相続って何?代襲相続の基礎知識」で詳しく説明していますのでご覧ください。)
※第3順位の代襲(下の世代に引き継ぐこと)は1度のみとなるため、甥っ子、姪っ子に子供がいた場合でも代襲はされません。
 

 注意点としては、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
(内縁関係の人とは、法律上の正式な夫婦と認められない男女の関係がある方を指します。)
 
それぞれの相続人がいくらもらう権利があるのか?(相続分)については、「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」をご覧ください。

(4)相続放棄の手続きについて

 相続放棄については、「相続放棄しないと親の借金が自分の借金になってしまうかも?」で詳しくご紹介しておりますのでご覧ください。

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(5)被相続人の所得税の申告と納付とは?

 亡くなった年の1月1日から死亡の時までの所得税について、相続人は、相続開始のあったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日までに亡くなった方について、準確定申告書(一般の確定申告書に準じた確定申告書)を亡くなった方の死亡当時の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

例えば、平成26年3月10日にAさんが死亡したとします。
この場合に所得税が還付されるケースがあります。なお、納税地は死亡された方の死亡時の住所地の所轄税務署となります。

(6)相続財産の調査・評価

財産評価の調査と評価に当たって必要となるものは、

  • 固定資産税納税通知書
  • 固定資産税の名寄帳(不動産の一覧表のことです)
  • 不動産登記事項証明書
  • 公図、測量図、建物所在図、住宅地図、路線価図、都市計画図、森林簿、森林計画図
  • 生命保険証券、損害保険証券、保険の権利評価証明書、解約返戻金の試算表
  • 通帳、取引明細書、残高証明書
  • 四季報、IR情報
  • 過去3年分の所得税確定申告書、減価償却明細書、償却資産税申告書、過去3期分の法人税申告書
  • ゴルフ会員権の証券
  • 現地確認(評価減要素の調査、現況確認、図面との整合性確認)
  • 現物確認(規約・規定の確認、財産的価値の有無の確認)・・・
など数多くの資料が必要となります。
これらの書類から、財産評価明細書を作成し、最終的な財産をまとめた資料として、財産目録を作成します。
財産評価は非常に複雑なので相続税に特化した税理士さんに依頼した方が良いでしょう。

(7)遺産分割協議書の作成とは?

遺言書が無い場合は、まず、相続人全員が遺産分割協議をします。
遺産分割協議の内容としては、『相続財産』をどのように分けるか、相続人全員で話し合って決めます。

遺産分割協議書を記載する際のポイントは、

  1. 用紙の大きさや形には特に決まりはありません。
  2. 手書きでもパソコンで作成してもどちらでも問題ないです。
  3. 相続財産について記入漏れがあると、記入漏れをした財産についてのみ、遺産分割協議をしていないとみなされてしまいます。
  4. 相続人(相続する人)全員が手書きで署名し、実印を押します。(代理人を立てることは認められておりません。)
  5. 「相続人全員で協議した」という文言を入れることをオススメします。
  6. 家、土地などの不動産について記載する際には、登記事項証明書を書き写しましょう。
  7. 遺産分割協議書は提出用と控用(保管用)の2部作成しておくことをオススメします。

上記のポイントをおさえておけば、基本的に、遺産分割協議書は有効なものとなりますので、ご自身で作成することも可能でしょう。

遺産分割協議書のひな型はネットでいくつかありますので、検索して参考にしてみても良いでしょう。

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(8)相続税の申告書の作成

相続税の申告については「優しく解説!相続税の申告書の作成方法」で詳しく説明しておりますのでご覧ください。

(9)遺産の名義変更手続き

①まずは書類を集めます!

名義を変更するために必要な書類は、以下の通りです。

  • 亡くなった人の戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)

※亡くなった人の戸籍謄本は、 異なる市町村役場に点在しているケースが多いです。そのため、市役所や区役所の戸籍相談コーナーの方に相談しながら、 すべての戸籍を集めていくと良いでしょう。

  • 亡くなった人の住民票の除票
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人全員の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 不動産の全部事項証明書(法務局)
※お住まい近くの法務局であれば、 全国どこでも取得できます。
以下のサイトでも取得は可能です。
※登記情報提供サービスhttp://www1.touki.or.jp/
 
  • 遺産分割協議書(上記(7)を見て作成してください) 

②次に登記申請書を作る必要があります。

登記申請書とは、 法務局に不動産の名義書き換えを申請する書類のことです。
下記法務局のHPにて、雛形が掲載されています。

http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79.html

上記の雛形を利用して、一から自分ですべて記入して作成することとなります。

③登記申請書と必要書類を法務局へ提出する

①の書類をすべて用意し、登記申請書が完成したら、法務局へ提出します。①から③までの流れを行ってもらえば、不動産の名義を書き換えが完了します。法務局に書類を提出してから約2週間後に、新しい権利証が発行されます。この新しい権利証を受け取ったら、すべて完了です。
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2.まとめ

相続についての概要をご説明させていただきました。親族が亡くなった場合、色々とやらなければならないことあるため大変かと思います。今回説明した以外にも、銀行口座の解約や、故人の方がクレジットカードを持っていた方であればカードの解約等、細かなものまであげればたくさん出てきます。特に、財産の調査や評価は様々な財産を保有していた場合には税金の計算は難解なものとなります。あわてず、しっかりと相続専門の税理士さんなどと相談しながら手続きを行った方が良いと思います。
関連記事を記載しておきますので、興味のあるものをご参照ください。