住宅保有者の過半数が相続税の申告が必要に?

住宅取得資金

 住宅を保有している方は相続税の申告をしなければならない可能性が高い時代が到来しております。
その理由としては、平成27年に相続税の大改正があったからです。
皆様もニュースで相続税が改正されて相続税の申告をしなければいけないかも!とご覧になった方もいるのではないでしょうか?

今回は、実際いろんな問題が生じる相続時の住宅の取扱いをご説明させて頂きます。

0.東京23区に住宅を保有している方の大半が相続税の申告が必要?

東京23区に限定すれば、25%の方が相続税の申告が必要になると言われております。この25%とは、住宅を保有している方も保有していない方も含めた数字です。要するに東京23区に住宅を保有している方の多くが相続税の申告が必要となると言われているのです。その理由は、平成27年1月から、相続税法の大改正により、基礎控除が大きく削減されたからです。

基礎控除データ

この改正により、今まで「相続税」とは無縁だと思っていた一般の人々も相続税対策を講じることが必要な時代に大きく変わるのです。

1.住宅を保有していたら相続税の申告が必要?

東京23区内なら、5,000~6,000万円の評価額がつく不動産はたくさん存在しており東京23区に不動産を保有している方であれば多くの方が相続税の対象となります。

住宅

http://www.tochidai.info/tokyo23/参照

23区の坪単価平均が約400万円なので、不動産を東京23区に保有した場合には簡単に基礎控除を超えます。

基本的な考え方としては、基礎控除を超えた金額に対して相続税がかかります。

(財産の価格-基礎控除)×税率

正確な算式は難しいので、とりあえず、イメージしやすい部分だけピックアップして説明します。

(例)
相続人(相続財産を取得する人)
 ①配偶者

 ②子供1人

相続財産
 建物2,000万円
 土地4,000万円
 合計6,000万円

先ほどの算式に当てはめると

《改正前》の算式に当てはめれば

基礎控除額: 7,000万円=5,000万円+(1,000万円×2人)

相続財産   : 6,000万円 

基礎控除 > 相続財産

相続財産額が基礎控除額を下回るため、相続税はかかりませんでした。

《改正後》の算式に当てはめれば

基礎控除額: 4,200万円=3,000万円+(600万円×2人)

相続財産   : 6,000万円 

基礎控除 < 相続財産
相続財産額が基礎控除額を超えるため、超えた分が課税されます。したがって、相続税の申告が必要となります。
東京都内には、基礎控除を超える不動産がたくさんあるため多くの方が相続税の申告が必要となるのです。

2.不動産(住宅)の評価額はどのように計算しているのか?

相続発生時には、相続の財産はその相続が開始された(死亡した)日の時価で計算することとなっております。

土地の評価方法は、「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。

『路線価方式』とは?

主に市街地にある宅地を対象にした方式です。
路線価×地積 が相続税評価の計算のスタートとなります。
※路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額。

※地積とは、土地の公図をもとに計算された登記簿上の土地面積のことです。

『倍率方式』とは?

路線価が定められていない地域の土地の評価方法です。倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。
路線価図および評価倍率表は、国税庁ホームページで閲覧することが出来ますので検索してみましょう。
『路線価方式』や『倍率方式』と言われる土地の評価方法は、あくまで「財産評価基本通達」という、相続税申告をする上で参考となる通達をもとに計算するものです。
この財産評価基本通達にあてはめると、実際の使用状況などにより問題の出てくるケースがあります。
問題が生じた場合には、路線価方式や倍率方式を使用せず、不動産鑑定士による不動産鑑定評価を取ることにより、評価を下げることも方法として存在しております。

3.保有する不動産を争いなく、相続させるための最善の方法とは?

ベスト

【相続のための重要な対策】

対策は大きく分けると2つあります。まず一つは『財産移転対策』もう一つは『財産評価を下げるための5つの対策』です。この2つを下記でご説明致します。

(1)財産移転対策(誰にどの財産を移転させるべきか?)

 結論から言えば、不動産を相続人複数に共有で相続させてはいけないということです。
その理由としては、
金融資産(預金や株など)を保有の場合には、現金化も容易で簡単に分けることができるので、共有で相続させることはないので相続人同士でモメることは少ないでしょう。
しかし、不動産のみを保有している場合では分割が困難な場合が多いため争いになることが多いのです。
不動産を相続する場合には、分割が必要だったり、売却しなければいけなかったりと、かなりの手間がかかるため、取り敢えず相続人どうしで共有するという選択肢を選ぶ方が多いのが現状です。
共有とは、不動産(土地、建物)を複数人で所有することです。例えば、兄弟で共有で相続した不動産があったとします。兄弟が亡くなった場合、権利はそれぞれの相続人に引き継がれることとなります。
それぞれの相続人が複数いると、共有者はさらに増加していきます。
共有不動産は、共有者全員の同意によって初めて売却、あるいは建て替えが可能となりますが、共有者間の関係が薄いと、同意をするにも時間やコストがかかる。
ここまで読んでいただければ、共有してしまいますと争いになりそうだ!と感じて頂けるのではないでしょうか?
争いにならないためにも、不動産を共有して相続するという判断は絶対に避けるべきです。
不動産を保有している場合には、遺族の争いを避けるためにも、遺言で、誰にどの不動産を渡すかを指定すべきでしょう。

(2)5つの財産評価対策(財産の評価額を下げて、相続税の節税を!)

財産評価対策は、相続対策の一番大切なものです。
相続財産の評価額を下げることによって、相続税の負担が軽減されます。
対策をした場合としなかった場合で1,000万円以上納税額に差が出ることは頻繁にあります。
損をしないためにもどんな対策があるのかを覚えておきましょう。
財産評価対策はたくさんありますが、その中でも、実際よく利用されるものをご紹介していきます。

対策① 『賃貸マンションの建設』で節税を!!

賃貸マンションの建設をするだけで財産評価の対策なるのです。
その理由は、賃貸マンションを建設することにより、マンション(財産)の評価額が低くなるからです。
自用地評価額1億円の土地に建設費2億円の賃貸マンションを建設したとします。建築前は1億円+2億円で3億円の評価を受けます。
しかし、建築後は土地の評価額は約1億6千万円となります。
理由としては、貸家建付地評価額になるからです。

これだけで評価額が

3億 ⇒ 1億6千万円 大幅ダウンとなるのです!!!

『自用地評価額』とは?
自用地評価額とは、自分のために使かっている土地の評価額のことです。
更地や、自分で使っている建物の敷地を自用地と呼びます。
注意点としては、子供に無償で貸している土地や建物の敷地の場合なども自用地に含まれるということです。
 

『貸家建付地評価額』とは?

貸家建付地評価額とは、貸家の敷地として使用されている土地の評価額のことです。
不動産の借手に利用されているため、土地所有者の使用に制限がかかることから、
『自用地としての価額』-『借家人の有する権利(借家権)の価額』=財産評価額
厳密に説明すると、

貸家建付地の価額=

 自用地とした場合の価額 - 自用地とした場合の価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合
これを使って計算するだけで、評価額が下がるという仕組みです。
貸している土地は、土地所有者の使用に制限がかかるから価値が下がる!
これが理屈です。

対策②『最大で65%も評価減!!!広大地評価を利用して節税を!!』

大きな土地を保有している方は知らなければ損するのがこの広大地評価です。大きな土地は、『広大地評価の利用』によって評価額が下がる可能であるのです。
この広大地評価を利用することで、広大地評価を利用するかしないかだけで、納税額が数百万円~数千万円違ってきます。土地が最大で65%も評価減するため、納税額にも大きな違いが出てきます。
広大地評価を利用出来るかどうかは、要件が非常に複雑なため、自分で判断するというのは難解です。
大きな土地を保有している方は、相続税に特化した税理士さんに相談してみて、この広大地評価を利用することが出来るかを相談してみてください。
この制度を利用出来るかどうかで、納税額に大きな違いが出てきますよ。

対策③『小規模宅地の特例』を利用して節税を!

小規模宅地の特例は、相続財産のうち、

①被相続人(相続財産を遺して亡くなった方)または被相続人と同一生計(一緒に暮らしている)親族の事業用または居住用になっていた宅地等

②建物等の敷地となっているもの

上記①②を満たしたものについて、一定の面積までの土地についての評価額を減額できる制度です。
土地の要件が複雑なのでここでは割愛させて頂きますが、50%~80%の評価減が可能なため、非常に節税効果が高いです。

この小規模宅地の特例は実務上も頻繁に出てくるため、事例を使って説明しておきます。

ケーススタディ

(小規模宅地の特例を使わないとどれだけ損するか?)

570万円節約になる事例!!

【相続人】
配偶者
配偶者と同居の息子A

配偶者と別居の息子B

【相続財産】
自宅用敷地1億
建物2,000万円
預金2,000万円
保険1,000万円
合計1億5,000万円
【ケース①】

配偶者がすべての自宅用敷地を受け取った場合

1億 ⇒ 2,000万円(小規模宅地の特例で財産評価額が下がる)

【ケース②】小規模宅地の特例を利用できる!

同居の息子Aがすべての自宅用敷地を受け取った場合

1億 ⇒ 2,000万円(小規模宅地の特例で財産評価額が下がる)

【ケース③】小規模宅地の特例が利用できない。

別居の息子Bがすべての自宅用敷地を受け取った場合

ケース③の別居の息子Bが受け取ってしまうと小規模宅地の特例を使用できないため、1億円の土地の評価額を減らすことができません。

【広告用】小規模宅地の特例 例

特例を使用した場合のケース①②

7,000万円✕1/2✕20%-200万円=500万円(配偶者の税金)

7,000万円✕1/4✕15%-50万円=212.5万円(子供Aの税金)

7,000万円✕1/4✕15%-50万円=212.5万円(子供Bの税金)

合計の相続税額は925万円
特例を使用できない場合のケース③

15,000万円-基礎控除(4,800万円)=10,200万円

10,200万円✕1/2 ×30%-700万円=830万円(配偶者の税金)

10,200万円✕1/4✕15%-50万円=332.5万円(子供Aの税金)

10,200万円✕1/4✕15%-50万円=332.5万円(子供Bの税金)

合計の相続税額は1,495万円

特例を利用するように工夫するだけで、570万円節税となります。

対策④配偶者への贈与で節税対策!

 配偶者への贈与は、結婚して20年以上の配偶者に対して住宅または住宅取得のための資金贈与があった場合、贈与税の計算に際して2,000万円を控除する制度です。
110万円の基礎控除もあるので、基礎控除110万円+贈与税の配偶者控除2,000万円で合計2,110万円まで贈与税はかかりません。

何も考えることなく贈与すると不利益が及ぶ可能性がありますので、専門家と相談して実行に当たっては、タイミングや金額について検討することが重要となります。この特例を利用する際の注意点は、同一の配偶者間では一生に一度しか適用を受けることができません。

この特例の適用を受けるためには、下記の3つの条件すべてを満たすことが必要となります。

  1. 夫婦の婚姻期間が20年以上であること
  2. 贈与を受ける者が住む住宅または住宅を取得するための資金の贈与であること
  3. 贈与を受けた者が、その翌年3月15日までに贈与により取得した不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること

まとめ

相続対策は、何もしない方と、しっかりと対策をした方とでは、納税額に大きな違いが出てきます。1,000万円以上の差が出ることも多々あることなので、対策の重要性を理解してください。
しっかりと対策を取れば納税額がゼロだったのに、何もやらなかったせいで納税額が500万円以上になった!なんていう事例もあるのです。
いままでは、私には相続税なんて関係ないと思っていた方も多いと思いますが、27年度の相続税の改正により、相続税の申告をしなければならない方がかなり多くなりました。東京23区では約25%にも及ぶと言われております。
相続税の知識がいかに重要になるかをしっかり認識しておきましょう。
関連記事を記載しておきます。
 

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