改正で対象者拡大&控除額アップ!「障害者控除」とは

改正で対象者拡大&控除額アップ!「障害者控除」とは

相続人が障害者であった場合、相続は非障害者と同じ規定で手続きされるのでしょうか?障害者は、親族が亡くなることにより非障害者と比べ日常的・経済的負担が多くかかるはずです。

そのため、相続についても優遇されて当然です。

障害者のための節税措置としては「障害者控除」という制度が税法により定められています。今回の記事では、障害者控除の対象となるための条件や具体的な手続きについてご説明したいと思います。

改正で対象者拡大&控除額アップ!「障害者控除」とは

1.相続における障害者控除の5つの条件とは

最初にお伝えしなくてはならない点は、障害者であれば誰でも障害者控除を受けられるわけではありません。以下のような条件があります。

①法定相続人である

相続税の控除(相続税が結果的に安くなる)をするためには、もちろん相続税を支払う義務が当人にあることが条件です。法定相続人とは、基本的には配偶者(夫・妻)、とその子供です。

 子供が亡くなっている場合は、その孫が法定相続人になります。孫も亡くなっている(!)という悲しい場合には、その祖父母などが法定相続人となります。このように、法定相続人には第一位~第三位がいて、第一位がいない場合は第二位の人が相続人になる、という仕組みがあります。詳細は、以下図をご参照ください。

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②日本国内に住所がある人

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相続をする時に日本国内に住所がある人が対象です。日本の税金を払っている人が対象なので、当たり前と言えば当たり前です。

③85歳未満である

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控除額の計算をする時、「控除額=10万円×(85歳-相続した時の年齢)」と計算します。このため、障害者控除を受けようとする方は、85歳未満である必要があります。

以前は相続で財産を取得した場合の条件は、70歳未満でした。しかし、H27年1月から法改正のため変更となっています。

④特別障害者・知的障害者・障害者手帳を持つ方

障害者とは、身体障害者・知的障害者・精神障害者を指し、障害により日常生活または社会生活に相当な制限を受ける方のことです。

障害者にはレベルがあり、「身体障害者手帳」と「精神障害者保険福祉手帳」の交付を受けている方が対象です。手帳の級が3~6級の場合は、一般障害者と呼びます。なお、各手帳を交付中の時でも、障害者控除の申請は可能です。

 また、これらが重度だと医師から判定された方を特別障害者と呼び、対象となっています。具体的には、精神障害者手帳の級が1級、そして身体障害者手帳の級が1・2級の場合は特別障害者にあたります。特別障害者には、特別な障害がなくとも6か月以上にわたり寝たきりの状態が続いており、さらに複雑な介護を必要とする方も含まれます。また、戦争での病気やケガ、原子爆弾被爆者の方も特別障害者と言います。

 

⑤障害のある16歳未満の扶養親族

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「扶養」という事で、所得税控除の制度「扶養控除」という税制度を思い浮かべると思います。16歳未満は通常、「まだ働く年齢ではない」とはみなされているので、そもそも控除の対象外です。

 しかし、16歳未満の方が障害者であった場合には障害者控除という節税措置が認められています。この理由としては、やはり障害者を扶養する家族の負担軽減が挙げられるでしょう。

2.相続税の障害者控除の金額は?

相続税の障害者控除の計算は、前述した条件(85歳未満である)でも少しお伝えしましたが、障害者が85歳に達するまでの年×1年につき10万円を控除します。

 例えば、障害者Aさんが親御さんを10歳の時に亡くすという悲しい例で計算してみましょう。

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  なんと、税額が750万円も控除されるのです。算出相続税額が750万円以下であれば、相続税はゼロ円になります!しかし、10歳で親御さんを亡くすのはただでさえ前途多難ですので、当然です。

なお、障害者の場合控除額は10万円をかけて計算しますが、特別障害者の場合は2倍の20万円をかけることができます。この金額は、改正により以前の障害者6万円(特別障害者12万円)より大幅にアップしています。

3.余った控除額は他の相続人にも利用可能?!

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相続税の障害者控除のスゴイところは、控除額が余った場合、他の法定相続人にその枠を与えることができるという決まりがあるところです。

 どういうことかというと、例えば前述しましたA君の障害者控除枠が750万円だったとします。しかし、相続できる額はそもそも500万円だった場合、750万円−500万円=250万円分の控除額が宙に浮きますよね。

 障害者は親族みんなで助けよう!障害者の周りの親族も大変なので、相続税は優遇されるべき!という助け合いの精神から、使わなかった控除分は残りの法定相続人が使えるのです。改正で対象者拡大&控除額アップ!「障害者控除」とは 大雑把に言うと、「携帯のパケット代を家族みんなで分け合える」というようなイメージをもつと分かりやすいかもしれません。

改正で対象者拡大&控除額アップ!「障害者控除」とはまたは、控除枠は分け合わず次回の相続の時にとっておくことも可能です。次回の相続とは、次回被相続人(※法定相続人の図を参照)が亡くなる(!)という悲しいことが起こる際のことです。

4.相続税の障害者控除の手続きは?

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①税務署に行く

相続税の障害者控除を申し込みたい対象者は、税務署で手続きを行います。税務署は、お住いの近くの税務署を調べて問い合わせをしてから行くことをお勧めします。

 税務署所在地

②持ち物は?

障害者控除を受けるために必要な障害者手帳や身分証明書を持参しましょう。

5.注意!障害者控除枠がもらえるのは一度だけ

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過去に障害者控除を受けた場合でも、他の親戚が亡くなり新たな相続が発生することもあり得ます。

しかし、その場合は過去に与えられた障害者控除額の枠を利用することになります。

まとめ

相続税の障害者控除は、以前は70歳未満が対象でしたが現在は85歳以下の方も対象となっているのがポイントです。

また、16歳未満の扶養親族も対象であることや、特別障害者の場合はより優遇されるという点も、是非覚えておきましょう。



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