生命保険における相続税の改正は見送りになっていた

生命保険における相続税の改正は見送りになっていた

相続税の改正で、生命保険における非課税枠が改正され、増税になる可能性があったことをご存知だったでしょうか?
結果として、改正は見送られ、増税とはなりませんでしたが、将来改正になる可能性もありますので、どんな改正案があったのかということを確認しておきましょう。
下記1では、改正案を説明し、下記2以降は、保険の非課税枠についての基礎知識をご説明致します。

生命保険における相続税の改正は見送りになっていた

1.生命保険の非課税枠は改正見送りに!

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相続税税制改正では、生命保険金の非課税枠の縮小は見送りとなりました。

現行の非課税枠は次の算式で求めます。

500万円 × 法定相続人の数

 

改正されるのではないか、と言われていた案は、次の算式で求める案です。
500万円 × 生計を一にする家族等

上記2つの算式は、あまり違いがないように感じるかもしれませんが、もし改正されていたらどうなっていたのかを例を使ってご説明させて頂きます。

【例】家族構成を父、母、子供A(家を出て、会社員として働いている)、子供B(高校生で、親と一緒に暮らしている)の4人家族とします。

もし、父が死亡した場合、相続人は母、子供A、子供Bの合計3人です。

【現行の保険の非課税枠の計算】

500万円 × 3人 = 1,500万円

非課税枠は1,500万円となります。

【改正案で計算した場合】

500万円 × 2人 =1,000万円

※ 子供Aは独立しており、生計を一にしていない為、非課税枠の計算人数に含まれないことになります。
『生計を一』にするとは、簡単に説明すると、養ってもらっている状況を指します。
子供Aは、すでに独立し、自分で働いたお金で生活しているため、父と生計を一にしていません。
もし、この改正案が通っていれば、結果として増税となっておりました。

2.死亡保険金にかかる税金とは?

保険料負担者と被保険者(保険を掛けられた者)が同一人の場合、死亡保険金は相続税の課税対象となります。
しかし、相続税が必ずかかるわけではありません。相続人が保険金を受け取る場合に限り、保険金のうち次の金額までが非課税となります。

3.生命保険の非課税枠とは?

人の死亡をきっかけとして法定相続人が取得した生命保険金や、損害保険金は一定の金額まで非課税となります。

非課税枠は、法定相続人の数により異なり、次の式により求めます。

500万円×法定相続人数

※ 相続人については、「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」でも説明していますのでご覧ください。

例えば、亡くなった夫(被相続人)が、生命保険を下記の通り契約していたとします。
保険料負担者
被保険者(保険を掛けられた者)
死亡保険金受取人
受取保険金
3,000万円

夫が死亡し、妻が死亡保険金3,000万円を受け取りました。

法定相続人が、妻と子供が2人の合計3人の場合、生命保険金1,500万円 ( = 500万円×3人 ) までは非課税となります。

4.結果的に保険金を利用すると税金対策になるのか?

上記でもご説明させて頂きましたが、死亡保険金の非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」となります。この金額の分だけ相続財産の評価額を下げることができます。

法定相続人が4人いると2,000万円の控除を受けることができます。
死亡保険金 非課税 比較
上記図のように、現金をそのまま亡くなった方から相続すると、相続税の計算のもととなる相続税評価額が2,000万円のままです。しかし死亡保険金で受け取ると同じ金額でも、死亡保険金は非課税枠があるため、「500万円×法定相続人の数」の金額だけ評価額が減少します。そのため、節税になります。生命保険における相続税の改正は見送りになっていた
 

5.死亡保険金によって争いがなくなる?

相続人が複数いる場合、親族間で財産を取り合う争いが起きるケースが多々あります。とくに相続財産が不動産の場合は中々分割できず、争いが発生する場合が多いです。

それに対して生命保険の死亡保険金は受取人固有の財産という考えがあります。よって死亡保険金については遺産分割協議の対象外となります。特定の相続人だけに財産を残したいと言う場合に活用すると良いのではないでしょうか。また、生命保険であれば複数の受取人を指定することも可能ですので相続財産を分割しづらいときに活用することで争いのリスクが軽減されるのではないでしょうか。

6.死亡保険金を利用して、相続税の納税準備を!

遺産のほとんどは不動産でお金があまりない場合に、不動産があることから相続税が高額になってしまうケースがあります。その際に、お金がなければ相続税を支払うことができません。それに対して生命保険の死亡保険金なら受取人を指定することができ、書類を用意するだけで、約1週間程度でお金を受け取ることができます。この死亡保険金を使って相続税の納税準備をされる方も多いです。
生命保険における相続税の改正は見送りになっていた

7.死亡保険金を受け取った場合、確定申告は必要?

交通事故や病気などで被保険者が死亡し、保険金受取人が死亡保険金を受け取った場合には、保険料の負担者、保険金受取人、被保険者が誰であるかにより、所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税の対象になります。上記の例では、相続税についてご説明しましたが、保険料負担者と被保険者が変わると所得税や贈与税が発生することがあります。

所得税に該当する場合には、死亡保険金を受け取った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告書を提出する必要があります。

贈与税に該当する場合には、死亡保険金を受け取った年の翌年2月1日から3月15日までに確定申告書を提出する必要があります。

もし、相続時の対策で死亡保険金の非課税枠を利用することを検討されているのであれば保険料負担者と被保険者は同一人物にしなければなりませんので、契約する際に注意してください。

まとめ

死亡保険金に対して相続税はどれくらい発生するか?また、死亡保険金を利用することで相続時の対策になるということをご理解頂けたでしょうか?
保険を上手く利用することで遺族への負担が減る場合もあります。誰が保険料を負担し、誰が受け取るのか、相続時のことも考慮して保険を検討されてはいかがでしょうか。

加入する際は、契約者、被保険者、保険受取人を誰にするかで相続対策出来るか否かが決まりますので、加入前に生命保険会社や税理士にご相談してみてください!

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