知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて

知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて

平成27年1月1日から相続税が改正され増税されたというニュースはご存知かと思います。実際、みなさんも改正されたことでどれだけ増税されたのか気になるところではないでしょうか?

今回は、その中でも相続税の基礎控除についてご説明致します。

知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて

1.相続税の基礎控除って何?

相続税は、課税価格(プラスの相続財産-マイナスの相続財産)から基礎控除額を引いたものに対してかかります。

つまり、亡くなった人の財産全てに対して相続税がかかるわけではありません。

この基礎控除額ですが、改正前と改正後で4割の基礎控除が縮小されました。

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例えば、夫が死亡し、死亡した夫には、妻と子供が2人いたとします。この場合の基礎控除額を改正前と改正後で比較すると

 
知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて 亡くなった人の相続財産が基礎控除額以下の場合には、相続税はゼロとなり、相続税の申告をする必要もありません。 改正前までは「相続税」は、富裕層の一部にしか関係ないものとされ、実際に亡くなった人100人のうち4人の割合でしか、相続税は発生しないという状況でした。

つまり、相続税はゼロで、かつ、相続税の申告をしなくて良い方が約96%だったので、富裕層にしか必要のないのが相続税でした。

 ところが、基礎控除の大幅な削減により、今まで「相続税」とは無縁だと思っていた一般の人々も相続税対策を講じることが必要といわれており、全国平均の割合が6%まで上昇、東京都では13.5%まで上昇、さらに東京23区では25%の人が「相続税」の申告が必要になると言われています。

2.相続税の基礎控除の推移は?

流れ
基礎控除の金額は頻繁に改正が行われております。

今まで相続税の基礎控除は以下の通りです。 

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 ※バブル期である昭和60年以降に地価が高騰したため基礎控除が引き上げられました。

その結果、昭和63年以降どんどん基礎控除が上昇したといわれております。
バブル崩壊後、地価が下落しても、基礎控除額が下がっていなかったため、基礎控除は下げるべきだという意見があり、平成27年の改正で基礎控除額が大幅に減少したと言われております。

3.法定相続人の数え方は?

(1)被相続人の配偶者は常に相続人となります。 

例えば、夫が亡くなった場合には妻が必ず相続人となります。

妻が亡くなった場合には夫が必ず相続人となります。

※注意点としては、戸籍上、入籍していることが要件です。

よって、内縁の妻や離婚した前の妻は相続人にはなりません。  

(2)配偶者以外の相続人は以下の順位によって決まります。

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第1順位

死亡した人の子供

その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。
子供も孫もいるときは、子供が相続します。
子供がすでに死亡しており、孫がいる場合には、孫が相続します。(これを代襲相続と呼びます
。代襲相続についてはこちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。)

第2順位

死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)

第1順位の人がいないときは第2順位の方が相続人となります。
第1順位の方がいる場合には、第2順位の方は相続できません。
父母も祖父母もいる場合は、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。

第3順位

 死亡した人の兄弟姉妹

第1順位の人も第2順位の人もいないとき第3順位の方が相続人となります。
第1順位、第2順位の方がいる場合には、第3順位の方は相続できません。
 その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供(甥っ子、姪っ子)が相続人となります。
(これを代襲相続と呼びます。代襲相続についてはこちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。)
※第3順位の代襲(下の世代に引き継ぐこと)は1度のみとなるため、甥っ子、姪っ子に子供がいた場合でも代襲はされません。
 

 注意点としては、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
 また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
 内縁関係の人とは、法律上の正式な夫婦と認められない男女の関係がある方を指します。
 
(例1)夫が死亡し、妻(配偶者)と子供が二人いる場合
配偶者は必ず相続人となります。
次に第一順位の子供がいる場合には、子供が相続人となります。
⇒相続人の合計は妻+子供2人で合計3人となります。
 
(例2)夫が死亡し、妻(配偶者)と父、母がいる場合(子供はいない)
配偶者は必ず相続人となります
次に第一順位の子供がいないため、第二順位の父母が相続人となります。
⇒相続人の合計は妻+父母で合計3人となります。 
相続人についてはさらに詳しくこちらの記事で説明していますのでご覧ください。

 4. 養子がいるケースでは、基礎控除額の計算を間違える方が多い!?

(1)実子を、養子に出した場合の注意点とは?

養子がいるケースでは、基礎控除額の計算は間違いやすいです。
例えば、
子供2人(太郎君、次郎君)がおりました。
次郎君は、養子に出されてしまいました。
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養子に出された場合、法定相続人にはならないと考えてしまっている方が以外と多いのですが、養子に出されたとしても、実の子であるということに変わりがないため、養子に出されても法定相続人になります。

相続税の基礎控除の計算は、

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で計算されますが、上記の算式の法定相続人の数は、実子を養子に出していても減ることはありません。

【ポイント】

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実の子が、養子に出されたとしても、実の子なので、法定相続人のままです。
つまり、養子に出されていない長男と養子に出された次男はそれぞれ実の子なのでどちらも法定相続人です。
よって、養子がいる場合、基礎控除の計算式に出てくる【法定相続人の数】には、注意が必要です。
※養子の論点で難しいのが、養子は、出す側と、受け入れる側がいるという点です。
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(1)の論点は、養子を出す側の話です。
養子を出したとしても、実子であることに違いないので、基礎控除の計算上、法定相続人に含めて計算するという考え方です。

以下、(2)以降は、養子を受け入れる側の話となりますので、頭を整理しておいてください。

(2)相続税の基礎控除額の計算上の養子の数には制限がある!

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養子となった子は、法定相続人ですが、基礎控除額を計算するうえで、「法定相続人の数に入れることのできる養子が、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人」という制限があります。(相続税法第15条)
※養子を受け入れる側の話です。

(3)基礎控除額の計算上、法定相続人の数に制限を設ける理由とは?

養子は、相続税の基礎控除の対象とできる人数に規制があります。
無制限に養子の数を増やし、「基礎控除額」を大きくすることで、相続税を安くするということを防ぐための措置です。

もちろん相続税の節税のために、養子を増やすことには制限を設けておく必要がありますが、節税目的ではなく、事情があって、複数人養子縁組をした場合には、相続税の基礎控除の対象とできる人数制限が必要なのでしょうか?

(4)養子の基礎控除の人数制限がない場合

養子を法定相続人の数に含める事で相続税対策をしていると考えにくいような場合には、基礎控除の人数制限はありません。

①特別養子縁組をした養子の場合

特別養子縁組は、6歳未満の子どもが戸籍上の親子関係を完全に切り、あなたと新たに親子関係を結ぶタイプの養子縁組です。
特別養子縁組が成立すれば、戸籍上、その子はあなたの実子と同じ扱いになります。
特別養子縁組が作られた目的として子供の保護・福祉という養子縁組制度の本来の目的実現のためなので、養子をできるだけ実子と同様に取り扱う制度となっております。

これは明らかに、無制限に養子の数を増やし、「基礎控除額」を大きくすることで、相続税を安くする不自然な養子縁組ではないので、基礎控除の人数制限を受けることがありません。

 
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② 配偶者の連れ子を養子とした場合

 
配偶者の連れ後が被相続人の養子となった場合は、実子と同じ扱いになります。基礎控除の人数制限はありません。したがって、被相続人に配偶者・実子A・養子B・配偶者の連れ後Cがいた場合は
法定相続人の人数は4人となります。
 
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③ 実子または養子の代襲相続権がある場合
 
被相続人の実子、養子の子など代襲相続権を持っている場合は、被相続人の実子と同じ扱いになります。そのため、被相続人に配偶者・実子A・普通養子B・普通養子Cがおり、実子A・普通養子Cが死亡しており、実子Aには子Dと養子E、普通養子Cには子Fがいた場合、被相続人の法定相続人は配偶者・普通養子B・実子Aの子Dと養子E・普通養子Cの子Fの4人となります。
 
 知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて

5.『基礎控除』と『配偶者控除』の違いとは?

配偶者の相続税額の軽減とは、配偶者が取得した相続財産に対して適用される制度です。

相続財産が1億6,000万円

または

1億6,000万円を超えていても法定相続分内の額であれば相続税はかかりません。

 

つまり、最低でも配偶者は1億6,000万円まで財産を取得しても非課税となります。

(基礎控除とは違い、配偶者の相続税額の軽減を適用する場合には、税金がゼロとなる場合にも申告義務が出てきますので注意が必要となります)

配偶者の相続税額の軽減についてこちらの記事で説明していますのでご覧ください。

6.不動産を相続した方の多くが悩むこととは?

不動産がいくらかわからないので、基礎控除を超えるかわからない!というご質問は非常に多いです。

上記の悩みをお持ちの方は、ぜひ下記サイトをご参照ください。

不動産を査定してもらうことで、相続税の概算額がわかる?査定額が高ければ売却も検討すべき?

まとめ

平成27年の改正により大幅に基礎控除が減少致しました。
その結果相続税の申告をしなければいけない方が増大することが予測されております。
前もって準備することが節税につながりますので、早めの準備を心がけるようにしてください。