相続登記の際に必要な委任状とは?

相続登記の際に必要な委任状とは?

相続登記をする際、登記申請の添付書類として「委任状」をつけるケースがあることをご存知ですか?

これは、もっぱら登記申請代理人である司法書士に対して登記を依頼する相続人から出すものです。
では委任状はどのような場合に必要で、何を記載し、どのようなことに気をつければよいのかを詳しく見てみましょう。

相続登記の際に必要な委任状とは?

1.司法書士に相続登記を頼む際に委任状が必要になる

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(1)誰から、誰に委任状を出すのか

相続登記の申請に委任状をつける場合、ほとんどは不動産を承継する相続人から登記の専門家である司法書士に宛てて出されるものです。
具体的に委任状をつける相続人は「実際に不動産を承継する」相続人だけですので、遺産分割協議によってその不動産を相続しないこととした相続人の分は必要ありません。
また、法定相続分(民法で決められた配分通りの相続分)で相続登記をする場合は、法定相続人(民法で決められた相続人)のうち一部の相続人からのみ司法書士に委任することもできます。
これは法定相続分での登記申請が法律用語で「保存行為」といわれ、他の相続人の権利を保全するための行為とみなされるからです。

(2)登記申請を業務にできる人は限定されている

なお、相続登記申請を「業として」代理できるのは日本では弁護士、司法書士だけです。たとえば、これらの資格を持たない人が1回だけ、他人から依頼を受けて代理するということは可能ですが、報酬を要求することや、無償であっても反復継続して行えば法律違反となることに注意が必要です。

(3)委任状には具体的に何を書くか

委任状の内容としてはまず受任者(司法書士など)の住所氏名、登記申請の目的、原因とその日付、被相続人(亡くなった人)の氏名、相続人の住所、氏名、持分、登記する不動産の表示、委任日、さらには「登記申請書類の提出および登記識別情報、添付書類の受領に関する一切の件」など、委任する範囲を明記します。
ここで、もし委任の範囲が足りないと相続登記が完了するまでの過程で代理できない行為が出てくるといった不都合が生じることもあります。

ただ、委任状そのものは相続人が自分でフォーマットを準備して持っていかなければならないわけではなく、司法書士に依頼する場合はほぼ100%事務所サイドで準備しているものを使用することになります。
ですから、相続人はその内容に間違いがないかどうかを確認して署名や押印をするだけで済むのです。

もし、司法書士から提示された委任状の内容に疑問などがある場合は署名する前に確認しておくことも大切です。

2.委任状は実印でなくても登記できる

相続人の署名、押印とはいっても、実際の登記実務ではワープロなどでの「記名」の委任状でも手続することができます。
そして、委任状についての印鑑は実印でなくてもかまいません。登記の世界では、実印を押印するべき義務があるのは主に「所有権を失う人、物件に担保をつけられる人」とされているからです。つまり、登記名義を獲得することは有利な立場に立つという考え方なので、実印でなくてもかまわないのです。

そして、委任状は受任者の面前で書いてもらう必要はなく、郵送でのやりとりもすることができます。

3.本人申請する場合、委任状は不要

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相続登記の申請は相続人本人ですることもできますので、その場合には委任状は不要ということになります。

しかし、登記を本人申請するにあたってはいくつものハードルがあります。

まず、登記簿の見方がわからないということです。

現在の権利の状況を登記簿から正しく読み取れなければするべき登記をすべて完了できるとは限りませんし、見落としによる漏れが出てくる危険性があります(所有権は移転したものの、一緒に抹消しておくべき抵当権を消さなかった、など)。

そして、相続登記の場合は相続人全員を特定するための戸籍を集めるところがスタートになりますが、この作業は知識や経験がない人にとってかなりの難関になることがあります。被相続人の戸籍を死亡から出生まですべてつなげる、という作業は相続登記に限らず、銀行預金や株式など、すべての相続手続でやらなければならないことです。

ひとつの地域にずっととどまっている人なら比較的やりやすいのですが、本籍地を移動している人であれば郵送で取らなければならなくなりますから、本籍地の自治体の郵送請求のやり方から調べなくてはなりません。戸籍収集で挫折して途中からやはり専門家に頼もう、ということになる方が多いようです。

戸籍が集まれば、登記申請書の書き方自体は法務局でのアドバイスを受けられることもありますが、民間ほど親切に教えてくれるわけではないため、申請書を出した後で「補正」といって何度も法務局に足を運ばされることもあります。法務局は平日の昼間しか開いていないこともあり、仕事を持っている人にとっては対応できないこともあります。

時間にかなり余裕がある人でない限りは、やはり費用はかかっても専門家に頼む方が無難と言えるでしょう。

まとめ

相続登記をする際に、委任状が必要になるケースをご理解頂けたでしょうか?

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