相続が発生した時にしなければならない年金手続きは?

相続が発生した時にしなければならない年金手続きは?

高齢になると体が思うように動かず、仕事をするのが難しくなるので、収入を得られなくなるリスクが高いと言えるでしょう。それを回避するため、日本には公的年金制度が存在します。年金に加入し、現役世代、毎月一定の保険料を支払うなどして受給要件を満たすと、亡くなるまで年金を受給でき、安心して老後の生活をすることができます。

しかし年金を受給している人が亡くなるとその受給権も無くなります。そのため相続が発生した時、被相続人に関する年金手続きをしなければなりません。また被相続人が亡くなったことで遺族に対して年金が支給される場合があります。

そこで相続が発生した時にしなければならない年金手続きは、どのようなものがあるのか見ていくことにしましょう。

相続が発生した時にしなければならない年金手続きは?

《相続時の年金手続き》

年金

(1)年金受給者死亡届

年金を受給していた者が亡くなった場合、その者の年金受給権も無くなるので、支給を停止するために、年金受給者死亡届を提出しなければなりません。ただ平成23年7月以降で、日本年金機構に住民票コードが登録されている場合、原則年金受給者死亡届の提出を省略することができます。

この書類の提出先は年金事務所で、亡くなった人の年金手帳、戸籍謄本や死亡診断書など亡くなったことがわかる書類の写しを添付しなければなりません。

(2)未支給年金

年金は毎年偶数月に2か月分が支給されることになっています。そのため人が亡くなった後に、受給権のある年金の一部が支給されるのです。このように年金受給者が亡くなった後に支給される年金のことを未支給年金と言います。請求することができるのは、亡くなった年金受給者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の三親等内の親族です。

未支給年金の請求手続きは基本的に年金受給者死亡届と同時に年金事務所でおこないます。提出する書類は届出書の他、亡くなった人の年金手帳、亡くなった人と身分関係や生計を同じくしていたことが確認できる戸籍謄本や住民票、年金の受給先とする金融機関の通帳又はそのコピーです。

年金受給権は権利が発生してから5年で時効消滅します。そのため事項起算日である受給権者の年金の支払日の翌月の初日から5年の間に請求する必要があるのです。

(3)遺族基礎年金

国民年金に加入していた被保険者が亡くなった場合、被保険者によって生計を維持されていた子のある配偶者又は子に対して遺族基礎年金が支給されます。この年金の受給権のある子とは、婚姻をしていない場合で、18歳到達年度の末日が未経過の子、20歳未満で障害年金の障害等級が1級又は2級の子です。なお配偶者に子がいない場合、配偶者は遺族基礎年金を受給できません。

遺族基礎年金の請求手続きは住所地を管轄する市区町村役場へおこないます。提出しなければならない書類等は結構多く、年金請求書の他、以下のとおりです

  • 亡くなった人の年金手帳(提出できない場合はその理由書)
  • 戸籍謄本(提出日から6か月以内のもの)
  • 世帯全員の記載がある住民票の写し
  • 亡くなった人の住民票除票の写し
  • 請求者の収入が確認できる書類(源泉徴収票、所得証明書など)
  • 子の収入が確認できる書類(義務教育前は不要で、高校在学の場合は在学証明書)
  • 死亡診断書又は死体検案書
  • 年金受給用の金融機関の通帳
  • 印鑑(認印可)

この他、交通事故など第三者の行為が亡くなる原因になった場合、それらの事実を証明する書類の提出が求められます。

(4)寡婦年金

頭痛のおばあさん

国民年金の被保険者である夫が亡くなると、その者に生計を維持された子のある妻又は子がいる場合、遺族基礎年金が支給されます。しかし子がいない妻には支給されないので、夫がこれまで支払ってきた保険料が掛け捨てになってしまいます。そのような時のためにあるのが寡婦年金です。

寡婦年金を受給できるのは夫に先立たれた妻で、その他の具体的な受給要件は以下のとおりです。

  • 亡くなった夫が第一号被保険者としての受給資格を満たしていること
  • 亡くなった夫が障害基礎年金や老齢基礎年金を受給したことがないこと
  • 夫が亡くなった時、妻が夫によって生計を維持されていたこと
  • 夫との婚姻期間が10年以上継続していること
  • 妻が65歳未満であること

寡婦年金は受給できるのは、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から65歳に達するまでで、夫が受給するべきだった老齢基礎年金額の4分の3が支給されます。

(5)死亡一時金

遺族基礎年金が支給されない場合、妻は条件を満たせば寡婦年金を受給できますが、それ以外の遺族は死亡一時金を受給できる場合があります。死亡一時金とは第一号被保険者として保険料を3年以上納付した者が、老齢基礎年金と障害基礎年金の両方もらわずに亡くなった場合、その者によって生計を維持された遺族に支給されます。受給できる遺族の順位は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。妻は寡婦年金を受給できる場合、死亡一時金とどちらか一方を選択して受給します。

死亡一時金の請求先は、住所地を管轄する市区町村役場で、亡くなった人の年金手帳、戸籍謄本、住民票の写しなどの書類を請求書と一緒に提出します。また死亡一時金の時効期間は被保険者が亡くなった日の翌日から2年となっているので、注意しなければなりません。

(6)遺族厚生年金

会社勤めをしている人などは、厚生年金に加入することになりますが、厚生年金被保険者が亡くなった場合、その者が保険受給資格を満たしていれば、遺族厚生年金が受給されます。この年金を受給できるのは、亡くなった被保険者によって生計を維持されている遺族で、優先順位の高い者です。具体的には第一順位配偶者又は子、第二順位父母、第三順位孫、第四順位祖父母となっています。

遺族厚生年金の請求手続きは年金事務所へおこない、請求書とともに必要書類等を添付して提出します。請求するために必要な書類等は、遺族基礎年金の請求する時に提出するものと基本的に同じです。

また遺族厚生年金の額は、亡くなった被保険者期間として計算した老齢厚生年金の4分の3に相当するのが原則です。

まとめ

相続が発生した際に必要になる年金手続きをご紹介しました。必要なものをご確認の上、手続きを行いましょう。



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