不動産価格はどのように決まるのか

不動産価格はどのように決まるのか

不動産を売却する時、気になるのは自分の所有する不動産は「いくらで売れるのか?」という事です。自分が購入した時の価格から引き算をして目安とする方が多いですが、それでは、そもそも不動産価格はどのように決まるのでしょうか? 

不動産は2つとして同じものがなく、また価格も高額なため売り出し価格を決めるのが非常に難しい商品と言われています。今回の記事では、不動産の価格はどのように決まるのかという基本についてお話していきます。

不動産価格はどのように決まるのか

1.不動産には同じものが存在しない

例えば同じマンションだとしても、101号室の価格と502号室の価格は全く異なります。同じように、同じ地域の戸建てだとしても日当たりや面積・方位などから価格は異なるのです。

不動産価格はどのように決まるのか

 不動産は、工場で作られるような画一的な商品ではないため、価格については不動産鑑定士などの専門家が不動産について調査を実施し、見積もりを作成することで明らかになります。

 2.時期で価格が異なる

さて、専門家によりあるマンションの1部屋が「3千万円」と鑑定されたとしましょう。しかし、この価格には食品と同じように「有効期限」があります。

 不動産価格はどのように決まるのか

不動産も食品と同じように生モノです。時間が経てば劣化しますし、時代と共に人気のエリアは変化します。不動産を売却したい時には、それが急ぎでない場合はより高額に売れる時期を見定め、よりよいチャンスで売却したいと考える方は多いのです。

 この意味で、不動産は株や投資などの金融商品にも少し似ています。株も投資も時期を間違えば大損しますし、タイミングよく売買すれば収益を上げることが可能です。

3.中古住宅の代表的査定方法「取引事例比較法」

不動産価格を決める事を、「不動産査定」と呼びます。不動産査定にはいくつかの方法がありますが、今回は中古住宅の価格査定で代表的な「取引事例法」についてご説明します。

①過去の取引事例と比較

不動産価格はどのように決まるのか

この方法は、一言で言うと「過去の似たような取引でいくらの価格で売れたのか」というデータを調べ、そのデータを参考にして価格を決める方法です。

 冒頭で、不動産は2つとして同じものは存在しないとお伝えしましたが、全ての不動産の価格をゼロから査定していては時間も労力もかかります。そこで、過去に似たような物件はなかったのか、膨大なデータベースから案件を探り当てるのです。

 例えば、JR中野駅徒歩10分の南向き築浅マンション3階建て60平米の価格を査定したいとしましょう。今はインターネットで不動産取引価格情報を検索することが可能です。

取引時期や不動産種別・エリアを指定し検索すると、即座に過去の取引での価格が判明します。

不動産価格はどのように決まるのか

一例として、中野区中野で駅から徒歩8分の60平米のマンション価格で調べると、現在(2017年)は4,400万円という結果が表示されます。

②時点修正とは

不動産価格はどのように決まるのか

過去の参考取引事例から価格が分かれば、次は価格の調整を行います。何故かというと、参考にする価格と現在の間の時間差を埋めなければいけないからです。「このシャネルのバッグ1万円だったの。」「え?安いね。どうして?」「だって、30年前のだから。」というように、価格が決められたのが過去であれば、それを加味して値引きしなくてはいけませんよね。

 また、逆に値上がりするケースもあります。例えば「中野に新しい大型ショッピングモールができるから地価が上がる」などの環境変化の場合もありますし、「来年から中古住宅を買う人への税金を減らします」というような政策変化の場合もあります。これらの変化(=市場動向)は、価格の決定に非常に重要です。

 このように、不動産価格を市場動向により価格調整することを「時点調整」と言います。

③直接比準と間接比準

さて対象不動産との比較ですが、実際には同じような事例が見つからない場合も多々あります。

 そのため、例えば中野区のAというマンションとBというマンションを直接比べるというように比較するのではなく、「中野区の標準的な住宅地エリアの土地価格は現在〇〇〇万円」というように標準宅地価格をあらかじめ設定し、その設定した条件と比較する方法が一般的です。

不動産価格はどのように決まるのか

つまり、マンションのような建物同士ではなく土地を起点に比較するのです。土地の価格は地価と言いますが、地価は国土交通省が「地価公示」としてインターネット上で公開しています。

 ちなみに、「他と比較し、価格を決めること」を比準と言い、決められた価格のことは比準価格と呼びます。

④標準化補正とは

例えば、「六本木のマンションで屋上にヘリコプターが着陸できる物件を売りたい」という場合があるとします。屋上にヘリコプターが着陸できるマンションは、かなり珍しいですよね。

 不動産価格はどのように決まるのか

そこで、直接比較するマンションを探すのではなく、六本木の標準的な宅地条件(東京メトロ日比谷線・都営大江戸線が使える、坂がある、駅前にはドン・キホーテがあるetc)を複数設定し、以下のように優劣をつけます。

 【例】

  • 六本木Aエリアは、近所にお洒落スーパーがあり駅近なのに近隣は静かで、周りには大使館の人が住んでいる。
  • 六本木Bエリアは、駅から徒歩15分程度で近所に小学校もあり、住宅用マンションも複数ある。徒歩圏内に24時間営業の大型スーパーもある。
  • 六本木Cエリアは、駅から離れていてバスを使わないとり六本木まで行けず、近所にはスーパーがなくコンビニだけ。

 そして、対象不動産はどのエリアに当てはまるのか?と考え価格を調整する手法を標準化補正と呼びます。

⑤土地と建物の比較は別々か

不動産価格はどのように決まるのか

上記で、マンションのような中古住宅を査定する際には、まず過去事例と比較したり標準宅地条件を設定し比較するとお話しました。不動産査定は、土地と建物の査定はまとめて行う事も個別で行うこともあります。土地の査定と建物の主な基準は以下となります。

【土地】

  • ・路線価・・・本来は、固定資産税を決める際に使う土地の評価価格を指し、路線(道路)に面する1平方メートルあたりの土地価格です。路線価が定められていない土地もあります。
  • ・面積
  • ・所有権

【建物】

  • ・築後何年経過しているか
  • ・面積
  • ・室内や外観の状態がどうか
  • ・日当たりや風通しはどうか
  • ・近隣の騒音はどうか

まとめ

不動産の価格を決めるのは、過去に似たような物件の土地価格を探し比較する方法が代表的です。また、市場動向により価格は上下しますので、市場動向や過去事例を豊富に持つ専門家の力を借りるのが一番です。



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