定期預金と住宅ローンの繰り上げ返済【どっちが得なの?】

更新日:2023.12.06

定期預金と住宅ローンの繰り上げ返済【どっちが得なの?】

住宅ローンを返済中の人、これから住宅ローンを利用して住宅を購入しようと考えている人の中には、繰り上げ返済を計画している人も多いことでしょう。

今回は、いざ実行しようとすると疑問に思うことが多くて躊躇してしまう人のために、繰り上げ返済の注意点なども含めて説明していきます。

1. 住宅ローンの繰り上げ返済とは?

住宅ローンの繰り上げ返済とは、金融機関で借りた住宅ローンを、毎月の返済とは別に、前倒しで返済することです。

ある程度まとまったお金がある時に実行を検討する人が多いのですが、繰り上げ返済額に制限がなく手数料が無料のネット金融機関などでは、1円から気軽に実行することもできます。

こまめに繰り上げ返済したい人にとっては、繰り上げ返済する際にかかる手数料はしっかりチェックしておくべきでしょう。

返済方法には一部返済である期間短縮型と返済額軽減型、全額返済があります。

1-1 期間短縮型とは?

「期間短縮型」で住宅ローンの繰り上げ返済をした場合は、言葉の通り返済期間が短くなり、毎月の返済額は、当初と変更なく同額を返済し続けていきます。

返済期間が短くなるため、トータルで支払う利息が軽減され、かつ利息の軽減額は、返済額軽減型よりも大きくなるという特徴があります。

定年後に収入がなくなるにも関わらず定年後も返済が続くような人は、期間短縮型の繰り上げ返済を検討すべきでしょう。

1-2 返済額軽減型とは?

返済額軽減型は、返済期間は当初の予定通りですが、毎月の返済額を引き下げるものとなります。

期間短縮型に比べると、利息削減額が少なくなりますが、住宅ローン以外の支出(教育費、生活費など)が多くなる予定がある人には、毎月の支出額が減少するため適しています。

※ポイント

期間短縮型・返済額軽減型のいずれの繰り上げ返済方法を採用したとしても、返済開始からできるだけ早めに繰り上げ返済を実行することで、支払うべき利息が少なくなり、繰り上げ返済の効果が高くなります。

余裕をもって繰り上げ返済できるのであれば、早めに繰り上げ返済するとよいでしょう。

2. 繰り上げ返済と貯金しておくこと、どっちが得?!

ボーナス支給で手元にある50万円を

「2,000万円・金利1%・30年返済の住宅ローンの期間短縮型繰り上げ返済にあてた場合」と「金利1%の11年定期預金に預け入れした場合」どっちが得になるのかを比較してみましょう。

2-1 繰り上げ返済をした場合の効果は?

繰り上げ返済は開始から1年目に実行したとして、約18万円の利息軽減・11カ月の期間短縮効果があるという試算になります。

2-2 定期預金をした場合の効果は?

定期預金は、税引き後4,000円の利息が得られることになります。この比較だけ見ると「圧倒的に繰り上げ返済したほうが得」ということになります。

2-3 繰り上げ返済をした際の注意点

繰り上げ返済をした方が明らかに得するので、すぐに繰り上げ返済すべきと考えてしまう方に注意してもらいたいこともあります。

定期預金は1年後に504,000円が手元に残りますが、繰り上げ返済した場合は0円です。

利息の支払額だけに着目すれば、繰り上げ返済をした方が断然利息の支払い額が安くなるのですが、資金繰りが非常に悪くなってしまいます。

例えば、実行後に教育費が不足して住宅ローンより高い金利の教育ローンを利用しなければならなくなったら、教育ローンに対する利息を払わなければならないため、繰り上げ返済をして利息を削減する効果はなくなってしまうでしょう。

効果の高い繰り上げ返済を行うためには、自分のライフプランをしっかりと考え、繰り上げ返済のタイミングを間違えないことが大切でしょう。

3. まとめ

住宅ローンは長期間の返済になるので負担に思う人も多いことでしょう。繰り上げ返済はその負担を軽減する方法であり、確実に支払い利息が少なくなる点においてリスクのない投資だとも言えます。無理のない範囲で、有効活用するようにしましょう。

この記事の監修者

 

南海リーガル 西森 淳一

司法書士・行政書士 西森 淳一

 

所属:司法書士法人 南海リーガル

出身:愛媛県松山市

資格:司法書士、行政書士

2009年:西森淳一司法書士事務所開業

2012年:西森淳一行政書士事務所開業

2013年:司法書士法人南海リーガル開業

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