アパートやマンションを建てる前に!収入を得るための利回りノウハウ特集

アパートやマンションを建てる前に!収入を得るための利回りノウハウ特集

不動産投資の場でよく聞かれる「利回り」についてきちんと理解していますか?

利回りとは投資額に対し、年間利益がどれくらいあがるのか表した数値です。

不動産投資の場合に注意しておかなければならないのが

「表面利回り」

「実質利回り」

です。

投資したアパートやマンションに空室がひとつもない場合の利回りを「表面利回り」といいますが、実際には空室がでる場合や賃貸経営に様々な費用がかかります。この経費などを考慮して出した利回りを「実質利回り」といいます。

不動産投資用のアパートやマンションの購入をお考えの方は、利回りについてきちんと理解しておく必要があるでしょう。今回は収益を得るための利回りについての知識についてご紹介しています。

アパートやマンションを建てる前に!収入を得るための利回りノウハウ特集

1.利回りの高さは地価次第?地域による利回りの影響

(1)不動産価格

不動産価格は、土地の価格と建物の価格の合計になります。

地価が安いと土地は安く調達できますが、建物の価格は地方に行っても変わりません。不動産価格は建物の方が価格に占める割合が高いです。

つまり、地価が安いからと言って不動産価格にそこまで大きな差が付かないのです。そのため賃貸住宅のサイトを検索しても、地方都市に行ったからと言って驚くほど家賃が安いということはありません。交通機関が利用できないようなところでも賃料の相場は都心の半額にもならないのです。

(2)利回りが高い物件

同じような物件を比較した際、地方物件の中には利回りが非常に高いものがあります。地方のマンションには都心部ほどの需要が無く、流通している戸数も少ないことから、物件ごとに家賃に差があります。地方とは言っても快速停車駅の周辺などは政令指定都市並みの人口密度や人通りがあります。そのような場所のマンションには人気が集まり、需要と供給の関係から家賃が高くなります。

近年はマンションの新規着工戸数が減少していますので、地方には、周辺地域に新築物件が数えるほどしかないという状況が存在します。また入居者のサイクルも都心と比べて長く、高い家賃を長く払い続ける人が多いことも利回りが高くなる理由です。

通常、マンションの家賃相場は築20年を超えた頃から大きく下落します。

しかし駅前のマンションや、立地の良い物件は入居者が絶えないことから、築年数が古くなっても家賃が下がりません。

これは地価が安い地域でも同じで、駅から近いマンションは長期にわたって家賃を維持することができます。また、所有者による建物のメンテナンスも家賃の維持に影響します。例え築30年のマンションでも、最新の家電設備に対応し、ネットやケーブルテレビも新築と同様に使用でき、改築がなされていれば新しい物件に対抗することができます。古い物件に価値を持たせるリノベーションを行うのも一つの方法です。

(3)利回りが低い物件

都心の新築物件は利回りが低いです。

表面利回りで5%に満たない物件がいくらでも存在します。しかしそれは不動産投資に適さないわけではなく、空室リスクが低いことの現れでもあります。都心の人口は現在でも増え続けており、奪い合うパイが増える状況にあります。

便利なことから築年数が古くなっても家賃が下がりにくいですし、長期で考えると地価の安い地域には無い収益の安定性があります。物件購入の際には資金や投資できる期間などを考慮して物件の地域を決めましょう。

2.実際どれくらいの収益になるもの?表面利回りと実質利回りとの差は?

(1)表面利回りと実質利回り

表面利回りは単純に部屋が満室になっているときに得られる最大の年間の家賃収入がマンションやアパートの建築費用に対してどれだけの割合になるかを計算したものです。

しかし、実際に経営をしていると常に満室の状態が続くわけではなく、家賃収入は空室の割合によって低下してしまいます。また、賃貸経営をしている上では様々な経費がかかるため、実際に手元に残る現金は家賃収入の全額ではありません。さらに、建築にかかる費用は建築会社に支払った金額だけでなく税金などの諸費用がかかるでしょう。これらも合わせて考慮して考えるのが実質利回りであり、実際にどれくらいの収益になるかを判断するのに役立つ指標になります。

(2)実質利回りの計算

具体的には家賃収入に入居率をかけたものから経営にかかる諸費用を引き去り、それを建築にかかった全ての費用で割ったものが実質利回りです。ただし、実質利回りとして計算された値に対して何を考慮してあるかはケースバイケースであり、ある人が行った実質利回りでは特定の経費が抜け落ちていたり、建築の諸費用を考慮していなかったりする場合があります。想定される家賃収入の計算の仕方や、建築費用の範囲について考え方が違う人もいるので他人が計算した値を参考にする場合にはどのようにして計算したかに注意しましょう。

計算方法からわかるように、実質利回りは表面利回りに比べて小さくなりますが、その差は建築するマンションやアパートなどや賃貸経営の行い方などによって大きな差があって一概には言えません。

表面利回りが15%ある物件が10%程度になる場合もあれば、わずかに3%程度になってしまう可能性もあります。実際に自分で計算してみる必要があると理解しておきましょう。実質利回りを計算するためには諸費用について正しく把握しておかなければなりません。建築の際に必要になる諸費用と、賃貸経営にかかる諸費用としてどのようなものがあるかを知っておくことが大切です。

(3)建築にかかる費用

①不動産所得税

建築時にかかる諸費用として最も大きくなるのが不動産取得税です。建物の評価額の3%が納めなければならないと定められていますが、軽減措置もあるので節税を行うことができます。代表的な軽減措置として部屋の面積が40平方メートルを超えて240平方メートルまでの場合には一戸あたりで1200万円の軽減措置が取られているので、広い部屋のマンションやアパートを建てるとほとんど不動産取得税がかからなくなります。なお、建物の評価額はおよそ建築費の6割から7割程度になるのが一般的です。

②登録免許税

新たにマンションやアパートという不動産を手に入れることになるので登記のために登録免許税も納めなければならず、司法書士に依頼した場合にはその報酬もかかります。登録免許税はマンションやアパートの評価額の0.4%です。

司法書士報酬は個々に異なりますが、3万円から10万円程度になる傾向があります。この他にもマンションやアパートの建築の際に加入した諸々のものが諸費用となります。個々のケースとしてはローンを組んだときにはローンの事務手数料や団体心豊生命保険の加入料が該当するものです。

ただし、金利については継続的にかかる経費になるので建築時の諸費用ではなく、賃貸経営にかかる諸費用に加えるので注意しましょう。

(4)賃貸経営にかかる費用

賃貸経営にかかる諸費用はさらに複雑になり、経費として何をどれだけ使用していくかという考え方によっても大きく変化する点には留意しなければなりません。

①固定資産税と都市計画税

まずマンションやアパートを建築して登記した時点で毎年納めなければならない税金として固定資産税と都市計画税があります。

固定資産税の評価額によって決定される金額になり、固定資産税については1,4%、都市計画税については0,3%の税率となっているので両者を合わせると評価額の1,7%です。

ただし、固定資産税と都市計画税にも軽減のための特例があり、建物ではなく土地に対して適用できます。住宅用地であれば200平方メートルまでの範囲内で土地の固定資産税が六分の一、都市計画税が三分の一に軽減されるので合わせて計算を行うことが大切です。広大な土地の一角にマンションやアパートを建てたという例外的な場合には、住宅用地の面積の10倍までの部分について固定資産税が三分の一、都市計画税が三分の二になり、それ以上の部分は軽減を受けられません。マンションやアパートの場合にはあまりないケースですが広大な土地を持っているときには注意しましょう。

②所得税・住民税・事業税

賃貸経営によって新たに納めなければならなくなるか、金額が増加するのが所得税や住民税、あるいは事業として行う場合には事業税です。所得税などの計算では累進課税制度が適用されるため、他の所得がある場合にはその影響も受けます。必要経費として何を使用するかや、減価償却費の大きさによる影響なども考慮しなければならず、賃貸経営による部分だけを抜き出してみると大きな金額になる場合もあればマイナスになる場合もあるのが特徴です。所得税や住民税の軽減のために不動産投資をするという人がいるのは、うまく賃貸経営の経費を大きくすることによって賃貸経営部分での所得をマイナスにして損益通算を行えるからに他なりません。

③保険料

金融や保険に関わる諸費用としてローンの金利や火災保険料や地震保険料などの保険料が該当します。ローンとして選んだ商品や借り入れ額などによる違いが大きく、固定金利を選ぶか変動金利を選ぶかによって年々変動するかどうかも異なるので計算を複雑にしてしまう可能性があるのが金利です。大まかに多めに見積もっておけば実質利回りがやや低めに計算されるので安全策になります。火災保険料や地震保険料も見直しをすると変化しますが、最初に加入するものでまずは計算しておけば良いでしょう。しかし、選び方次第で節約できるものの、ローンを組む際には条件を満たしていなければならないことが多いので注意が必要です。

④外部委託費用

外部に委託する業務についての費用も諸費用になります。管理業務や会計業務を委託するのは賃貸経営をする際によく選ばれる方法です。特に入居者管理は外部に委託することが多いでしょう。一括借り上げを依頼してサブリースで経営するという方法もよく取られます。経営の仕方によって管理費用は大きく異なるのでどのようにして経営するかを決めておくことが大切です。実際には家賃収入の3%から10%程度を使用しているのが実情になっています。管理費用には共用部分の水道光熱費や通信費なども含めて多めに見積もっておくと良いでしょう。会計業務についても依頼先によって大きく異なり、個人事業主か法人化で数万円で済むか数十万円かかるかの違いがあります。

⑤その他費用

この他にも様々な費用がかかりますが、最後に忘れてはならないのが修繕費です。建てたマンションやアパートの状態を保ったり、劣化した場所を修復したりするために修繕費がかかることは念頭に置いて積み立てを行うのが賢明です。家賃収入の5%前後が基本として知られていますが、老朽化が進みやすいかどうかによって差も大きいのでプロに相談しておくと安心できます。

このような諸経費は常に変動します。あくまで初期の時点での試算でしかないので長期的には実質利回りは変化すると考えておくことが必要です。基本的には空室対策のために経費がかかるようになって実質利回りは低下していくのです。その点も考慮して実質利回りは適宜見直すことも大切になると覚えておきましょう。