遺言により相続した場合には、相続ではなく遺贈と呼ぶ!?

遺贈

遺贈という言葉はあまり聞き慣れない方も多いのではないでしょうか?相続と遺贈の違いがよくわからないという方もこの記事を読んで頂ければ違いが明確にわかります。

1.『遺贈』と『相続』の違いとは?

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『遺贈』と『相続』の違いについてご説明させて頂きます。

『遺贈』とは

遺言によって、遺言者の財産を贈与することをいいます。
遺言書により、相続人以外の方に相続財産を与える場合に『遺贈する』と言います。
相続人に対しても遺贈することはできます。

『相続』とは

なんら手続きを経ることなく被相続人(相続財産を残して亡くなった方)の財産をその相続人(相続する人)に承継させるという制度です。

2.遺贈にかかる税金とは?

 実務上、「他人からの贈与だから『相続税』ではなく『贈与税』がかかるのではないか?」と質問されることがあります。
 しかし、遺贈により取得した相続財産は、『相続税』の対象となります。なぜなら、人の死亡をきっかけとして財産を取得するからです。
贈与税は、生きている人から財産を取得した際にかかる税金だということを覚えておきましょう。

3.包括遺贈と特定遺贈とは?

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遺贈は、『包括遺贈』と『特定遺贈』の2つの種類が存在します。

(1)包括遺贈とは?

 遺産の全部に対する配分割合を示してあげることを指します。

例えば、

『「遺産の3割」を遺贈する。』

『「遺産の2分の1」を遺贈する』

などのように、遺贈する財産を割合で指定します。

包括遺贈を受ける受遺者(遺言により贈与を受ける方)は、実質的には相続人と同一の権利義務を負うこととなりますので、遺言者にマイナス財産(借金等)があった場合には、遺贈の割合に応じて債務も受け取らなければなりません。

したがって、受遺者にとっては不利となる遺贈もある可能性があります。

よって、包括受遺者は、相続人と同様に、遺贈の放棄限定承認が認められております。

① 包括受遺者の遺贈の『放棄』とは?

包括遺贈の『放棄』は、包括受遺者となることを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。

包括遺贈を受ける包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するため、相続財産の債務(借金など)も、相続することとなります。

そこで、借金が多額にある場合には、債務超過となるため、引き継がない手続きとして、家庭裁判所に相続放棄の申述が必要となります。

つまり、包括遺贈の放棄は、包括受遺者となることを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければならないということを覚えておいて下さい。

相続放棄をする場合の注意点としては、包括受遺者が相続放棄をする場合、債務だけを放棄することはできません。放棄する場合には、プラスの財産も、マイナスの財産(債務)どちらも放棄しなければなりません。一部だけを放棄することは出来ないということをご理解ください。

更に詳しく『放棄』について知りたい方は、「相続放棄しないと親の借金が自分の借金になってしまうかも?」をご覧ください。

② 包括受遺者の遺贈の『限定承認』とは?

相続の開始を知ったときから3か月以内に被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述しなければならないと定められています。この申述が受理された後は、原則として撤回することはできません。

 更に詳しく『限定承認』について知りたい方は、「限定承認で絶対に相続したい資産を守る方法!!」をご覧ください。

(2)特定遺贈とは?

特定遺贈とは、特定の財産を譲り渡す遺贈のことです。
特定遺贈と包括遺贈で一番の相違点は、遺言に特段の意思表示がある場合を除いて、遺言者がマイナス財産(借金など)を引き継ぐことがないということです。
また、特定遺贈を放棄する場合は、包括遺贈とは異なり、家庭裁判所に申請する必要はありません。
他の相続人に、放棄することを意思表示するだけで問題ありません。ただし、口頭での意思表示だけではトラブルになる可能性もあるため、書面で残しておくのが良いでしょう。

4.遺贈の際に覚えておかなければならない相続税額の2割加算

被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人で、被相続人の配偶者、父母、子ではない人(被相続人の兄弟姉妹や、おい、めいとして相続人となった人)等が相続税の2割加算となります。

5.相続と遺贈で異なる登録免許税とは?

 不動産を相続した場合、登記の手続きを行う必要があります。登記をする場合、登録免許税が発生します。
その登録免許税が『遺贈』と『相続』によって取得した場合では違いがあることをご存知だったでしょうか?

【登録免許税の税率】

遺贈の場合・・・評価額の1000分の20 (2%です)

相続の場合・・・評価額の1000分の4  (0.4%です)

相続人への遺贈(遺言による贈与)については、相続と同一だとみなされるようになったため、遺言書に『遺贈』と書いてあった場合にも『相続』の場合と同じ税率で、登録免許税率は評価額の1000分の4(0.4%)となります。

6.遺言書を作成する際の注意点とは?

一般的に、遺言によって相続人以外の方に相続財産を与える場合に『遺贈する』と表現します。遺贈は、相続人や、相続人以外のどちらに対するものでも遺言によって贈与すれば遺贈となりますが、相続人以外に『相続』させることはできませんので、遺言を書く際に注意が必要でしょう。

・相続人に対しては、遺言では『相続させる』『遺贈する』どちらの言葉を使っても問題はありません。

相続人以外の方に対しては、遺言では『遺贈する』という言葉を使いましょう。

まとめ

遺贈についてご理解頂けたでしょうか?基本的には、遺言によって無償で財産を譲ることを『遺贈』と呼びます。難しい内容ではないので覚えておくと良いかもしれませんね。
遺言についての関連論点を記載しておきますので、下記を参照ください。
 
 

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