知らなきゃ大損に!?相続放棄7つのポイント

相続放棄をすべきか否かの判断基準をご存知でしょうか?今回の記事では、知らなければ大損する可能性がある相続放棄についての7つのポイントをご紹介致します。 

1、事例で解説!相続放棄とは?

「借金まみれの父が亡くなりました。その父の息子である私は、父の借金を返済しなければならないのでしょうか?」

父が亡くなれば、その息子が父親の財産を相続することとなります。

この「財産」には、不動産や預貯金、株式、現金などプラスの財産だけでなく、借金、つまりマイナスの財産も含みます。

つまり、息子は父親の借金も相続するため、原則として、借金を返済しなければなりません。このとき、父親に借金以上のプラスの財産があれば、特段問題はないでしょう。父親のプラスの財産を処分して借金を返済し、残った財産を相続すればよいのです。

しかし、問題は、父の財産の内訳がプラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合、いわゆる「債務超過」だった場合です。

では、息子である「私」は、自分の財産を使ってでも、父親の遺した借金の返済をしなければならないのでしょうか?

相続放棄の手続きをすれば、借金を返済する必要はなくなります。

つまり、相続放棄とは、被相続人(相続財産を残して亡くなった方)の財産を相続する権利を放棄することです。

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 2 どのようなときに相続放棄を選択すべきか?

(1)債務超過の場合

父(被相続人)は、借金1億円、預金2,000万円を残して亡くなった場合。

このケースで、もし相続放棄しなければ、預金から借金を差し引いた金額△8,000万円を相続することになります。

この△8,000万円の借金を相続しなければならなくなるので、相続放棄をすべきでしょう。

【親に借金があるかどうかの確認方法3つをご紹介します】

①個人的な貸し借りはどのように把握するのか?

個人的なお金の貸し借りは『借用書』や『金銭消費貸借契約書』が作成されていれば、いくらの借金があるか把握出来ます。しかし、何も作成していない場合には、個人的な貸し借りがどれくらいあるか把握はできません。よって、相手からの請求を待つしかないでしょう。

②カード会社や消費者金融からの借入はどのように把握するのか?

カード会社や、消費者金融の借入は、返済が滞ると督促状が届きます。その催促状を見ればどのような借入をしているかの詳細を把握することが出来るでしょう。

③金融機関(銀行など)からの借入はどのように把握するのか?

 金融機関からの借入は被相続人(亡くなった方)の通帳を見れば、毎月返済しているはずなので借入状況を把握できるでしょう。

【ポイント】

 相続放棄手続き期限は3ヶ月です。借入の有無がわからなければ、相続放棄をすべきかどうか判断できないと思いますので、借入の有無は、生存中に必ず調べておくことをオススメします。生存中に借入状況を把握できなければ、リスクを減らすために、司法書士や弁護士などの専門家に調査してもらうのも選択肢の一つではないでしょうか。

【注意点1】

 債務超過かどうかを計算しなければいけないため、プラスの財産とマイナスの財産がどれだけあるのかを把握しなければなりません。

 プラスの財産が多い場合には大損することはないことが多いですが、マイナスの財産が多い場合、いわゆる債務超過の場合には借金を肩代わりしなければならないため、大損する可能性があります。

 被相続人(相続財産を遺して亡くなった方)がいくらの財産、債務があるのかをご自身で把握するのは非常に難しいです。

把握が難しい3つの理由

  • 土地がいくらの価値なのかを判定するのが難しい
  • 名義預金がある場合には、プラスの財産が増加する。 ※
  • 何が相続財産になるのかを把握しにくいので思ったよりプラスの財産が多いケースがある

※「名義預金」について詳しくは、「 名義預金とみなされた場合、相続の納付額は必ず増加します! 」をご覧ください。

【注意点2】

 相続が開始することにより、父(被相続人)の借金は、息子(相続人)に引き継がれます。息子(相続人)は、相続放棄手続きをすることによって、借金の返済義務を引き継がない選択をすることが出来ます。

 しかし、息子(相続人)が父(被相続人)の保証人になっていた場合には、保証人としての義務は残ります。保証人の義務は、息子(相続人)自身が負担していたものです。相続放棄をしても、保証人としての義務には何の影響もありません。よって、相続人である息子は、借金の返済義務が生じます。

 息子が借金を返済出来ない場合には、債務整理や、自己破産をせざるを得ないでしょう。

(2)生命保険を受取ることが出来る場合

父(被相続人)は、借金5,000万円、預金4,000万円と生命保険金2,000万円を残して亡くなりました。

仮に相続した場合、単純に計算すると

4,000万円+2,000万円-5,000万円=1,000万円

なので、相続してもプラスになり、相続すべきと考えるかもしれませんが、相続放棄をすれば、生命保険の2,000万円のみを引き継ぐことが出来ます。

相続放棄をすると預金や借金は放棄となるのですが、生命保険金は受取人固有の財産と考えることから放棄の対象になりません。結果、2,000万円の現金が残ります。

 契約者と被保険者が同じ場合には、死亡保険金は相続財産ではなく、保険金の受取人、固有の財産となります。そのため、相続放棄をしても、受取人の財産となります。

たとえば死亡保険を以下の通り契約していたとします。

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死亡保険金は、妻の固有の財産となるため、死亡した夫の財産ではありません。そのため、妻は相続を放棄しても死亡保険金を受け取ることが可能です。

【注意点】

死亡保険金は、『みなし相続財産』として相続税の課税対象になります。相続放棄をしたのであれば、死亡保険金のみが相続税の課税対象になるということを理解しておきましょう。

詳しくは、相続放棄しても生命保険はもらえるって本当!?をご参照ください。

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(3)被相続人が保証人になっている場合

【事例で解説】

 父(被相続人)は、借金5,000万円の保証人になっており、今年亡くなりました。その保証人としての義務も相続人が引き継ぐことになってしまいます。もちろん、保証人はあくまで借金をした方が借金をちゃんと返済すれば問題になることはありません。しかし返済できない場合は代わりに保証人が返済しなければなりません。

 そのため、保証人になっている場合には、相続放棄した方が良いケースがあるでしょう。

 被相続人が保証人になっているかどうかの見分け方は、保証人であれば『金銭消費貸借書』を所有しているはずですので、被相続人の持ち物をチェックしてください。保証人を付けて借入をする場合には、原則として、債権者、債務者、連帯保証人のそれぞれが1通ずつ金銭消費契約書を保管しますので、まずは金銭消費貸借書を確認して保証人の有無を確かめることが重要になるでしょう。

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(4)相続人が多く、関与したくない場合

何も相続しない場合には、何もすることがないとお考えの方も多いかもしれませんが、何も相続しなくても面倒なことがあるのです。 

遺産分割の話し合いや名義変更の手続きなどで、他の相続人と打ち合わせしなければならないことがあります。

その都度、実印や印鑑証明書を要求されることもあるので、最初から関与したくない場合には、相続放棄をすべきでしょう。

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(5)被相続人が訴えられている場合

 被相続人が訴えられていれば、被相続人は被告となります。もし相続してしまうと、被告の地位まで引き継がなくれはいけません。そのため、相続放棄した方が良いでしょう。

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3、相続放棄の期限とは?

(1)期限は?

 相続放棄の期限は、原則として相続人が、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に手続きをしなければなりません。

このルールを知らない方が多いため、期限が過ぎてしまった方は、「相続放棄について知らなかったから、3ヶ月経過後でも手続きしたい!」という方がおられます。

 しかし、相続放棄の期限を知っている方も、知らなかったという方も、いずれにせよ、原則として、期限は『相続があったことを知った日から3ヶ月以内』です。

【注意点】

相続放棄をした場合には、撤回することができないので、放棄するかの判断は慎重に行って下さい。

(2)期限が切れてしまっても放棄できるケースがある?

 相続放棄は、『相当の理由』があれば、期限が切れた後でも相続放棄を行うことができるという考え方があります。それは、裁判を行って、『相当の理由』があれば、3ヶ月を経過後でも相続放棄することが認められることがあります。

 『相当の理由』とは、死亡した方の遺産状況(資産や負債がどれだけあるのか)を知った時から3ヶ月を経過していないことです。

これ以外にも、相当の理由はいくつかありますが、遺産状況を知ってから3ヶ月以内ということを立証することが出来れば、3ヶ月を経過した後でも相続放棄できるケースがあります。

しかし、どんなときでも期限後に相続放棄の手続きを行うことができるわけではありません。

念のため3ヶ月を経過した後の相続放棄手続きを依頼する場合には、相続放棄で実績のある弁護士の先生か司法書士の先生にお願いして手続きしてもらった方がよいですが、条件次第では相続放棄ができないのでご注意ください。

期限後でも相続放棄できるケースが多いとサイト上に記載されているケースもありますが、確実にできるわけではないので、3か月という期限を守るようにしましょう。

(3)相続放棄の期限を延長させるには?

 相続放棄の期間延長は申請すれば期間延長してもらえるわけではなく、裁判所が、『延長申請するかどうか』、『どれくらいの期間延長をさせるか』を決定します。

最長で1年6ヶ月の延長が認められるケースもあるようです。

延長を認めてもらうには、ポイントがあり、

「どうして期間を延長する必要があるのか?」

「どの程度の時間があれば検討の障害事由が解消できるのか?」

上記2点を裁判所に丁寧に説明することです。

専門家でなければ対応出来ない部分かと思います。延長申請の実績のある弁護士に依頼することで、延長してもらえる可能性があるのでしょう。

相続放棄をするには、家庭裁判所に出向き、必要書類とともに届出をしなければなりません。さらに届出をするだけでなく、家庭裁判所にその届出を認めてもらわなければなりません。

4、相続放棄の手続き方法とは?

(1)どこの家庭裁判所に届出をするか

亡くなった方の住民票の届出のある場所を管轄する家庭裁判所に届出をします。

(2)届出の際に必要となるもの

  • 相続放棄申述書(※下記参照)
  • 亡くなった人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 亡くなった人の住民票除票または戸籍附票
  • 届出をする人の戸籍謄本
  • 収入印紙800円分
  • 郵便切手(各家庭裁判所により、切手の金額、枚数等は異なります。概ね1,000円程度です)

   ※裁判所のホームページに、申述書の書式と記入例がありますのでご確認ください。

相続の放棄の申述書(20歳以上) [裁判所]

(3)届出の方法

 (2)の書類をそろえ、家庭裁判所に提出します。

(4)家庭裁判所から「照会書」が届く

 間違いなく自分の意思で相続放棄をするのか、またなぜそうするのか等を回答します。

※この照会手続は、各裁判所により方法が異なります。省略したり、逆に面談を要求される場合など様々です。

(5)家庭裁判所に相続放棄が認められると…。

 「相続放棄申述受理通知書」という書類が、家庭裁判所から送られてきます。

【注意点】

相続放棄が認められたとしても、借金の債権者に対して家庭裁判所がその旨を通知してくれるわけではありません。(4)の「相続放棄申述受理通知書」を債権者に提示する(債権者によっては、「相続放棄申述受理証明書(家庭裁判所で別途発行してもらえます)」を求めることもあります)などして、相続放棄した旨を伝えなければなりません。

5、相続放棄手続きはどれくらいでできる?

時間は概算ですが、実働2時間もかからないのではないでしょうか。

《相続放棄のタイムスケジュール》

【1日目】

・相続放棄申述書をコピーする(裁判所に取りにいっても良いです)

・切手・印紙購入

・役所に行って戸籍等を集める(役所にいくので、一番時間がかかります)

・相続放棄申述書を作成する

【2日目】

・裁判所に必要書類を全てまとめて提出する

・裁判所で相続放棄の意思を確認される

【7日目】

 裁判所に資料を提出した日から3~4日後に郵送で『相続放棄申述受理通知書』が届きます。

 この流れで、相続放棄の手続きは終了となります。

 1週間もあれば、手続きは完了するでしょう。

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6、相続放棄したら、次は誰に相続する権利が移るのか?

相続放棄をした場合には、放棄した方の次の順位の方が相続人となります。

※ 相続人の順位について詳しくは、「 5分でわかる!相続する人(相続人)って誰? 」をご覧ください。

相続人 順位

上記図で、本人が死亡し、配偶者と第一順位、第二順位の子・父母が相続放棄していました。

 その場合には、第三順位の兄弟姉妹に相続人となります。

兄弟姉妹が何も知らされていなければ、自動的に相続人となるため、もし債務超過だった場合には兄弟姉妹と争いになってしまう可能性もあるので、相続放棄する場合には、下の順位の方々にはしっかり報告するようにしてください。

7、全員相続放棄したらどうなるのか?

相続人(相続する人)の全員が相続放棄したら、相続人が誰もいなくなってしまいます。

例えば、父が5,000万円の借金を残して亡くなったとします。

借金があったということは、父にお金を貸している方がいたということになります。この父にお金を貸していた方を、『債権者』と呼びます。

父の死亡後、誰かが相続してくれれば、5,000万円の借金は、相続した相続人が債権者に対して返済していかなければなりません。しかし、父の残した借金を代わりに返済していきたいという相続人がいなければ全員相続放棄してしまうでしょう。

もし全員が相続放棄してしまった場合には、父にお金を貸した債権者は、お金を返して貰えず泣き寝入りするしかないのでしょうか?

そんなことはありません。債権者は、家庭裁判所に『相続財産管理人』の選任を申立てることが認められています。それにより貸していたお金が戻ってくる可能性があります

(1)相続財産管理人とは?

 相続財産管理人とは、相続人の存在が不明である場合や、相続人全員が相続放棄をして、結果として相続する人がいなくなってしまった場合、家庭裁判所に申立てをすることにより、選任される相続財産の管理を行う人のことです。

相続財産管理人は、裁判所から選ばれる中立な立場の方が選ばれることになっており、基本的に弁護士が選ばれます。

相続財産管理人が最初に行うことは、亡くなった方の相続財産(資産や負債)を調べ、資産を精算し、債権者に配当をします。

それでも資産が残った場合には、最終的には国に引き継ぐという業務を行います。

債務超過で多額の借金があり、相続人全員が相続放棄をした場合には、金融機関(お金を貸している銀行等)が相続財産管理人の選任を裁判所に申立てることがあります。

相続財産管理人は、残された財産の中から借金を平等に返済する必要があります。

【例】

例えば、甲さんが死亡し、甲さんは、現金1,000万円と、A銀行に借金2,000万円、B銀行に借金2,000万円あったとします。

全員が相続放棄をした場合には、相続財産管財人が選任されれば、A銀行に500万円、B銀行に500万円が甲の保有していた現金から返却されます。甲さんにそれ以外の資産がなければ、A銀行、B銀行どちらもそれ以外の返却を求めることは出来ません。よって、どちらの銀行も1,500万円は返却されることはないため損をすることとなります。 

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(2) 相続財産管理人がつかないケースも存在する?

原則として、申立てがない限り、相続財産管理人はつきません。

申立ての際には、家庭裁判所に予納金として約30~100万円を支払う必要があります。

そのため、財産が無ければ、相続財産管理人がつかないこともあります。

もし亡くなった方が、現金や不動産などを少しでも保有していれば、債権者は裁判所に支払う費用を請求することができるため、相続財産管理人の申し立てを行います。

しかし、亡くなった方が借金のみであり、現金などの財産を全く保有していない場合には、相続財産管理人を申し立てたところで費用を支払ってもらえないことから、相続財産管理人がつくことはないでしょう。

(3)相続財産管理人を申し立てるために必要な費用は?

相続財産管理人を申し立てる場合、主に次のような費用がかかります。

  • 収入印紙800円(申立手数料)
  • 郵便切手(申立てをする家庭裁判所に郵送するため)
  • 官報広告料(4000円程度)
  • 予納金(30万~100万円程度)

(4) 相続放棄してもやらなければならないことがある?

相続人の全員が相続放棄をすると、当たり前ですが相続人が誰もいなくなってしまいます。

亡くなった方の相続財産に、借金だけでなく現金や不動産などの財産がある場合には相続放棄した相続人が相続放棄するまでの間、現金や不動産などの相続財産を管理しなければならないルールになっています。

相続放棄が確定するまでの間は相続財産が誰に引き継がれるか不確定なので、とりあえず相続人が管理しなければなりません。

また、相続財産を管理している相続人が相続放棄をした場合にも、すぐに相続財産である現金や不動産の管理をやめて良いわけではありません。相続放棄すれば現金や不動産の管理する必要がないように感じるかもしれませんが、相続放棄後に新たに相続人となった者が相続財産の管理をはじめるまで必要です。

8、自分で相続放棄の手続きをした場合の失敗事例

相続放棄では、多くの失敗事例があります。

・相続放棄を軽く考えすぎて、結局、期限に間に合わなかった

・3か月以内の期限に間に合わなかったことの「特別な事情」で間違えた

・処分してしまった遺産ついて、裁判所にうまく意図が説明できなかった

・親族全員放棄したかったが、次順位の相続人が地方に散らばっており、うまく取りまとめできなくて、放棄できた人とできなかった人が出てきてしまった。

上記のような失敗をしたないためにも、相続放棄を専門にしている司法書士に頼むことをオススメしております。

まとめ

相続放棄の重要な知識をご理解頂けたでしょうか?相続放棄をしなければ大損してしまう可能性もありますので、相続放棄するか否かの選択が非常に大事だ!ということを覚えておきましょう!!

相続放棄の期限は3ヶ月以内です!

手続したいが自分でやるのはハードルが高い

手続きで失敗したくない         

相続争いに巻き込まれたくない      

相続放棄の期限を過ぎてしまった     


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