相続税・贈与税の税率は何%?節税のための基礎知識!

相続税の税率は最高55%と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

相続税の税率は財産額に応じて税率が異なります。この税率を覚えておくことで生前の対策がいかに大事かがわかると思います!生前の対策では贈与税の税率も絡んできますので、今回相続税と贈与税の税率についてご説明させていただきます。

1.相続税、贈与税の税率

(1)相続税の税率

 相続税は、被相続人が亡くなり、財産を相続する人に課される税金です。相続税は遺産の評価額が基礎控除の金額以下であれば課税の対象にはなりません。また、評価額が基礎控除を超える場合でも、申告をして税務上の特例(配偶者の税額軽減、小規模宅地の評価減等)を適用することにより、相続税の課税対象にならない場合もあります。
相続税は資産家にだけ関係する税金だと思っている方も多いかもしれません。しかし、平成27年1月1日に基礎控除額の改正が行われ改正前よりも4割も基礎控除額が引き下げられたため、今までは課税対象でなかった方も課税対象者になる可能性が出てきました。
円満な相続をするために「節税対策」「納税資金対策」「もめない対策」などを確認する必要があります。 

基礎控除データ

税率変更の図

上記サイトを参照しております。

★補足

相続税を求める際に、こちらの税率を使って計算していきます。

相続税の計算方法の詳細は、下記サイトをご参照ください。

図解で簡単!!相続税の計算のしくみ

(2)贈与税の税率

 贈与税は受贈者(=贈与を受けた人)が、その年の1月1日~12月31日までの1年間に、贈与された財産に課税されます。贈与者(=贈与した人)の人数には関係なく、あくまで受贈者自身が1年間に総額いくら贈与されたかによって税額が決定されます。
贈与税も平成27年以降の金額に改正がありましたのでご注意ください。

税率

税率変更

上記をサイトを参照しております。

★補足

贈与税を求める際に、こちらの税率を使って計算していきます。

贈与税の計算方法の詳細は、下記サイトをご参照ください。

簡単にわかる!贈与税の計算方法

2.相続税と贈与税の違いとは?

相続税…被相続人の死亡によって相続により生じた財産に課される税金。

贈与税…個人の贈与により生じた財産に課される税金。

下記の表のように相続税と贈与税では、課税金額がかなり違ってきます。
贈与税は、相続税逃れがないように考えられた税法で税率が高くなっており注意が必要です。

税率

3.「贈与税は相続税逃れができないように考えられた税」とは?

「贈与税は相続税逃れができないように考えられた税」とは、一体どういうことでしょうか?

相続税は、人が死亡した時に相続人が財産を取得した場合、その財産に対して課税される税金です。贈与税は、贈与によって財産を取得した場合、その財産に対して課税されるものです。もし贈与税がなかったら相続税の納税を逃れるために、生きているうちに贈与をする人が増えてしまうでしょう。そこで、相続税が課されるであろう財産を贈与した場合、贈与税を課すことで、相続税を補完しているのです。

4.相続税を抑えるには生前贈与が効果的?

お金 支払う

相続税に比べると、贈与税の方が負担額が大きく、納税額をなるべく抑えるために、資産は被相続人が死亡するまで保有されてしまいます。そこで、資産の活用を促し、経済循環を良くするため「相続時精算課税制度」が設けられています。相続時精算課税とは、生前に贈与された財産に対する税金が「相続時」にまとめて「課税」される制度です。つまり、財産を贈与しても贈与の時点では贈与税は課税されず、相続時に他の相続財産とあわせて相続税が課税されることになります。

例えば、贈与額が限度額を超えた場合、その超えた部分は課税対象になります。

しかし、相続発生時に超えた分の財産も含めて、相続税の課税価格に算入され、相続税に修正されて差し引かれますので、支払った贈与税は相続税から差し引かれるか、相続税の金額を上回る場合、または相続税が発生しない場合は還付されることになります。

つまりこの制度のメリットは、相続税の金額以上の税金を払うことなく贈与が可能になる、ということです。さらに、相続税の課税価格には、贈与時の時価で算入されますから、その財産の価値が贈与時より上がっていれば、結果的に節税効果があることにもなります。

相続時精算課税制度にはメリットとデメリットがあるので、この制度を利用したい場合は税理士に相談されることをオススメします。 

5.贈与税の基礎控除枠110万円を活用して節税対策ができる?

贈与税は年間1人当たり110万円までの贈与には基礎控除が適用されます。この基礎控除は、贈与した人1人当たり110万円ということではなく、贈与を受けた人1人の合計金額110万円が対象です。

この基礎控除110万円を利用して子や孫に資産を贈与し、財産を移転するのは比較的簡単にできる相続税対策です。子や孫が10人いる場合、1年で1,100万円、5年で5,500万円、10年で1億1,000万円の財産を課税されずに贈与することができます。

しかし、こういった場合の長期間にわたって贈与する場合には、贈与の事実を否認されたり、連年贈与で課税されることがないように注意する必要があります。相続人側の「贈与の事実」、税務署側の「贈与の事実は認められない」といったトラブルはしばしば発生します。

このようなトラブルを避ける対策は簡単です。

・所有権を移転する
・贈与の証拠を残す

・贈与税の申告をする

 毎年同じ金額の贈与を何年も続けている場合は、贈与した全額はその贈与の開始の時に贈与する意思があったものとみなされ、一括して贈与税がかかってくる場合があります。例えば10年間かけて毎年110万円贈与を行った場合、基礎控除の範囲内のため贈与税はかからないと考えがちです。

ところが、最初の年に1,100万円(厳密にいうと有期定期金に準じて評価する)の贈与があったものとみなされて贈与税がかかってくることもあります。これは最初から1,100万円を贈与する意思があって、それを分割して贈与したとみなされてしまうからです。

こういった課税を避けるために下記の対策が効果的です。

  • 毎年違った金額を贈与する
  • 毎年違った財産を贈与する
  • 毎年違った月日に贈与する
  • 毎年贈与契約書を作る

贈与契約書を作成する上での注意点の詳細は、下記を参照ください。

贈与契約書を作成する際の注意点【雛形付】 

6.贈与により所得税の節税対策ができる?

 所得税の負担を軽減したい不動産オーナーの方は、相続時精算課税制度を使ってみてはいかがでしょうか。

アパート等の不動産経営をしている場合には、相続時精算課税制度を使って子供に贈与します。不動産から生じる収入は子供に譲渡され、オーナーの所得は大幅に減少します。その結果、所得税は累進税率のため節税対策になるのです。

所得税の速算表
課税される所得金額
税率
控除額
195万円以下
5%
0円
195万円を超え 330万円以下
10%
97,500円
330万円を超え 695万円以下
20%
427,500円
695万円を超え 900万円以下
23%
636,000円
900万円を超え 1,800万円以下
33%
1,536,000円
1,800万円超
40%
2,796,000円

現金での贈与と比べると不動産贈与の場合は、建物は貸家として評価され、土地は貸家建付地として評価されますので、その評価額は低価額になるというメリットがあります。

また、その不動産物件から生じる家賃収入が手元に残らず、相続財産が増加しないため、結果的に相続税の節税になります。アパート等の賃貸不動産を贈与する場合、建物とその敷地を一緒に贈与する必要はなく、建物だけを贈与することもできます。

デメリットは、建物だけを子供に贈与し、土地を使用貸借で貸している場合には、その土地は更地の評価となり、貸家建付地として評価することができなくなります。また、アパート等の入居者から敷金を預かっている場合、返済義務があるため形式的には負担付贈与になってしまいます。この場合、返還すべき敷金に相当する現金の贈与を同時に行っている場合には、実質的には負担付贈与にはならないので、負担付贈与通達の適用はありません。アパート等の賃貸不動産を贈与するときは、入居者に返還すべき敷金に相当する現金を同時に贈与するようにしてください。
他にも様々な節税方法があります。
節税方法の詳細は、

7、相続税がいくらになるかを例を使って解説します。

 財産総額や、相続人が何人いるかなどで、相続税の金額は大きく変わります。事例で解説しますので、あなたの状況に近いものをみて、どれくらいの税金が発生するのかを把握してください。相続開始日が2014年12月31日以前か、2015年1月1日以降かで税額が異なりますので、2015年1月1以降に相続開始を前提にと説明致します。

(1)相続財産が5,000万円だった場合で配偶者がいる場合

配偶者がいる場合には、配偶者の取得割合によって、相続税の納税額が変わります。

①パターン1

相続財産5,000万円

配偶者1人

相続人(子供)1人

配偶者の相続財産取得割合50%

パターン1の場合の相続税の合計は、35万円

②パターン2

相続財産5,000万円

配偶者1人

相続人(子供)1人

配偶者の相続財産取得割合30%

パターン2の場合の相続税の合計は、49万円 

③パターン3

相続財産5,000万円

配偶者1人

相続人(子供)1人

配偶者の相続財産取得割合10%

パターン3の場合の相続税の合計は、63万円

【ポイント】

相続人として、配偶者がいる場合には、配偶者の取得割合によって、相続税の金額が異なります。これは、配偶者は優遇されているため、配偶者の取得割合が多い場合には、相続税が少なくなります。配偶者の優遇規定である配偶者の税額軽減の詳しい内容は割愛させて頂きます。

詳しくは、配偶者の税額軽減で相続時1億6千万円までの財産は無税に!をご参照ください。

【注意点】

上記だけを見ると、配偶者にたくさん渡したほうがよい!と判断しがちですが、2次相続まで検討した場合には、配偶者にたくさん残さないほうが得なケースもありますので、一回目の相続だけで判断しない方がよいでしょう。

(2)相続財産が5,000万円だった場合で配偶者がいない場合

配偶者がいない場合には、配偶者の税額軽減の規定が利用できないため、相続税が過大になります。

1次相続では、配偶者がいることで、相続税が発生しない方も多いですが、配偶者が死亡した際の2次相続では、相続税が過大になります。

そのため、2次相続まで考えて1次相続をする必要があるのです。

①パターン1

相続財産5,000万円

配偶者なし

相続人(子供)1人

パターン1の場合の相続税の合計は、160万円 

②パターン2

相続財産5,000万円

配偶者なし

相続人(子供)2人

パターン2の場合の相続税の合計は、80万円

③パターン3

相続財産5,000万円

配偶者なし

相続人(子供)3人

パターン3の場合の相続税の合計は、20万円

【ポイント】

相続人が増加すれば、基礎控除が増加するため、相続税が減少致します。

【注意点】

相続人の数を間違えていると、納税額が変動してきますので、お気をつけ下さい。相続人についての詳細は、

5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?をご覧ください。

(3)相続財産が10,000万円だった場合で配偶者がいない場合

①パターン1

相続財産10,000万円

配偶者なし

相続人(子供)1人

パターン1の場合の相続税の合計は、1,220万円

②パターン2

相続財産10,000万円

配偶者なし

相続人(子供)2人

パターン2の場合の相続税の合計は、770万円

③パターン3

相続財産10,000万円

配偶者なし

相続人(子供)3人

パターン3の場合の相続税の合計は、630万円

【ポイント】

配偶者がいない場合には、対策を取らなければ相続税の金額が過大となります。

※事例では、相続財産が何なのかを説明しませんでしたが、財産が不動産や保険の場合、相続税の金額が変わってきます。あくまで対策を取らなかった場合の目安の相続税だとお考えください。

まとめ

相続は、相続税や贈与税、所得税の税率を理解した上で節税対策を行うことが大事となります。生前にしっかりとした対策を取っておけば必ず節税をすることが可能となるでしょう。節税をするためには、相続税専門の税理士にお願いすることが一番の節税につながるのではないでしょうか?

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