不動産を絡めた生前贈与で最大3,700万円非課税に!

不動産を絡めた生前贈与で最大3,700万円非課税に!

不動産を絡めて生前贈与を行うと多額の節税が可能になることをご存知ですか?住宅取得等資金の贈与は最大1,200万円まで非課税となります。また、他の特例も併用することにより最大3,700万円まで非課税になります。その仕組を簡単にご説明しておりますので、是非ご覧ください。


不動産を絡めた生前贈与で最大3,700万円非課税に!

1.不動産(住宅)の購入資金の生前贈与で最大1,200万円まで贈与税なし!?

住宅取得等資金の贈与の非課税とは、直系尊属(親や祖父母)から援助を受けて家を購入する際に、下記に記載した金額まで贈与税が非課税になる制度です。

住宅取得資金の贈与非課税枠

時期によって非課税額が異なりますので注意が必要となります。

また、消費税等の税率が10%の場合は以下のようになります。

住宅取得資金の贈与非課税枠(消費税10%の場合)
つまり、自分でローンを組んで住宅を買うのではなく、親から不動産を購入するためにお金を贈与してもらい不動産を購入すると一定の金額までは贈与税は非課税となります。
住宅取得等資金の詳細につきましては、

2.基礎控除と併用で最大1,310万円まで非課税に!?

上記1の制度と、年間110万円の基礎控除と併用すると、平成28年の場合、合計で810万円(一定の要件を満たす場合には1,310万円)まで贈与税はゼロで贈与が受けることが可能となります。(時期によって贈与税が非課税になる金額が異なるので注意してください。)

 贈与税は一人が1月1日から12月31日までの間に贈与により取得した財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの金額に対してかかります。

贈与税の基礎控除

上記の式により算出された金額に対して課税されます。基礎控除と住宅取得資金の贈与税の非課税措置を併用すれば、

住宅資金贈与の非課税枠と暦年贈与の基礎控除の合計
上記の金額に対して課税されます。言い換えれば、年間で810万円(一定の要件を満たす場合には1,310万円)まで贈与税は非課税で贈与が受けることが可能となります。

関連論点を記載しておきますので、ご参照ください。

非課税枠110万円以内の贈与でも課税されることがある?

3.生前贈与されたお金で不動産を取得する場合には、最大3,700万円無税に!

 『住宅取得資金の贈与』『相続時精算課税制度』を併用することにより最大3,700万円まで贈与時には贈与税が無税で贈与できます。

相続時精算課税制度とは、2,500万円まで生前に贈与しても贈与時には贈与税がかからない制度です。

詳しくはこちらをご覧ください。

 つまり、

住宅取得資金贈与最大1,200万円相続時精算課税制度最大2,500万円

上記2つの制度を利用すると合計 1,200万円+2,500万円=3,700万円が最大で非課税となります。

この3,700万円を非課税にする方法を採用する場合には以下のようなパターンがあります。
3,700万円非課税になるパターン2つ
 
  新しく家を建てることをご検討中の方であれば、これらの制度を利用することがオススメです。

4.生前贈与にかかる費用(不動産取得税や登録免許税はいくら?)

下記の税金が、固定資産税評価額に対して課税されます。

登録免許税

不動産の移転登記の際にかかる税金。

税率は、贈与の場合、固定資産税評価額の2%

不動産取得税

不動産を有償取得又は無償取得した際に、取得した人にかかる都道府県税。
移転登記をしてから、約半年で納税通知が来ます。

税率は、固定資産税評価額の3%


(例)固定資産税評価額2,500万円の土地があります。これを80歳の父親が、50歳の息子に贈与し、相続時精算課税制度を選択したとします。

固定資産税評価額2,500万円の土地を相続時精算課税制度適用で贈与した場合の負担税額
「登録免許税」と「不動産取得税」この2つの税金は、非課税とする方法はありません。必ず支払う必要があります。 

5.生前贈与による不動産の名義変更とは?

 名義変更は非常に複雑で、初めてやる場合には、非常に多くの時間がかかってしまいます。そのため、司法書士に頼んでしまった方が良いかと思います。念のため下記に名義変更に必要なことを簡単に記載しておきましたので、興味のある方はご覧ください。
不動産(土地、建物)の名義変更は、法務局に、申請書と必要書類を提出する必要があります。
法務局の管轄がどこなのかはこちらで確認できます。
法務局HP

《名義変更の流れ》

名義変更の流れ
上記で生前贈与による名義変更が完了します。名義変更が完了したら、土地や建物の権利証を発行してもらえます。

(1)必要書類

  • 贈与の対象となる不動産の権利証(登記識別情報)
  • 贈与者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 受贈者(贈与を受けた方)の住民票
  • 登記原因証明情報(贈与契約書)
  • 固定資産評価証明書
  • 贈与の対象となる不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
  まずは、上記の書類をすべて集めましょう。

(2)申請書の作成

申請書は下記サイトに申請書のデータがありますので、こちらを参考にしてください。

6.不動産を生前贈与した場合のメリット・デメリット

所有している不動産を生前贈与するべきなのか、それとも死後の相続財産とするべきなのかは、どちらの方が軽い税負担で済むのかによって判断することになります。

どちらがよいのかはケースバイケースですが、一般的に不動産を生前贈与した場合のメリットは二点あります。

一つ目のメリット

誰に何を贈与するのか、自分の意志を確実に反映させることができるという点です。

遺書を作成しないまま亡くなった場合や、作成した遺書の法的な効力が認められなかった場合など、相続争いが起こることは少なくありません。生前に対象財産を贈与させておけば、確実に意志を反映させられるのみならず、不要な相続争いを未然に防ぐことができるのです。

二つ目のメリット

上記でご説明しましたが、相続税対策になるということです。

将来的に評価額の上昇が見込まれる場合や、家賃収入など収益性のある不動産を所有している場合は、時間が経つにつれて資産が増えていくため、死後に相続するよりも生前に贈与してしまう方が、結果として節税になるというわけです。

相続税対策になるのは、評価額の上昇や収益性が見込まれる不動産だけではありません。

贈与する年の1月1日で60歳以上の親または祖父母が、20歳以上の推定相続人または孫に対して贈与する場合も節税になります。

この場合、「相続時精算課税制度」という制度を利用できるので贈与の回数や金額にかかわらず2,500万円まで非課税となります。

『住宅取得資金の贈与』『相続時精算課税制度』を併用することにより最大3,700万円まで贈与時には贈与税が非課税で贈与できます。

ただし、デメリットもあります。

最大のデメリット

不動産の贈与には登記申請が必要となるため、登録免許税(評価額の2%)や不動産取得税(評価額の3%)といったコストが発生することです。

これらは、相続であればかなり軽減されます(登録免許税は評価額の0.4%、不動産取得税はゼロ)。また、贈与税の税率は相続税の税率よりもかなり高く設定されています。

贈与税の各種控除を利用できれば節税になるかもしれませんが、素人考えで生前贈与のつもりになっていると、かえって税金の支払いが増えてしまうかもしれません。

不動産を生前贈与した方がよいのか、それとも相続した方がよいのかは、専門家の判断にゆだねることをお勧めします。

まとめ

不動産を絡めた生前贈与で最大3,700万円を贈与時に無税にする方法はご理解頂けたでしょうか?将来のことも検討した上でどの特例を使うべきなのかを判断しなければなりません。よって、どの特例を利用していくのかを税理士に相談の上で選択すべきではないでしょうか。