保険を使った生前贈与の相続対策とは?

保険を使った生前贈与の相続対策とは?

相続の対策のために、保険を活用し、生前贈与をしたいとご検討中の方は多いのではないでしょうか?

生命保険を活用することで、

  1. 相続時の争いを軽減することが可能
  2. 節税対策になる
  3. 納税の準備金を貯めることができる
  4. 贈与時の対策として利用できる

など、とても良いことばかりです。

5分読んで頂くだけで、あなたの今の悩みが少し軽減されるはずですよ。


保険を使った生前贈与の相続対策とは?

1.生前贈与で生命保険を活用しよう!(相続対策)

生前贈与(生きているうちに財産を渡す)される財産として代表的なものが現金や預金です。

しかし、子供や孫に現金や預金を渡してしまうと、無駄遣いをしてしまいそうだからお金をすぐに渡したくないとお考えの方は多いでしょう。

こんな心配をすることなく子供や孫に財産を残す方法として生前贈与に生命保険を使う方法があります。

 もし仮に、現金を贈与した場合には、子供がすぐにお金を使うことができるため、お金を無駄遣いをしてしまう可能性があります。将来のために生前贈与する方も多いと思いますが、すぐ使われてしまった場合には、財産を残せないため、あなたの希望を叶えることができないでしょう。しかし、現金を、生命保険という形に換えてあげることで、現金が手許にないため無駄遣いしたくても、出来ない状態となります。無駄遣いをさせなければ、将来にお金を残すことができるため、理想的ではないでしょうか。

2.事例で解決!なぜ生命保険を活用すべきなのか?

事例

【事例】

保険契約者:子供

被保険者:親

保険金受取人:子供

この契約では、被保険者である親が死亡した時は、子供は死亡保険金を受け取ることになります。

この受け取った保険金を使って、相続税の支払いに充てることができます。

保険金は、それを受け取った人の固有の財産になります。

もし、あなたに借金がある場合、相続が発生した際には、妻や子供に借金も引き継がれます。

しかし、妻や子供が相続放棄すれば借金は引き継がれません。

保険金は、民法上は相続財産ではないので、相続放棄をしていたとしても妻や子供に支払われます。

要するに、生命保険を使うことで債務が無くなり保険金を遺族渡すことができます。

相続放棄をしても生命保険を受取ることが出来ることを詳しく記載した記事が、

相続放棄しても生命保険はもらえるって本当!?

こちらになりますので、ご参照ください。

3.生前贈与に生命保険を活用するメリット

メリット

(1)メリット1 納税準備金を確保できる

 相続税の申告を行う際に、換金性の高い現金、株式などを保有していない場合には、納税資金が確保できず、相続税を納税することができません。その場合には、土地や建物を売却する必要が出てきます。しかし、生命保険を活用すれば、土地や建物を売却せずに相続税を支払うことができます。

 上記2の事例では、被保険者が亡くなった場合に、子供が保険金を受取ることが出来ますので、その保険金を使って相続税を支払うことが可能となります。

 相続財産の多くが土地や建物などの不動産の場合で、換金性の高い資産がなければ、納税資金となる現金がないため、相続税の納税することが難しいケースが存在します。その際に、保険金があればすぐに納税することができるので、納税準備金として保険に加入する方も多くいらっしゃいます。

(2)メリット2

生前贈与する現金を年間110万円以下に抑えることができれば、基礎控除が110万円あるため贈与税もかかりません。

まず、親から子へお金を渡します。(年間110万円まで渡しても贈与税はゼロ)

そのお金で子供が保険に加入します。

子供が受け取った死亡保険金は、子供自身が保険料を負担しているため親の相続税の対象とはならず、子供の所得税の対象(一時所得)となります。

一時所得になりますと、通常の約半分の所得税ですみます。

半分ですむ理由としては、

一時所得は

(受け取った死亡保険金-支払った保険料の総額-50万円)×1/2

 で計算します。

1/2乗じた後に税率を乗じていきますので、

最高でも所得税は約25%となります。

 相続税の税率は、

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表

法定相続分に応ずる取得金額 税率    控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 になるので、税率が30%以上になる方は、保険で生前贈与をしておいたほうが節税になります。

 また、通常は払った保険料の総額よりも死亡保険金のほうが多いので、受け取り額を増やせるという効果もあります。

 ある生命保険を例にとってみると、55歳の男性が加入する終身保険なら、一時払い保険料100万円に対して、死亡保険金は119万円となり、受け取り額を約2割増やすことも可能なのです。

要するに、節税にも使えて、かつ、支払った保険料よりも、受取る保険料が高くなるとまさに一石二鳥です。

生前贈与に生命保険を活用することで、計画的に相続税への備えをすることができるということを覚えておきましょう。 
保険を使った生前贈与の相続対策とは?

4.生前贈与で生命保険を利用する際の注意点

注意2

贈与の事実認定に細心の注意が必要となってきます。

贈与が行われていることを証明する書類として、毎回、贈与の契約書を作っておくのがオススメです。

ネットで、『贈与契約書 雛形』と検索していただければ、雛形を無料で取得できますよ。

110万円までは、非課税なので本来であれば、何もする必要ないのではないかと感じる方も多いかと思いますが、生前にあげたお金は、毎年、同じ時期に同じ金額を継続的に行っていると、最初からまとまった金額を贈与するつもりだったとみなされてしまうことがあるのです。

110万円以内の贈与で課税される可能性についても詳細は、下記サイトをご参照ください。

非課税枠110万円以内の生前贈与でも課税されることがある?

もし、最初からまとまったお金を贈与するつもりだった!と判定されてしまうと、多額の税金が取られることがあるのです。

 このリスクを回避するためにも、贈与契約書は作成しておくべきでしょう。

 さらにもっとリスクを回避したいという方にオススメなのが、基礎控除額の110万円をわざと上回る金額の贈与にして、上回った部分に関しては、贈与税を納税しておく方法があります。

私が以前大手の生命保険会社の営業マンに営業されたものをご紹介します。

【紹介例】

親が、子供に115万円を贈与(お金をあげる)

贈与額が115万円とすると、115万円-110万円(基礎控除)=5万円超過

(この超過額はわざと超過させております)

この超過額5万円に対して支払う税金は、10%の5,000円です。納税は手間ですが、5,000円を支払います。

つまり、贈与税の申告書をわざわざ作成し、5,000円を納税することで、申告書があることから、贈与したという事実認定がされます。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/zoyo/yoshiki2014/pdf/001.pdf

贈与税の申告書は、上記PDFを見ていただければ、簡単に作成できますし、わからなければ、税務署の職員に電話すれば教えてくれますよ!

一度作成すれば、毎年同じものを作るだけなので、コピーをしっかりとっておけば、2年目以降はあまり手間はないでしょう。 

贈与税の申告方法については、

簡単に作れる!?贈与税の申告書の作成方法

こちらで紹介しておりますのでご参照ください。

5.生命保険を使うことで相続人がもめなくなる方法とは?

保険金は、保険金の受取人個人に帰属するという考え方から、相続の際に、遺産分割の対象にはなりません。また、遺留分(民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のこと)の計算にも入りません。

よって、保険金は受け取った人が自由に使うことができるので、親族間でモメることはありません。 

6.保険金を受け取った場合の税金は?

死亡保険金を受け取ったとき

保険料の支払者

被保険者

保険金受取人

課税関係

・所得税
・死亡保険金を一度に取得した場合には一時所得
・年金形式で受け取った場合は雑所得

・相続税

・贈与税

 

満期返戻金を受け取ったとき

保険料の支払者

満期返戻金の受取人

課税関係

・所得税
・満期保険金を一度に受領した場合には一時所得
・年金形式で受け取った場合は雑所得

・贈与税

一番税金の負担が重いのは贈与税です。

 保険料を支払っていない方が、『満期返戻金』『解約返戻金』を受け取った場合には、贈与税の課税対象となります。ただし、怪我や病気などによるものは除かれますのでご注意ください。。

満期を迎えて、満期返戻金を受取る際に、多額の税金(贈与税)を納めることのないように、保険契約は定期的に見直しをしておきましょう。保険を使った生前贈与の相続対策とは?

7.生命保険の契約者の名義を変更した場合の注意点

生命保険の契約者を変更しただけでは、贈与税は課税されません。

あくまでも、保険料を負担していない人が生命保険金を受け取った場合に贈与税が課税されます。

8.生命保険を使って節税する方法は?

方法

生命保険は、病気、ケガ、死亡に備えて加入するものですが、節税商品として使うことができるのです。

多くの方は、自分が死んだときの保険金の受取人を妻にしています。

相続のときに、自分が死亡し、妻が保険金を受け取ると、税法上は相続財産とみなされます。

受け取った保険金も入れて、相続税は計算されます。

ただし、妻が受け取る保険金のうち、

「法定相続人の数×500万円は非課税」

に、自動的になります。 

(例)父(あなた)に家族で妻と子供が3人がいる場合

妻と子供3人が法定相続人であるため、500万円×4の

2,000万円までの保険金は、相続財産とみなさなくてもよいこととなっております。

2,000万円を超えた保険金には、相続税が課税されます。

 仮に銀行にお金を預けているだけであれば2,000万円には相続税が課税されます。

この相続税を課税されないためにも2,000万円の生命保険には入ることで節税をすることが出来ます。

 生命保険には、「終身保険」や「養老保険」など、支払った保険料のうちほぼ100%戻ってくる商品もあります。

保険料は掛け捨てしかないと思っている方も多くいるのですが、その考えは間違っております。

もちろんほぼ100%戻ってくる商品であっても死亡したり、病気になったときには、保険金も支払われます。

つまり、支払った保険料がそのまま戻ってきて、かつ節税になるので、貯蓄型の生命保険は非常にお得になります。保険を使った生前贈与の相続対策とは?

まとめ

生命保険を利用することで、

  1. 相続時の争いを軽減することが可能
  2. 節税対策になる
  3. 納税の準備金を貯めることができる
  4. 贈与時の対策として利用できる

などなど、相続時・贈与時には、生命保険はとても都合が良いものとなっております。

どの保険に加入するかや、誰を契約者にし、誰を受取人にするかで状況が変化しますので、保険に詳しい税理士にしっかり相談のうえ、保険に加入することをオススメしております。

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知らなきゃ損!終身保険を利用した相続対策とは?

 そもそも対策が必要なの?

生命保険を活用しての対策を検討する場合、そもそも対策をしなければならない状況なのかを把握しておく必要があります。

対策をする必要があるか否かは、相続税の試算をしてみなければ判断できません。将来の心配を少しでも軽減させたいという方は、一度相続税の試算をしてみるとよいのではないでしょうか?