所得税を抑えるために「所得税控除」の種類を理解しましょう!

所得税を抑えるために「所得税控除」の種類を理解しましょう!

所得に応じて課税される所得税には「所得税控除」というものがあります。所得税控除の代表は「配偶者控除」や「生命保険料控除」などではないでしょうか?

実は、上記以外に14種類もあることをご存知ですか??

特に、会社にお勤めの方の場合、確定申告を行わないと控除対象にならないものもあるので所得税控除を理解して所得税を抑える対策をとりましょう!!


所得税を抑えるために「所得税控除」の種類を理解しましょう!

1.所得税の基本

まずは所得税の基本をおさらいしておきましょう。

所得税とは、所得に応じて課税される税金です。1月1日~12月31日の1年間の収入から経費等を引いた金額が所得となります。

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会社にお勤めの方の場合、個人の給与に対する経費という概念が難しいため、収入に応じた給与所得控除が定められています。つまり、収入から給与所得控除を引いた金額が所得となります。

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そして、所得から控除を引いた金額が課税所得となり、金額に応じて税率をかけて計算します。

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注意すべき点は、給与所得以外の収入がある場合です。以下の9種類の収入がある場合には、それぞれの収入から経費を差し引いて所得を計算し、それらを合計した総所得金額を算出する必要があります。

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2.14種類もある所得税控除

所得税を計算する際に、所得から差し引くことができる金額が「所得税控除」です。この所得税控除は14種類あり、要件を満たすことで適用することが出来ます。

(1)基礎控除

基礎控除は全ての人が適用対象となる所得税控除です。控除金額は38万円と決まっているので、最低でも38万円は所得金額から控除することが出来ます。

(2)配偶者控除

配偶者控除は適用対象となる人の範囲と金額が以下のように定められています。

① 配偶者控除の対象

配偶者控除の対象となる人は以下のすべての要件を満たしている必要があります。

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② 配偶者控除金額

配偶者控除の控除額は38万円ですが、対象となる配偶者がその年の12月31日現在で70歳以上の場合には老人控除対象配偶者となり48万円が控除対象となります。

また、平成30年分以降は、納税者の合計所得によって配偶者控除の金額が下記のように変動することになりますので、注意が必要です。

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(3)配偶者特別控除

配偶者控除は配偶者の所得が38万円以下と定められていますが、配偶者に38万円を超える所得があるケースでは配偶者の所得に応じて所得控除を受けることができる「配偶者特別控除」という制度があります。

配偶者特別控除の注意点は夫婦のどちらか一方のみ適用対象となります。控除適用の要件と控除額は下記の通りです。

① 配偶者特別控除の要件

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② 配偶者特別控除の控除額

配偶者特別控除は配偶者の所得に応じて、控除額が代わります。また、平成30年分以降は納税者の所得金額も関係することに改正されています。ここでは、平成30年分以降の控除額をご紹介します。

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(4)扶養控除

扶養控除は納税者に扶養している親族がいる場合に受けることができる控除です。扶養控除の対象となる方は年齢によって範囲が異なります。

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扶養控除の対象となる人の要件と控除金額は下記の通りです。

① 扶養控除の要件

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② 扶養控除額

扶養控除の対象額は年齢による区分によって控除額が異なります。

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(5)障害者控除

障害者控除は納税者本人、納税者と生計を共にする配偶者、扶養親族が所得税法に定める障害者に該当する場合に適用される所得控除です。また、扶養控除の適用対象とならない16歳未満の扶養親族の場合にも適用されます。

適用要件と控除額は以下の通りです。

① 障害者控除の適用要件

障害者控除の適用を受けることができる人は以下のいずれかに該当する方となります。

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② 障害者控除額

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(6)寡婦(夫)控除

納税者が寡婦もしくは寡夫に該当する場合に所得控除をうけることが出来ます。寡婦は女性の納税者、寡夫が男性の納税者となります。

また、寡婦(夫)控除は一般の寡婦(夫)と特別の寡婦(夫)で控除額が異なります。

① 寡婦(夫)控除の要件

寡婦(夫)控除は納税者が以下のいずれかに該当している必要があります。

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上記の要件に該当する方で、下記の全ての要件を満たしている場合には特別の寡婦(夫)に該当します。

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② 寡婦(夫)控除額

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(7)勤労学生控除

勤労学生とは、働きながら学校に通っている方が対象となる所得控除です。勤労学生控除は一律27万円となり、下記のすべての要件を満たしている必要があります。

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(8)雑損控除

雑損控除とは災害や盗難、横領などによって資産の損害を受けた場合に適用される所得控除です。

① 損害の原因と対象となる資産

雑損控除の対象となる損害は、下記のいずれかが原因となっている場合となります。

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詐欺被害等は雑損控除の対象にならないため注意してください。また、対象となる資産は下記のすべての要件を満たしている必要があります。

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② 雑損控除額

雑損控除の金額は以下のいずれか大きい方が適用されます。

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差引損失額は以下の算出式によって算出します。

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(9)医療費控除

医療費控除はその年の1月1日~12月31日までに本人又は本人と生計を共にする配偶者や親族の医療費が一定額を超える場合、所得控除の適用をうけることができます。

平成29年から医療費控除の要件等に変更があり、セルフメディケーション税制が導入されています。医療費控除に関しては下記に詳しく記載していますので、そちらをご参照ください。

平成29年分の確定申告から医療費控除が変わってる!どこが変わったの?

(10)社会保険料控除

納税者が本人、又は生計を共にする親族の社会保険料を代わりに支払った場合に、支払った金額に対して控除を受けることができる所得控除です。

社会保険料控除はその年に支払った社会保険料が対象となるため、過去の社会保険料を支払った場合にも控除の対象となります。控除される金額は、実際に支払った金額もしくは

給与や厚生年金等から差し引かれた金額となります。社会保険料控除の対象となる社会保険料は主に以下の通りです。

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より詳しい対象社会保険料に関しては国税庁HPををご確認ください。

(11)生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険、介護医療保険、個人年金等に加入し、保険料を支払っている人に対して、一定の金額が所得控除の対象となります。控除額は1年間に支払った保険料に応じて異なります。また、契約締結が平成24年1月1日以降を「新契約」平成23年12月31日以前を「旧契約」と言い、控除対象となる保険料の範囲や控除額が異なるため、ご自身の保険契約がどちらに該当するか確認しておきましょう。

新契約、旧契約の保険料の範囲と控除額は下記の通りです。

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新契約・旧契約のどちらも加入しているという場合には、どちらを控除の対象にするか選択することが可能です。また、どちらも控除の適用をうけるという場合には、新契約と旧契約の控除額の合計(最高4万円)を控除対象とすることができます。

生命保険の対象となる保険契約について国税庁HPをご確認ください。

(12)地震保険控除

地震保険や特定の損害保険契約の地震等損害部分の保険料に対して、一定の所得控除を受けることが出来ます。損害保険契約の地震等損害部分とは、火災保険等に付随している地震保険の保険料部分のことを指しています。(火災保険料は控除の対象外です。)

地震保険料の控除額は下記の通りです。

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【 旧長期損害保険に加入している場合 】

以前は損害保険料控除という所得控除がありましたが、平成18年の税制改正により平成19年分以降の損害保険料控除が廃止となりました。しかし、下記の要件を満たしている損害保険に関しては地震保険料控除の適用を受けることが出来ます。

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上記に該当する場合には、「旧長期損害保険料」として下記の金額が控除対象となります。

 

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地震保険料の対象となる保険契約については国税庁HPをご確認ください。

(13)小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済契約の掛金に対して所得控除を受けることが出来ます。支払った掛金の金額が控除対象の金額となります。控除対象となる掛金は以下のいずれかとなります。

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【小規模企業共済とは】

小規模企業交際とは、中小機構が運営する小規模企業の経営者や役員、個人事業主を対象とした退職金制度を言います。

(14)寄付金控除

寄付金控除は、国や地方公共団体、特定公益増進法人等に対して寄付を行った場合に一定の金額の所得控除を受けることができます。「ふるさと納税」も寄付金控除の対象となることから利用されている方も多いのではないでしょうか?

寄付金控除の金額は以下の通りです。

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【ふるさと納税のワンストップ特例】

ふるさと納税も寄付金控除の対象となりますが、「ワンストップ特例制度」を選択されている場合には、所得控除ではなく住民税の控除対象となりますのでご注意下さい。

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3.確定申告が必要な所得控除

会社にお勤めの方は、確定申告を行わないという方も多いと思います。会社にお勤めの方の場合には源泉所得税という概算の所得税を給与から差し引かれているため、年末調整によって所得税の調整が行われます。

この年末調整では以下の控除が行われます。

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つまり、上記に該当しない所得控除の場合は、会社勤めの方でも確定申告を行わないと控除されません!

特に、「医療費控除」や「寄付金控除」は対した金額ではないと思っていても、確定申告でお金が還ってくる可能性もあります。

また、先に述べたようにふるさと納税でワンストップ特例の適用を受けていない方は寄付金控除の対象となります。

まとめ

いかがですか?所得税控除は実にたくさんの種類があることをご理解いただけたでしょうか?特に、給与所得のみの方の場合には確定申告を行うことで税金が還付される可能性もありますので、適用対象になる所得控除がある場合や、年末調整で漏れてしまった控除がある場合には確定申告を行ってくださいね。