毎月給与から引かれる所得税の計算方法を簡単にご説明します。

毎月給与から引かれる所得税の計算方法を簡単にご説明します。

会社の経理をやっている方であれば、従業員の所得税の計算方法を理解しておかなければいけないと思いますが、しっかりと理解出来ているでしょうか?
今回の記事では、経理担当者が最低限知っておかなければならない、所得税の計算方法を記載しておりますので今後、経理を行う方や、経理の知識をしっかり身につけておきたい方はぜひご覧ください。

毎月給与から引かれる所得税の計算方法を簡単にご説明します。

1.所得税の計算方法とは? 

(1)給与のみをもらっていて所得税が発生しない方とは?

給与をもらっていて所得税がゼロになる方とは、年間103万円以下の給与を貰っている方です。

なぜ103万円までが税金が発生しないのか?

会社から給与を貰っている方は、給与所得控除という控除が認められており、下記の算式によって、計算されております。

【給与所得の計算式】
収入金額-給与所得控除額=給与所得の金額

収入金額とは?

例えば、次のような場合には、30万円が収入金額となります。

額面30万円

所得税1万円

住民税1万円

保険料1万円

交通費5千円

手取り27万5千円(=30万円-1万円-1万円-1万円+5千円)

給与所得控除額は?

■平成25年以降の給与所得控除

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下
収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下
収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下
収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下
収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超15,000,000円以下
収入金額×5%+1,700,000円
15,000,000円超
2,450,000円(上限)

最低でも65万円は控除されます。

例えば103万円が給与の収入金額だった場合には、38万円(=103万円-65万円)が給与所得の金額となります。

下記の図で説明すると、一番上の列の『給与』と書いてある部分が38万円になるということです。
給与しかない場合には、次に上から4列目の『所得控除』に進んでいきます。

所得税の税額計算
(注1)
不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の損失は、他の所得から控除(損益通算)することができます。
ただし、不動産所得の一部の損失については、損益通算できません。
(注2)
土地などの譲渡については、損益通算ができません。ただし、一定の居住用財産の譲渡損失については、損益通算することができます。
引用元:東京税理士会

【14の所得控除とは?】

所得控除は14ありますが、すべての方に認められているのが基礎控除です。
基礎控除は総所得金額等から38万円を控除できます。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(夫)控除
  • 勤労学生控除
  • 扶養控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 基礎控除

たとえば、年間で103万円の給与を得た方は、

103万円-65万円(給与所得控除)-38万円(基礎控除)=0

となります。

上記図の下から2列目の、所得控除をした後の金額(課税総所得金額)に税率を乗じるのですが、所得控除した後の金額がゼロの方は、0円×税率となるため、税金は発生しません。

年間103万円までは、税金が発生しないと聞いたことがある方も多いかと思いますが、このような仕組みとなっております。

(2)年金のみをもらっていて所得税がゼロの方とは?

公的年金(国が運営している年金)のみを取得している場合には、年齢によって所得税がゼロになる区分が違います。

【65歳未満で公的年金を受けている方】

年金受け取り額が108万円以下の方は所得税ゼロ

【65歳以上で公的年金を受けている方】

年金受け取り額が158万円以下の方は所得税ゼロ

なぜ65歳未満は108万円、65歳以上は158万円以下であれば所得税が発生しないのか?

公的年金は、『雑所得』と呼ばれており、公的年金等に係る雑所得の金額は、下記の式と表により算出します。

公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

 

■公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分以後)
年金を受け取る人の年齢
(a)公的年金等の収入金額の合計額
(b)割合
(c)控除額
65歳未満
(公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで
100%
700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで
75%
375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで
85%
785,000円
7,700,000円以上
95%
1,555,000円
65歳以上
(公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで
100%
1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで
75%
375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで
85%
785,000円
7,700,000円以上
95%
1,555,000円

 

上記表に当てはめると、

【65歳未満で108万円を貰っている場合】

1,080,000×100%-700,000=380,000

【65歳以上で158万円を貰っている場合】

1,580,000×100%-1,200,000=380,000

雑所得が380,000円となる場合には、所得控除で基礎控除が380,000円あるため

380,000-380,000=0

よって税金は発生しません。

毎月給与から引かれる所得税の計算方法を簡単にご説明します。

 

2.毎月(月額)の所得税の計算方法とは?

 

従業員を雇う場合には、従業員の所得税を源泉徴収し、会社が所得税を従業員の代わりに納付しなければなりません。そのため、毎月所得税の源泉徴収をすることが必要になります。では、毎月源泉徴収する所得税の計算はどのように行うのでしょうか?

【所得税の計算方法】

源泉徴収税額表を見て、税金がいくらになるかを確認します。表の見方が分かれば源泉徴収する所得税の額がわかりますので、下記図を参照ください。

給与所得の源泉徴収税額表(月額表)

給与所得の源泉徴収税額表(平成27年分)月額表 [国税庁]

給与所得の源泉徴収税額表(日額表)

給与所得の源泉徴収税額表(平成27年分)日額表 [国税庁]

上記サイトが源泉徴収税額表です。参照ください。

3.月にいくら以上給与をもらうと所得税が発生するのか?

給与所得の源泉徴収税額表を見て頂くとわかると思いますが、月額88,000円未満の場合には、所得税が発生しません。

給与所得の源泉徴収税額表(平成27年分)月額表 [国税庁]

4.賞与を支払う際の所得税の計算方法とは?

とてもわかりやすいサイトがありましたのでご紹介します。

賞与の源泉所得税計算ってどうやってやるの?[FIRSTITIPRO]

こちらをご覧頂ければ簡単に求めることが可能です。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(平成27年分)を下記に添付致しましたので参照ください。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(平成27年分)[国税庁]

 

毎月給与から引かれる所得税の計算方法を簡単にご説明します。

まとめ

所得税の算出方法をご理解頂けたでしょうか?経理担当者の方であれば、従業員の所得税を計算しなければならないときがあると思います。そのような状況になる前や、そのような状況になった場合にも、一度読んで頂ければ簡単に理解できると思いますので、所得税の計算方法を覚えておきましょう。
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