退職所得控除によって、退職金にかかる税金は少ない!?

退職所得控除によって、退職金にかかる税金は少ない!?

「退職所得控除」という言葉を聞いたことはありますか?
会社を退職される際に、退職金を受け取る場合、その退職金も所得税の課税対象となります。
この退職金にかかる税金の計算は、給与所得とは異なり、勤続年数などによって、控除額が異なります。
今回は、その「退職所得控除」について簡単にご説明します。


退職所得控除によって、退職金にかかる税金は少ない!?

1.退職所得控除とは?

リタイア

(1)退職所得の金額を求めるための算式

(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2 =退職所得の金額

こちらの算式で計算されます。

収入金額とは、退職金の額面とイメージすると良いでしょう。

※勤続年数が5年以下の法人役員は、2分の1を乗じませんのでご注意下さい。

(2)退職所得控除額は?

勤続年数(①)
退職所得控除額
20年以下
40万円×①(最低80万円)
20年超
800万円+70万円×(①-20年)

※勤続年数が10年1ヶ月のように、1年未満が生じた場合には、切り上げます。また

日数は、30日をもって1月とします。

そのため、10年1ヶ月であれば、11年を使って計算します。

※障害者になったことを理由に退職した場合には、100万円加算されます。

(3)退職金も貰った際の計算方法とは?

【事例①】

15年3ヶ月働いた方で、退職金1,500万円の場合

(1,500万円 - 640万円)×1/2 =430万円(退職所得の金額)

16年×40万円=640万円

【事例②】

23年2ヶ月働いた方で、退職金1,400万円の場合

(1,400万円 - 1,080万円)×1/2 =160万円(退職所得の金額)

800万円+4×70万円=1,080万円

2.退職所得控除の計算で必要となる勤続年数の数え方

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勤続年数は、実際の勤続期間によって計算されます。そのため、5年働けば5年が勤続期間です。この考え方のみであれば簡単なのですが、勤続年数の数え方が難しいケースがあります。では、勤続年数の数え方が難しいケースとはどんなケースでしょうか?

(1)他社で勤務している期間があり、その期間も退職金の支給対象期間となっているケース

《事例》
勤務先A
A社に平成10年4月~平成16年3月まで勤務
勤務先B
A社の子会社Bに平成16年4月~平成23年3月まで勤務(出向期間)
勤務先A
A社に平成23年4月~平成27年3月まで勤務

この事例の場合、勤続期間は全てを含めるため、17年が勤続年数となります

(2)同じ年に退職金を2回もらったケース

勤務先A
A社に平成10年4月~平成27年3月まで勤務(17年)
勤務先B
A社に平成20年4月~平成27年10月まで勤務(7年7ヶ月)

勤続年数を合計すると17年+7年7ヶ月=24年7ヶ月となりますが、退職所得の金額を計算する際は、合計するのではなく、重複している期間は一方の期間は合計しません。

そのため、平成10年4月~平成27年10月までが勤続期間となるため、17年7ヶ月が勤続年数となります。

3.退職所得控除額の特例とは?

上記2(2)で同じ年に退職金を2回もらったケースをご説明しましたが、では、平成26年と平成27年に、年をまたいで退職金を受け取った場合には、退職所得控除額を別の算式により計算することとなります。

【前年以前4年以内に退職金を受け取っている場合の計算方法】

(1)その年の退職所得控除額(1年未満は切り上げて計算する)

(2)重複している勤続年数の退職所得控除額(1年未満は切り捨てて計算する)

(3)(1)-(2)=退職所得控除額

《事例》

勤務先A
A社に平成20年4月~平成26年3月まで勤務(6年)
勤務先B
A社に平成10年4月~平成27年3月まで勤務(17年)

平成26年の退職所得控除が40万円×6年=240万円

平成27年の退職所得控除の算式は、下記の通りとなります。

40万円×17年-40万円×6年=440万円

4.退職所得控除の表

退職所得控除の表はこちらのPDFでご確認ください。

源泉徴収のための退職所得控除額の表(平成27年分)[国税庁]

5.退職所得等に係る住民税の計算方法とは?

退職所得の金額×10%=住民税額

退職所得の金額は、先ほどご説明した通りで、

退職所得の金額=(退職収入金額-退職所得控除額)×1/2

※勤続年数が5年以下の法人役員は、2分の1を乗じませんのでご注意下さい。

6.退職所得は、税金の負担が少なくなるような仕組みになっている!

退職所得は、退職後の生活保障のためのお金と考えられております。老後の資金にも関わらず、多くの税金が取られてしまうと老後に苦しむ方が増えてしまうので、退職所得は、税金の負担が非常に安くなっております。

この退職所得を利用した節税対策の一つが小規模企業共済です。

小規模企業共済は、個人事業主等の方が、自分で退職金を貯める仕組みとなっており、この制度を利用することで、節税することができます。

小規模企業共済を利用して30万円以上節税可能?

詳細はこちらをご参照ください。

退職所得控除によって、退職金にかかる税金は少ない!?

 

まとめ

退職所得控除額の計算方法をご理解頂けたでしょうか?退職所得控除額の計算方法は複数ありますが、基本的には下表に当てはまる方がほとんどでしょう。

勤続年数(①)
退職所得控除額
20年以下
40万円×①(最低80万円)
20年超
800万円+70万円×(①-20年)
一年間で40万円以下しか退職金が貯まらない場合には、税金は発生しないと考えておいて下さい。
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