5分でわかる『山林所得』の基礎知識

5分でわかる『山林所得』の基礎知識

山林の譲渡は、条件によって、『事業所得』『雑所得』になる可能性があります。             

あなたは条件をしっかり把握しているでしょうか?今回の記事では、山林所得の論点を簡単にご説明させて頂きます。


5分でわかる『山林所得』の基礎知識

1、山林所得とは何か?

山 頂上

山林所得とは、『山林を伐採して譲渡』、『立木のままで譲渡』することによって生ずる所得を指します。

【注意点1】

山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合は山林所得ではなくなります。

⇒山林所得ではなく事業所得か雑所得になります。

 

【注意点2】

山林を山ごとに譲渡する場合の土地の部分は、譲渡所得になります

2、山林所得の計算方法とは?

山林所得は、下記の算式で計算します。

総収入金額-必要経費-特別控除(最高50万円)=山林所得

(1)総収入金額とは?

山林を売却した際の譲渡対価のことです。

(2)必要経費

①原則

山林を取得に要した費用、植林費、維持、管理するための費用、譲渡する際の仲介手数料、伐採費などが必要経費となります。

②概算経費(平成27年中の譲渡であれば、平成12年12月31日以前取得の山林が対象)

伐採又は譲渡した年の15年前の12月31日以前から引き続き所有していた山林を伐採又は譲渡した場合は、収入金額から伐採費などの譲渡費用を差し引いた金額の50%に相当する金額に伐採費などの譲渡費用を加えた金額を必要経費とすることができます。

(収入金額-伐採費等)×50%+伐採費等

参照元:国税庁HP

(3)特別控除

総収入金額から必要経費を差し引いた金額が50万円未満の場合は、その金額が、50万円を超える場合は50万円が特別控除の金額となります。

(例1)

総収入金額100万円-必要経費70万円-30万円(特別控除)

総収入金額-必要経費が50万円未満なので、30万円が特別控除となっております。

 

(例2)

総収入金額100万円-必要経費30万円-50万円(特別控除)

総収入金額-必要経費が50万円以上なので、50万円が特別控除となっております。

 

3、税額の計算方法は?

税金

山林所得は、総合課税ではなく、『申告分離課税』として、他の所得と別々に計算し、税額を計算し、納付します。

所得の金額を他の所得の金額と合算して計算する場合には、総合課税(給与所得などは総合課税です。)と呼び、別々に計算する場合には、申告分離課税と呼ばれております。

山林所得の税額は『5分5乗方式』という優遇された算式を使って計算されています。

(山林所得×1/5×税率)×5 = 税額

山林所得と算式には記載しておりますが、本来は『課税山林所得金額』を使います、説明の便宜上山林所得としてご説明します。

上記の算式に記載されている税率は超過累進税率を利用しております。

1/5の後に5乗しているので結果が同じように見えますが、ただ単に税率を乗じた場合と、上記の算式を使って計算した場合でどれくらい差が出るか例を使ってご説明致します。

《事例》

山林所得5,000万円だった場合

【5分5乗方式を使って計算した場合】

(5,000万円×1/5×33%-1,536,000円)×5=8,820,000円

【仮に超過累進税率を乗じるだけだった場合】

5,000万円×45%-4,796,000円=17,704,000円

こちらの例を見ていただいても5分5乗方式を利用することが優遇されていることがわかるでしょう。

では、なぜ優遇税率になっているのでしょうか?

山林所得は自然のものなので、毎年必ず生じる所得ではないと考えられます。また、長年の育成の成果であるため、その性質上、税額が低くなるように配慮されています。

 

所得税の税率(超過累進税率)については、

あなたの所得税率は何%?いくら税金を取られるか把握しよう

を参照ください。

4、山林所得は、他の所得と損益通算可能?

(1)損益通算ができる損失とは?

【損益通算できる損失】

不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得

(2)損益通算の順序とは?

複雑なので、割愛させて頂きます。

気になる方は、こちらをご参照ください。

国税庁HP

5、山林所得、事業所得、雑所得の振り分け方とは?

山林は、保有期間や、事業的規模か否かによって、所得の区分が異なります。

区     分

譲渡した際の所得

 

保有期間5年以内

事業的規模

事業所得

事業的規模以外

雑所得

保有期間5年超

事業的規模

山林所得

事業的規模以外

※事業的規模とは、業務をその業務だけで生計が立てられる程度の規模を指します。実務上は、山林を50ヘクタール以上保有している場合には、事業的規模と言われております。

まとめ

山林所得で一番重要となるのは、山林を譲渡した際の所得が何所得になるのか?という判断でしょう。山林所得となれば、5分5乗方式を採用することができるため優遇されます。山林所得になるか否かで発生する税額が大きく変動しますので、注意してください。

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