相続分を知らないと本来の取り分が貰えない可能性も!?

相続分を知らないと本来の取り分が貰えない可能性も!?

 もしあなたの身内が亡くなってしまった場合、あなたは相続財産をどれくらいの割合でもらう権利があるかわかりますか?もし知らなかったという方は、どれくらい貰う権利があるのかを知っておくことは大事ですので、ご覧頂きたいです。

相続財産をもらう権利のことを『相続分』と呼びます。今回の記事では、『相続分』について詳しく記載するとともに、『相続分の譲渡』についてご説明させて頂きます。『相続分の譲渡』は少しでも早く相続財産を手にしたいと考えている方や、遺産の争いに巻き込まれたくない方、あるいは、特定の相続人を「分割協議に参加させたくない!」とい方が行います。


相続分を知らないと本来の取り分が貰えない可能性も!?

1.相続分とは?

相続 親子
 相続分とは、いくら財産をもらう権利があるのかということです。
相続する人(民法で定められた相続人)が誰になるかによって、相続分の割合も異なってきます。
まず、相続人の決め方がわからないという方は、

5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?

をご覧ください。 

相続人が誰になるのか把握出来た方は、次に、その方がどれだけ財産を相続する権利があるのか!という話に進みます

 
相続人ごとに相続分がいくらになるのかを表でまとめましたのでご覧ください。

[相続人の構成と相続分]

相続人の構成
相続人
法定相続分
備    考
配偶者と子
配偶者
 1/2 
配偶者は常に相続人。この構成では1/2が相続分
 1/2 
子全員で1/2。
(例)子が3人の場合1人あたり 1/6 = 1/2×1/3
配偶者と
直系尊属
(父・母)
配偶者
 2/3 
配偶者は常に相続人。この構成では2/3が相続分
直系尊属
 1/3 
両親で1/3。
(例)父母ともに健在であれば1人あたり 1/6 = 1/3 ×1/2
配偶者と
兄弟姉妹
配偶者
 3/4 
配偶者は常に相続人。 この構成では3/4が相続分
兄弟姉妹
 1/4 
兄弟全員で1/4。 
(例)兄弟2人の場合1人あたり1/8 = 1/4×1/2

具体的には次の通りとなります。

①配偶者のみで第1~3順位まで誰もいない場合

配偶者がすべて取得します。

配偶者と第1順位(子または)

配偶者が2分の1、第1順位の方が2分の1
配偶者がいない場合、第1順位(子または孫)の方がすべて取得します。

③配偶者と第2順位(父・母)

配偶者が3分の2、第2順位者(父・母)が3分の1
配偶者がいない場合は、第2順位(父・母)の方がすべて取得します。

④配偶者と第3順位(兄弟姉妹)

配偶者が4分の3、第3順位(兄弟姉妹)の方が4分の1
配偶者がいない場合は、第3順位(兄弟姉妹)の方がすべて取得します。

2.相続分の譲渡とは?

 遺産分割は、通常、相続人の間でどの財産を誰に渡すかを決めるため、遺産分割協議が成立するまで時間がかかります。相続人の中には、少しでも早く相続財産を手にしたいと考えている方や、遺産の争いに巻き込まれたくない、あるいは、特定の相続人を遺産分割協議に参加させたくないと考えている方もおります。

このような場合に、自分の相続分を遺産分割の前に、他の相続人又は第三者に譲渡することが認められております。これを『相続分の譲渡』 と呼びます。 

3.相続分の譲渡の具体例

兄弟
 相続人が『長男』『次男』『三男』の3人だったとします。
長男と次男がどのように財産を分けるかを、三男に知られたくない場合や、三男が遺産分割争いを避けたいと考える場合には、三男は相続分を長男か、次男に無償又は有償で譲渡することができます。
 
 相続人が子供3人であれば、相続分は一人当たり1/3です。
仮に、三男が長男に相続分のすべてを譲渡した場合には、
長男は1/3 + 1/3 = 2/3 が相続分
次男は 1/3 が相続分
三男は譲渡したため相続分はゼロとなります。
つまり、三男は、法定相続分がなくなり、長男は、三男から譲り受けた相続分だけ加算されることとなります。
相続分の譲渡

4.相続分を譲渡した場合の取り扱いは?

(1)三男が長男に無償で相続分を譲渡した場合の取り扱い

 三男は何も取得しないこととなりますので、相続税も贈与税もかかりません。 

(2)三男が長男に有償で相続分を譲渡した場合の取り扱い

 例えば、三男が長男に1/3の相続分を500万円で売却したとします。
相続分の対価としてお金を取得した場合には、三男は500万円を取得したので、相続税が課税されます。
長男は、相続分の対価として500万円支払っているため、500万円は長男の相続財産から控除されます。

(3)遺産分割協議は長男と次男でやれば良い!?

 三男が『相続分の譲渡』を行った場合には、遺産分割協議は、長男と次男の二人で行えば良いこととなります。よってスムーズに遺産分割協議が行えるでしょう。 

遺産分割協議の詳細は、下記の記事を参照してください。

意外とモメる遺産分割【遺産分割協議とは?】

5.相続分譲渡証明書の文例

相続分譲渡証書

 譲渡人は譲受人に対して、被相続人亡鈴木一郎の相続分全部を金1,000万円で譲渡し、譲受人はこれを譲り受けた。

 譲受人は、譲受代金1,000万円を平成○○年4月30日限り譲渡人方に持参して支払うこととし、譲渡人は右代金受領と同時に相続財産の共有持分移転登記手続をする。

 右登記費用は譲受人の負担とする。

  平成○○年4月1日

           (住所) 神奈川県横浜市○○1丁目1番1号
                  譲受人    佐 藤   二 郎 印
           (住所) 神奈川県横浜市市○○1丁目1番2号
                  譲渡人    鈴 木   三 郎 実印

6.相続分不存在証明書とは?

 「相続分のないことの証明書」の『相続分不存在証明書』には決まった書式はありません。
口頭で問題ありませんが、後日揉め事にならないようにするためにも『相続分不存在証明書』を作成しておくべきでしょう。
初めての方でも簡単に作成できるはずです。 

7.相続分不存在証明書の文例

相続分不存在証明書

 被相続人 鈴木一郎
 私は、平成27年5月1日被相続人の死亡による相続につき、相続する相続分がないことを証明します。

  平成27年5月8日

  東京都世田谷区◯◯
  相続人 鈴木 二郎 印

8.非嫡出子の相続分の論点

嫡出子 は、結婚している男女の間に生まれた子どものこと

非嫡出子は、結婚していない男女の間に生まれた子どものこと

を指します。 

平成25年9月4日より前、相続分が、非嫡出子、嫡出子異なっておりました。
以前の非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分でした。
しかし、平成25年9月4日に裁判で、そのような差別は違法との判決がでたことで、平成25年9月4日以降の相続分は、嫡出子も非嫡出子も同額となりました。

まとめ

 『相続分』と『相続分の譲渡』についてご理解頂けましたでしょうか?相続分を理解していなかったせいで、本来受け取れるはずの相続財産を受け取れない可能性もありますので、覚えておくと良いでしょう。また、相続分の関連記事で、
相続分が増加するという話があります。
という記事もございますので興味のある方はご参照ください。


監修専門家



4000人以上に選ばれている 相続専門の業界大手税理士事務所