これで円満!?信託を利用した「遺言信託」制度

これで円満!?信託を利用した「遺言信託」制度

信託を利用した遺言方法をご存知でしょうか?これは、『遺言信託』と呼ばれておりますが遺言信託によって将来の相続人が争うことなく相続可能となります。

今回の記事では、『遺言信託』についてメインにご説明させて頂きます。


これで円満!?信託を利用した「遺言信託」制度

1.遺言信託とは?

遺言信託とは、遺言者の財産を信託会社に移転し、その財産を管理・運用してもらうという制度です。

例をあげて説明すると、幼い子や障害者など、管理能力に乏しい方が、将来相続人になるとします。
遺言を書こうとしている方(遺言者)は、信託銀行に相続する財産を委託し、その財産を管理・運用した結果、得られた利益を相続人に交付することで、遺言者の死後も相続人が安定した生活を送れる仕組みになっております。

※相続人の詳細は、5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?をご覧ください。

遺言信託の流れ

2.遺言信託のメリット

遺言信託のメリット

(1)安心

遺言信託を利用するメリットとしては、弁護士とは異なり、信託会社という組織に依頼するため、遺言書の管理や執行が数十年先になっても比較的安心できることです。
信託会社に依頼せず弁護士や司法書士にお願いしている場合には、もしその方が死亡してしまった場合に対応してもらえないというリスクがあります。
信託会社であればこのリスクはありません。

(2)多様なアドバイスがもらえる

不動産の活用方法や資産運用の相談など、専門的アドバイスが受けられる点です。

(3)遺産整理してもらえる

信託銀行はサービスのひとつとして『遺産整理』というものもあります。
遺産整理とは、被相続人(財産を残して亡くなった方)が遺言を残さずに亡くなってしまった場合に、相続時に発生する複雑な手続きや遺産の分配などを請負うサービスのことです。
※ (例)相続人の確定・相続財産調査、不動産の名義変更、遺産分割協議のアドバイスなどが挙げられます。

3.遺言信託のデメリット

遺言信託のデメリット

(1)費用が高額

 契約時の基本料金は各信託銀行によって異なますが、一般的に20万円~30万円です。
この他に遺言書の保管費用、公正証書作成費用、2名分の証人費用、遺言の内容を変更する場合の追加手数料等が加算されます。
また、相続が開始されると、さらに追加で信託報酬として最低でも約100万~150万円程度かかります。

信託銀行の各社がどの程度予算がかかるのかを例で記載しておきます。

三井住友信託銀行
http://www.smbc.co.jp/kojin/yuigon/

三菱UFJ信託銀行
http://www.tr.mufg.jp/shisan/yuigonshintaku_04.html

みずほ銀行
http://www.mizuho-tb.co.jp/souzoku/yuigon_hikiuke.html

※遺言信託のサービスは行政書士、司法書士、弁護士等でも同様に対応できる業務であり、費用も大幅に削減できる可能性があります。

(2)遺言書作成に長時間かかる

信託銀行が遺言執行者として行えることは財産に関することのみとなります。そのため、子の認知や相続人の排除などは行えないことから遺言書の作成に長期間かかるケースがあります。

(3)法的紛争が予想される場合は引き受けられない

 信託銀行と弁護士会との間で、「法的紛争があり、または法的紛争を生じる可能性が極めて高い」という場合には、信託銀行は遺言書作成に関する相談を引き受けないという申し合わせがあるため、法的紛争が予想される場合には信託銀行では引き受けてもらえない可能性があります。

(4)税務相談は別途費用がかかる

相続税の申告など税務に関することは別途税理士に依頼する必要があるため追加で費用がかかります。

4.遺言信託は解約出来るのか?

 信託を契約した際の契約書があるはずなので、信託契約書の解約条項を見てください。
その解釈条項によって解約出来るかどうかは変わってくるかと思います。解約出来る場合であっても、これまでにかかった費用は清算の上での解約となる可能性が高いと思います。

5.遺言信託を弁護士に頼む場合にはどんな流れか?

(1)事前相談

遺言を作成するためには、推定相続人、法定相続分、遺留分減殺請求などの相続に関する法制度を理解して頂くために簡単に説明する事務所が多いようです。

(2)財産状況の確認

遺言作成は、ご相談をさせていただいた時点での財産状況を確認しなければなりません。
その上で、相続税が発生することが見込まれる場合には、節税対策、納税資金の確保を含めたプランをご提案する事務所が多いです。

(3)遺言内容の相談

遺族へどのような想いを伝えたいのか、どなたにどの財産を渡したいかなどといったご希望を相談し、遺言内容についての具体的な相談をするのが一般的です。

(4)公正証書遺言の作成

ここまできたら、最後に公正証書の形で遺言書を作成します。公証役場において公正証書遺言を作成します。
公証役場には、担当弁護士も証人として同行するのが一般的です。

(5)費用は?

事務所によって金額は異なりますが、40万円程度が一般的ではないでしょうか。金額だけで見ると信託銀行と比べると非常に安いです。

まとめ

遺言信託は、信託銀行にお願いすることも出来れば、弁護士等にお願いすることも出来ます。
どちらを利用するかは、皆様の自由ですが、個人的には、弁護士さんにお願いした方が費用が抑えられる可能性が高いのでオススメです。
もちろん信託銀行に依頼する場合にもメリットはありますので、お悩みの方は一度信託銀行の担当者にお話を聞くと良いのではないでしょうか?

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