母が父に生命保険をかけており、先日母が亡くなりました。保険会社は契約者変更を勧めてきます。なぜ?

母が父に生命保険をかけており、先日母が亡くなりました。保険会社は契約者変更を勧めてきます。なぜ?

母が父に生命保険をかけており、母ば亡くなった場合に、保険商品の契約者について、保険会社はなぜ変更を勧めているのでしょうか。

これは、保険商品の性質によります。

例えば、終身保険は、積立型で掛け捨てでないことが多い保険商品になります。このような掛け捨てではない生命保険契約は、財産的価値があることから相続財産いわゆる遺産にあたり、相続の対象となります。

掛け捨てではない生命保険などについては、解約時に解約返戻金を受け取ることができたり、満期時に保険金が支払われたりします。そのため、契約者の死亡によっては1円も金銭が発生しているわけではありませんが、潜在的に権利があるため、相続財産として相続の対象となるのです。

こういった財産について、「みなし相続財産」というのです。

そして、生命保険のような解約することによって、一定額の解約返戻金を受け取ることのできるような権利を「生命保険契約に関する権利」といいます。いわば、保険会社に積立貯金をしているのと同様と考えられているのです。

 


母が父に生命保険をかけており、先日母が亡くなりました。保険会社は契約者変更を勧めてきます。なぜ?

1.遺言がない場合、誰のものになるかは遺産分割協議が必要

「生命保険契約に関する権利」も相続財産として遺産されるものですが、遺言がない場合は通常の相続財産と同様に、誰が承継するかについては遺産分割協議によって決定します。

遺産分割協議は、相続人全員で話し合い、相続財産の帰属を決めていくものです。

例えば、契約者が母だったものを父に変更することが可能です。もちろん子が相続して契約者となることもできます。

また、この生命保険契約に関する権利についての基準となる額は、契約者が死亡した日における解約返戻金の額になります。これによって相続税などが算定されることになるのです。

 「生命保険契約に関する権利」を相続した人は、そのまま生命保険契約などの契約者としての権利を引き継いで保険金を支払っていくか、解約して解約返戻金を受け取るのか選択することができるようになります。

 もっとも、契約者は母だったけれども、実際の支払いは父が行っていたような場合は、事実上父が契約者ですので、契約者と受取人の変更をする方法もあります。

しかし、このような場合でも、相続税が発生することになると考えられます。

また、契約者として父が相続しても、受取人は子に変更することが可能です。このようにしておくと、父が亡くなった場合に子は一定額が非課税になり有利となります。相続税の点から子に大きな相続税が掛かるのを防ぐことが可能となります。

2.契約者変更か解約かは、契約者の死亡日の解約返戻金で決める

相続した人が契約者として掛金を支払っていくか、解約して解約返戻金を受け取るかどうかは、契約者が死亡した日の解約返戻金によって判断して決めることをおすすめします。

解約返戻金がほとんどないような場合や今後多く掛金を支払っていくような場合は、相続人ご自身で保険契約を締結しても利益の面では変わらないため、解約してしまった方がいいといえます。

これに対して満期がそれほど遠くなく、解約返戻金の額よりも満期に支払われる金額が多く、掛金を継続して支払っても利益が大きいような場合は、契約者の地位を承継して掛金を支払っていった方がメリットとなる場合があり、金銭的利益も大きくなる可能性が高くなるのです。

そもそも解約返戻金のない保険については、金銭評価ができないため、相続財産としての評価がされないため、相続財産に該当しないことになります。

このように、承継する相続人については、今後支払っていく掛金と現在解約することによって手に入れることができる解約返戻金、または満期時に受け取ることのできる保険料など、保険商品の詳細を理解した上で対応を決めることをおすすめします。