公正証書遺言作成の流れとは?

公正証書遺言作成の流れとは?

公正証書遺言作成手続きの流れは、大きく4つに分けて考えましょう。

  1. 遺言書を作成する目的や内容をまとめておく
  2. 必要書類を用意する
  3. 遺言書作成前の公証人との打ち合わせ
  4. 公証役場にて公正証書遺言の作成 


公正証書遺言作成の流れとは?

1.遺言書を作成する目的や内容をまとめておく

まず1の【遺言書を作成する目的や内容をまとめておく】ところから始めましょう。なぜ遺言書を作成するのか、という目的を明確にしておけば、迷いが生じてもスムーズに決めていくことができるようになるからです。たとえば、

・なるべく多くの遺産があるようにしたい

・相続人にかかる相続税の負担をできるだけ減らしたい

・相続人が争わずに済むようにしたい

といった目的があり、それぞれの目的によって遺言内容も変わってくることになります。とくに遺留分を侵害するような遺言を行なうと、法定相続分を巡った争いが生じかねません。このようなことを回避するためにも、遺言書作成でさまざまな工夫が必要になるのです。

 また、遺言書に記載する遺産は、すべて分割できる遺産であるとは限りません。

目的や内容が曖昧のまま遺言書を作成すれば当初の内容と食い違うことが出てくることもあり、結局自分がどうしたかったのかが分からなくなってしまいます。公証人と相談しながら公正証書遺言を作成することもできますが、あらかじめ遺言書を作成する目的や内容をまとめておくことで、スムーズに公正証書遺言を作成することができるようになります。

 2. 必要書類を用意する

遺言書を作成する目的を明らかにすることができたら、必要書類を用意しましょう。

公正証書遺言を作成するためには、以下の書類が最低限必要となります。

・遺言者本人の本人確認書類(運転免許証や印鑑登録証明書などの公的機関によって発行された証明書)

・遺言者と相続人との続柄が明記された戸籍謄本

さらに、案件内容によって必要な書類が追加されていきます。

たとえば、不動産が遺産に含まれている場合は、不動産に関する書類(登記事項証明書、固定資産評価証明書、固定資産税などの課税明細書)が必要です。

相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票が必要です。公正証書遺言には2人の証人が必要となるため、その証人に関する情報(氏名、住所、生年月日、職業)が必要です。証人に関する情報が正確であれば、メモしたものでも構いません。証人は自分で探すこともできますが、公証役場で紹介してもらうことも可能です。紹介してもらう際は、証人に関する情報をあらかじめ入手しておく必要はありません。 

3. 遺言書作成前の公証人との打ち合わせ

公正証書遺言を作成する前に、公証人と綿密な打ち合わせをする必要があります。公証人と事前に打ち合わせをしておくことによって、法的に間違いのない遺言書を作成するのが目的です。

公証人と打ち合わせするためには、遺言を作成する人が公証役場に出向くのが一般的です。しかし公証役場へ行くことができない場合は、公証人に自宅や介護施設、病院などへ出張してもらうことも可能です。ただし、以下の注意点をあらかじめ確認しておく必要があります。

・日当や交通費などを負担する必要がある

・公証人が管轄を超えて出張することはできない

公証人には『職務執行区域』が定められているため、管轄を超えて出張することができないのです。公証人に出張してもらう必要がある場合は、管轄区域であるかどうかを確認しておくと安心です。

公正証書遺言を作成する前の打ち合わせで、費用についても確認しておきましょう。日本公証人連合会のサイトに記載されている証書作成の基本手数料は以下のとおりです。

・100万円以下:5,000円

・100万円超え~200万円以下:7,000円

・200万円超え~500万円以下:11,000円

・500万円超え~1,000万円以下:17,000円

・1,000万円超え~3000万円以下:23,000円

・3,000万円超え~5,000万円以下:29,000円

・5,000万円超え~1億円以下:43,000円

・1億円超え~3億円以下:43,000円に5,000万円まで毎に+13,000円

・3億円超え~10億円以下:95,000円に5,000万円まで毎に+11,000円

・10億円超え:249,000円に5,000万円まで毎に+8,000円

たとえば妻1人に8,000万円の遺産を相続させる場合は、43,000円の手数料がかかります。そして1通の遺言書に記載する目的価額の合計が1億円までの場合は11,000円の手数料が加算されるため、合計54,000円の手数料が必要になります。

4. 公証役場にて公正証書遺言の作成

作成日当日は、遺言者本人と証人2名が全員集まる必要があります。事前打ち合わせ同様に、公証人が自宅や病院などへ出張することも可能です。そして、以下のような流れで公正証書遺言を作成します。

(1)公証人による公正証書の読み上げ

(2)遺言者本人と証人による署名と押印

(3)手数料の支払い

(4)正本と謄本の受領

原本は公正役場にて保管され、遺言検索システムを使えば遺言の存在有無を確認することができるようになります。