遺言執行者を選ぶ方法を徹底解説

遺言執行者を選ぶ方法を徹底解説

遺言執行者を生前に自分で選ぶこともできますが、選ぶ人を指定する方法、死後に家庭裁判所に選んでもらう方法もあります。それぞれの手続について解説します。

遺言執行者を選ぶ方法を徹底解説

1.遺言執行者を選ぶ方法とは?

相続財産を管理しスムーズに引き継ぐためには遺言執行者を選ぶことが大切です。選ぶ方法には大きくわけて3つあります。まずは遺言を残すひとの意思によるものが2つ。

①遺言書で直接、指定する

②遺言書で「遺言執行者を決めるひと」を指定する

遺言でこのような指定がなくても、利害関係人の請求によって

③裁判所が選任する

ことができます。

遺言書で直接指定する場合は、誰を指定するのか遺言書に記します。特定しやすいように住所とフルネームで記載しておくのがよいです。本人にも心の準備があったほうがいいですから、事前に打診しておきましょう。

遺言執行者は複数人選ぶこともできますが、ひとりのほうが名義変更などの手続きはスムーズです。相続財産がたくさんあるときは大勢のほうが効率的なこともありますので、ケースバイケースで考えます。

直接指定するだけでなく、第三者に指定を委託することもできます(民法1006条)。相続はいつ発生するかわかりませんので、あらかじめ指定しておいてもその人が亡くなっていたり、健康状態が悪いなどの理由で拒否したりすることもあります。そのときにもっとも適任なひとを遺言執行者にすることができる仕組みです。

この場合も、遺言執行者を指定するときと同様、指定を委託する相手の名前や住所を遺言書に記載します。

2.遺言執行者が指定されていない場合どうする?

遺言執行者が指定されていないにも拘わらず、被相続人が亡くなってしまった場合には、家庭裁判所に選任を請求することができます。

子の認知や相続人の廃除などの手続きは遺言執行者が必要とされるので、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらう方法をとることがあります。

遺言執行者の選任を申し立てることができるのは、相続人や債権者などの利害関係人です。

亡くなった人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に申し立てます。管轄裁判所は裁判所ホームページで調べることができます。

費用は遺言書1通につき裁判所に収入印紙で支払う800円と、郵便切手代です。

遺言執行者を選任するための必要書類は次の5種類です。

・申立書(裁判所ホームページでダウンロードできます)

・死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本

・遺言執行者の候補となるひとの住民票または戸籍附票

・遺言書または検認調書のコピー

・利害関係を証明する書類。親族なら戸籍謄本など。

申立書には、遺言執行者の候補として希望するひとの名前を書くことができます。

3.遺言執行者に選任されたが、やめたいときはどうすればよい?

遺言執行者に選任されて就任した場合、正当な理由なく辞任することはできません。

また、相続人や受遺者と話しあって辞任できるわけではなく、家庭裁判所に辞任許可の審判を申し立てて、辞任が認められなければなりません。

辞任が許可されるのは、「遺言執行が客観的にも困難である状態」となる正当な理由のときです。

具体例としては、「病気や遠隔地への転居で、円滑な遺言執行が期待できない場合」や「相続人のトラブル調整に失敗するなどして、公正な遺言執行が期待できない場合」などがあります。

申し立てをする場合、被相続人の最後の住所を担当する家庭裁判所が管轄となります。

そして、申し立てが認められた後に、相続人や受遺者に対して辞任した旨を通知する必要があります。

その上で、相続事務の経過等を報告し、預かっているものを引き渡さなければなりません。

このように、遺言執行者は、一度就任すると、簡単に辞任することができません。就任を依頼された場合には、慎重に判断しましょう。

なお、遺言書に報酬が定められておらず、引き受けた後に無報酬であることが伝えられて辞任したい場合であれば、家庭裁判所に報酬付与審判を申し立てることができます。