遺言の教科書–遺言書に絡むすべての論点を解説

更新日:2023.11.28

遺言の教科書–遺言書に絡むすべての論点を解説

遺言という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際に細かいルールまで詳細に理解している方はほとんどいないでしょう。

この記事では、遺言に絡むすべてをご説明しておりますので、皆さまの遺言に対する疑問を解決できると思いますので是非ご覧ください。

1.あなたは遺言を書くべき?診断テストであなたが遺言作成するべきかがわかります!

財産が多くなければ遺言なんて書く必要がないでしょ!とお考えの方も多いのですが、財産が多くない方の方が実際には、遺族で争っているケースが多いのです。

そのため、相続人が2名以上いる場合には、遺族の争いを回避するためにも作成した方がよいと回答する専門家は多いです。

2.遺族の争いを防ぐ役割を果たす遺言とは?

遺言がなく、争ってしまった事例を1つご紹介します。

被相続人が亡くなる前は、相続人がそれぞれ多かれ少なかれ互いに不満を持っていらっしゃるご家族がおりました。

相続発生するまでは、お互い不満をぶつけることはありませんでしたが、遺産の相続という場面に直面した途端に、急変して、お互い不満をぶつけるようになりました。

相続財産を奪い合うことで、相続人同士は不仲になってしまい、最悪の状況で相続が終了したという事例があります。

このような争いは、遺言があれば防ぐことができるのです。

3.遺言の種類をご紹介!遺言には、たくさん種類がある?

遺言は、大きく分けると【普通方式】と【特別方式】に分けることができます。

【普通方式】は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つに分けられ、

【特別方式】は、危急時遺言・隔絶地遺言に分けられます。

※危急時遺言には、一般危急時遺言や難船危急時遺言があります。

※隔絶地遺言には、伝染病隔絶地遺言や船舶隔絶地遺言があります。

皆さんがイメージしやすい遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つだと思います。

実務上もこの2つの遺言がほとんどです。

4.遺言がある場合と、ない場合の相続手続きの流れとは?

相続の手続きは、遺言がある場合と、遺言がない場合では、異なります。

(1)遺言がある場合の相続手続きの流れ

①遺言書の種類を確認する

②遺言書の内容を確認する

③遺言書通りに遺産を分割する

という流れになります。

遺言がある場合でも、その遺言は、公正証書遺言か、自筆証書遺言などの、公正証書遺言以外かで、流れが異なります。

遺言を見つけた場合の正しい行動とは?

自筆証書遺言などを、発見した場合、すぐに開けて中身を確認しては絶対にダメ!ということをご存じでしたでしょうか?

勝手に開けてしまうと罰金を取られる可能性があります。

(2)遺言がない場合の相続手続きの流れ

遺言がない場合には、まず、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議を行うためには

・相続人調査

・相続財産調査

・相続放棄・限定承認の確認

などを行っていかなければなりません。

5.遺言を解説する際によく出てくる言葉の用語解説

(1)検認(けんにん)とは?

検認とは、遺言書の内容を明確にするとともに、この存在を相続人に知らせること、遺言の偽造や変造を防止することを目的とした裁判所による手続きになります。

この遺言書の有効無効を判断する手続きではありません。

検認が必要な遺言書は、「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」になります。

みなさんに理解しておいて頂きたいことは、遺言書を見つけたら裁判所で検認するということです。

(2)遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)とは?

遺言執行者は、預貯金の解約や不動産の所有権移転登記(不動産の名義変更)など、遺言を正確に執行するために必要なすべての行為をする者です。

簡単に説明すれば、遺言に記載されている内容を実現させていく方です。

この記事の監修者

代表 荻野 照美

 

所属事務所:おぎの司法書士事務所

平成13年度司法書士試験合格(受験地:埼玉)

平成16年埼玉司法書士会登録(登録番号 埼玉第938号)

簡裁訴訟代理関係業務認定(認定番号 第303090号)

公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート会員

 

 

 

おぎの司法書士事務所の詳細ページはこちら>>>

相続コラムを探す×
カテゴリを選ぶ
お近くで相続に強い専門家をお探しの方は おすすめ検索
専門家を
お選びください
地域を
お選びください
相談内容を
お選びください

「つぐなび」の運営は、1970年創業の株式会社船井総研ホールディングス(東証1部上場、証券コード:9757)の経営コンサルティング事業を担う株式会社船井総合研究所が行っています。…もっと見る

船井総合研究所は、相続分野において700事務所にものぼる全国の弁護士・税理士・司法書士といった士業事務所のコンサルティングを行っており、その長年のノウハウをもとに「つぐなび」を2020年に開設いたしました。
現在、全国的に高齢人口の急速な増加を続けており、総人口は減少していく一方で、高齢者人口は2040年まで増え続けると予測されています。それに伴い、相続財産をめぐるトラブルも増加、複雑化していることが喫緊の課題となっており、さらに、問題を未然に防ぐための遺言や民事信託などの生前対策のニーズも年々高まっています。 「つぐなび」では、相続でお困りの皆様が、相続の”プロ”である専門家と一緒に相続の課題解決をしていけるようサポートいたします。

・本記事は一般的な情報のみを掲載するものであり、法務助言・税務助言を目的とするものではなく、個別具体的な案件については弁護士、税理士、司法書士等の専門家にご相談し、助言を求めていただく必要がございます。
・本記事は、本記事執筆時点における法令(別段の言及がある場合を除き日本国におけるものをいいます)を前提として記載するものあり、本記事執筆後の改正等を反映するものではありません。
・本記事を含むコンテンツ(情報、資料、画像、レイアウト、デザイン等)の著作権は、本サイトの運営者、監修者又は執筆者に帰属します。法令で認められた場合を除き、本サイトの運営者に無断で複製、転用、販売、放送、公衆送信、翻訳、貸与等の二次利用はできません。
・本記事の正確性・妥当性等については注意を払っておりますが、その保証をするものではなく、本記事の情報の利用によって利用者等に何等かの損害が発生したとしても、かかる損害について一切の責任を負うことはできません。
・本サイトの運営者は、本記事の執筆者、監修者のご紹介、斡旋等は行いません。
・情報収集モジュール等に関する通知・公表
当社は、本サービスの提供にあたり、利用者の端末に保存された情報を外部サーバーに送信するクッキー、コード、又はプログラム等(以下総称して「情報収集モジュール等」といいます。)を利用します。
当社が利用する情報収集モジュール等の詳細は、以下の通りです。

【情報収集モジュール等の名称】
TETORI
【送信される情報の内容】
https://adm.tetori.link/manual/view/realtime_user
【情報送信先となる者の名称】
グルービーモバイル株式会社
【当社の情報の利用目的】
サイト分析
【送信先での情報の利用目的】
https://www.groovy-m.com/privacy

…閉じる

お近くで相続に強い専門家をお探しの方は おすすめ検索
専門家を
お選びください
地域を
お選びください
相談内容を
お選びください

閉じる

閉じる

早期解決や相談先のヒントに! 解決事例検索
テーマを
お選びください

閉じる

閉じる

相続について広く理解を深めたい方は コラム検索
カテゴリを
お選びください

閉じる

閉じる