平成29年度税制改正により物納の要件が変わりました!変更点を解説します。

平成29年度税制改正により物納の要件が変わりました!変更点を解説します。

平成29年4月1日以降の申請から、物納できる財産の順位と範囲が変更になりました。

変更箇所についてご説明します。


平成29年度税制改正により物納の要件が変わりました!変更点を解説します。

1.改正内容について

改正内容は下記の通りです。オレンジ色で記したところが大きな変更点となります。

物納の要件の変更箇所

物納の種類では、改正前の第2順位の扱いが少し細かくなっています。社債や証券投資信託又は貸付信託の受益証券という表現がなくなり、「上場株式」「非上場株式」という区分けになっています。

また、順位については以下のように変更になっています。

順位の見方図

2.物納できる財産の種類について

(1)第1順位①の上場株式

物納の対象となる上場株式の説明

基本的には金融商品取引所に上場しているものが対象となりますが、一部、上場されていない有価証券も対象となります。上場されていないものは、オープンエンド型のものに限られています。

(2)第2順位③非上場株式等

物納の対象となる非上場株式の説明

こちらは金融商品取引所に上場されていない有価証券が対象となります。証券投資信託、貸付信託の受益証券に関しては、第1順位のものを除きます。

(3)第1順位②不動産不動産及び上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの/第2順位④非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの

第1順位②、第2順位④はどちらも「物納劣後財産」に該当するものとなります。

① 物納劣後財産とは

物納劣後財産説明

物納に充てるべき適当な財産が無い場合に限り、認められている財産を物納劣後財産と言います。基本的には、相続人が居住用又は事業用にとして使用している家屋や土地が対象となります。

②物納劣後財産の種類

以下が物納劣後財産です。

イ 地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地

ロ 法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地

ハ 土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地

 (その指定後において使用又は収益をすることができない土地を含みます。)

ニ 現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(納税義務者がその建物及び敷地について物納の許可を申請する場合を除きます。)

ホ 劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地

ヘ 建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地

ト 都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、

  その開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおけるその開発行為に係る土地

チ 都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除きます。)

リ 農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地

ヌ 森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地

ル 法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含みます。)

ヲ 過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産

ワ 事業の休止(一時的な休止を除きます。)をしている法人に係る株式

3.物納の注意点

物納する財産の価格が申請する相続税額を超えないように財産を選ぶ必要があります。

どうしても分割等をすることが困難な財産の場合など、「やむを得ない事情」があることを税務署長が判断した場合に限り、認められるケースがあります。

その際には、「やむを得ない事情を記載した書面」を提出する必要があります。

まとめ

物納の要件が平成29年4月1日以降の申請から変更となりました。

物納ができる財産は相続財産(相続税の課税価格を計算する際の基礎となる相続財産)に含まれているものが対象となります。但し、相続時精算課税の適用を受けた財産に関しては物納の対象にはなりませんので注意してください。

物納に関しての詳しい情報は下記の記事に記載されています。併せてご活用ください。

相続税の支払いは現金ではなく物納ですべき場合も存在する?