相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

相続する人のことは民法で「法定相続人」と言い、法定相続人はたいてい複数人います。自分以外の相続人が相続放棄していないか?限定承認していないか?と自分で調べる人がいます。なぜでしょうか?それは、相続には財産をもらうというプラスの相続だけではなく、親が残した借金を背負うこととなるマイナスの相続もあるからです。

今回の記事では、相続人のうち相続放棄・限定承認をした人がいないか、自分で調べる方法をご紹介します。

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

 1.前の順位の相続人が相続放棄したら次の順位に借金は移る

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

相続における財産は、多額の現金や土地・マンションなどもらって嬉しいものだけではありません。クレジットカードでの借金・携帯の残債などもらいたくない負債も財産なのです。

そこで、相続人になった立場を普通に考えると「お金や不動産は欲しいけど、借金はいらない!」「お金だけ欲しい。借金はいらない!」というように、相続に対しての意思が生まれるはずなのです。「私はお父さんが好きだったから、お父さんの借金も喜んで払います。幸せです。」こんな子供はなかなかいないはずなのです。

 自分が相続人になり借金の相続をしたくないのなら、相続について「お金も借金も全部いらないよ」と意思表明(=相続放棄)をする必要があります。全部でなく一部を「いらないよ」という場合は、限定承認と言います。

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法 上の図を見て下さい。図のように、相続人には第一位~第三位までの順位があり、これらを「法定相続人」と呼びます。法定相続人の第一位が相続放棄した場合は第二位の人が相続する、というように相続の権利は移行します。 

という事は、例えば法定相続人第一位の長男が「お父さんの借金いらないから相続放棄」と相続放棄をしたとします。次男は現在バンドをするため一人暮らしをしており、お父さんやお兄ちゃんとも「どうせ売れないよ」と言われて仲が悪かったとします。

 あまり家族と連絡をとっていなかったため、お父さんが亡くなったことだけ他の親戚から知らされ、長男が相続放棄したことは知りませんでした。この場合、次男は自分でお父さんの亡くなった日から3か月以内に相続放棄や限定承認をしないと、「お金も借金も全部いります」という意思表明(=単純承認)をしたことになってしまうのです。

 こうならないためにも、家族の中が悪い場合や何か理由があって直接自分以外の相続人に連絡をとることができない場合、家庭裁判所で他の相続人の相続放棄や限定承認をした者がいないか調べてもらうことができるのです。

2.相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法とは

①手続きの流れ

照会は、相続に関係ない方はできません。相続人、または被相続人に対する利害関係人(債権者等)に限られます。この照会ができる期間は相続の意思表明をすべき期間と同じく、相続を知った日(例、お父さんが亡くなった日)から3か月以内です。

 相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

 イメージとしては、上の図のように相続人または利害関係者から家庭裁判所へ必要書類を提出すると、裁判所から返答が手紙によって送られてきます。相続放棄などをした者が相続人の中でいた場合は、その事件番号・受理年月日、いない場合は「誰も相続放棄と限定承認していないよ」という内容が書かれています。

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

 ちなみに、事件番号とは家庭裁判所特有の呼び方です。家庭裁判所を通すと殺人事件のような本格的な事件でなくても、分かりやすいように一つの事柄ごとに事件番号を振ります。例えば、家庭裁判所で離婚について調停してもらう、というようなライトな事柄でも、「事件」として扱われます。

相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会をされる方へ

②手数料は無料

有無承認自体の手数料無料です。しかし、次で説明しますがこの手続きには複数の申立書類の提出が必要です。照会者の戸籍謄本、被相続人の住民票などを取り寄せるために、各手数料がかかります。

③必要な書類

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

 

照会に必要な申立書類(照会することの手続きを申立=もうしたて、と言います)は、以下の通りです。

たくさんありますね。1つ目の書類ですが、ずいぶん長いタイトルです。これと相続人目録については、リンク先の家庭裁判所のホームページからからダウンロードできます。

※がついている書類ですが、これは被相続、例えば亡くなったお父さんが戸籍上亡くなったと戸籍から除籍されているかどうか確認できるものでなくてはいけません。

相続放棄・限定承認の申述有無の照会方法について

④前順位の相続人が相続放棄すると、調査期間は延長される

さて前述した例のように、お父さんが亡くなり長男が相続放棄した場合の調査期間についてお話します。

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

上の図をみてください。相続放棄・限定承認の照会できる期間は、原則相続を知った日から3か月以内です。しかし、法定相続人の前順位の相続人が相続放棄または限定承認をした場合は、前順位の方が相続放棄などをした日から3か月、というように延長されます。

⑤管轄場所

 

家庭裁判所は全国に複数あります。相続放棄などの照会有無をするべき家庭裁判所は、被相続人(亡くなったお父さん、など)の最後の住所地にある家庭裁判所です。

お父さんが、千葉で生まれ福岡に転勤になり、最後は大阪で暮らしていた。こんな場合は大阪の家庭裁判所に書類を提出します。

⑥書類の作成や手続きが難しい場合

相続人のうち相続放棄・限定承認した者の有無を自分で調べる方法

今までお話した通り、被相続人に借金がありそうな場合、または確実に借金がある場合は前順位の相続人が相続放棄をしたかどうかを調べることは非常に重要です。

3か月猶予はありますが、会社に勤めながら、子育てをしながら相続人目録などの見慣れない書類を作成するのは困難な場合もあるでしょう。

この場合は、司法書士や弁護士などの専門家に書類作成や相談をする迅速に手続きを進めることができるでしょう。専門家に依頼するとお金が高そう、という方は、まずオンラインの無料相談を依頼してみてはいかがでしょうか?

まとめ

家族同士が不仲などの理由で、相続人同士で連絡が取れないケースが増えています。相続放棄・限定承認の照会ができると覚えておくと、相続の時に役にたちます。