預貯金、不動産、年金…相続後に必要な手続きまとめ

預貯金、不動産、年金…相続後に必要な手続きまとめ

相続が開始すると、預貯金や不動産の名義変更や、役所への手続き、保険の手続きなど、しなければならない手続きが、想像以上に多いものです。

ここでは、相続が開始したあとに必要となる主な手続きについて紹介します。


預貯金、不動産、年金…相続後に必要な手続きまとめ

1. 相続が開始したらやるべきこと

相続が開始したら、まず死亡届を提出して葬儀について検討することになります。

死亡届は、死亡した日から7日以内に、死亡届と一緒に市町村役場の窓口に提出します。

死亡診断書は病院側で発行してくれます。なおこの死亡診断書は、葬儀の見積もりをとる時にも必要になります。

(1) 遺言書の確認

相続が開始すると、遺産分割協議がまとまらない限り亡くなった親の口座からは1円もお金を下ろせなくなります。しかしこの場合遺言書があると親の死後にスムーズに遺族が親の口座から預金を下ろせるようになりますし、その他のクレジットカードの解約・名義変更、不動産の相続登記についても容易に行うことができます。

そこで相続が開始した場合には、遺言書があるか否かについて早めに確認する必要があります。

(2) 遺産分割協議

遺言書がなく相続財産がある場合には、相続人が集まり財産をどのように分けるのかについて、遺産分割協議を開く必要があります。

遺産分割協議がまとまらない限り銀行口座も凍結されたままになってしまいますので、預貯金など早期に使用する必要がある財産については分割し、問題になりそうな不動産などの財産については、時間をかけて協議を行うという方法も可能です。

なお当事者間で遺産分割協議がまとまらない時には、調停・裁判等の手続きを利用するケースもあります。

(3) 相続税の申告

相続税を支払う必要がある場合には、相続税の申告をします。

申告書は相続日から10か月以内に、被相続人の住所地の税務署へ郵送もしくは持参して申告します。

なお納税の必要がないとしても、配偶者の税額軽減や小規模宅地の評価減などの特例を受けたい場合にも申告する必要がありますので、注意が必要です。

2. 相続後に必要な各種手続き

相続が開始すると、預貯金や不動産の名義変更、生命保険の保険金請求のほか、年金の請求手続きなど、行わなければならない手続きが数多くあります。

ここでは代表的な手続きについてご紹介しますので、ご自身のケースに当てはまるか、必要な手続きか否かをチェックしてみてください。

(1) 預貯金の名義変更

相続開始後は預貯金の口座は凍結されますので、まずは預貯金口座の名義変更が必要となります。

決められた書類を提出して名義変更を行わないと、1円も引き出すことはできません。

(※ただし葬儀費用や税理士費用については、例外的に出金が認められます。)

預貯金の名義変更には、戸籍謄本や遺産分割協議書、全相続人の印鑑証明書(3か月以内に発行されたもの)などが必要になります。詳しくは、金融機関に問い合わせてみましょう。

(2) 不動産の相続登記手続き

不動産の相続登記は、「いついつまでにしなければならない」という法律の規定があるわけではありませんが、放置しておくと新たな相続が発生した時に手続きが複雑になったり、売却するために他の相続人ひとりひとりを説得しなければならなくなるなど、トラブルになるケースも多々あります。

登記は、これらのトラブルを回避し、所有者の権利を主張するための重要な手続です。後々のトラブルを回避するためにも、是非早目に手続きをされることをおすすめします。

(3) 生命保険の保険金請求

亡くなられた方が生命保険に加入していた場合には、保険金の請求手続きをしなければなりません。

受取人が請求をしなければ、保険会社の方から「生命保険金を支払います」と言ってきてくれるわけではないので注意しましょう。

なお生命保険金については、預金口座のように遺産分割協議が確定するまで凍結されるということはありません。

(4) 年金受給権者死亡届の提出

亡くなられた方が年金を受給していた場合には、死亡した日から10日以内(国民年金は14日以内)に、市区町村または社会保険事務所に行って「年金受給権者死亡届」を提出します。

なお、この時もし亡くなられた方が受け取っていない年金がある場合には「未支給年金請求書」を提出すると、未支給年金を受け取れる場合があります。

(5) 遺族基礎年金の請求手続き

国民年金に加入していた場合には「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた場合には「遺族厚生年金」の請求手続きをします。

請求期限は5年で、5年を過ぎると時効によって請求権が消滅してしまいますので、注意しましょう。

(6) 遺族厚生年金の請求手続き

厚生年金の被保険者が亡くなった場合や、被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に亡くなった場合など、一定の要件を満たす場合には、磯久厚生年金」が支給されます。

(7) 寡婦年金の請求手続き

国民年金の第一号被保険者として保険料納付済の期間が25年以上ある人が老齢基礎年金や障害年金を受けずに亡くなった場合で、子どもがいない時には「寡婦年金」を受けることができます。

(8) 死亡一時金の請求手続き

国民年金の第一号被保険者として、保険料を3年以上納めた人が、まったく年金を受け取らずに亡くなった場合には、生計を同じくしていた遺族は死亡一時金を受け取ることができます。