相続財産の評価~土地と家屋はいくらで評価される?

相続財産の評価~土地と家屋はいくらで評価される?

相続税は、現金や預金、土地や家屋、家電製品や著作権といった、金銭に換算できるすべての財産を課税対象としています。

現金や預金であれは、そのままの金額が金銭価値になるので、分かりやすいのですが、土地や家屋などは、相続税法上の一定の取り決めのもとで相続税の評価額を定めています。

ここでは、土地と家屋の評価の方法についてご紹介します。


相続財産の評価~土地と家屋はいくらで評価される?

1. 相続税の評価額とは

相続財産の評価は、独自の決め方にもとづいて行われます。

相続税法では、財産の評価は「相続開始時(亡くなった時)の時価」によるとされています。時価については「被相続人が亡くなった日に、それぞれの財産の現状に応じて、不特定多数の人々によって、自由な取引が行われた場合に、通常成立すると認められる化学」と規定されています。

そして、この「時価」を計測する尺度が「相続税の評価額」です。

たとえば、定価50万円で買ったテレビがあっても、そのまま50万円の資産と評価されるわけではなく、「今そのテレビを中古で売った場合には、いくらで評価されるか」を基本とすることになります。

2. 土地の評価

財産が現金や預貯金だけなら、そのままの金額が金銭価値となりますが、土地や家屋などの場合には、いかにして金銭に換算するかが問題になります。

そこで、土地や家屋など、客観的に価値を確定するのが難しい財産については、相続税法上の一定の取り決めのもとで相続税評価額について定めています。

(1) 土地は地目・利用状況ごとに評価

相続財産のなかでも、一番評価額が高いのは、たいていの場合で土地ですが、ひとくちに土地といっても、用途別にさまざまな種類があります。

相続税法では、土地を【1】宅地、【2】田、【3】畑、【4】山林、【5】原野、【6】牧場、【7】池沼、【8】鉱泉地、【9】雑種地と9種類の地目別に区分しています。

相続する土地がどの地目なのか、については、課税時期の現況によって判定されます。

そして、この地目とともに重要なのが、土地がどこにあるかの場所です。同じ地目でも、場所によって評価する方法が異なるからです。

(2) 宅地の評価方法は2種類ある

土地のなかでも、遺産全体の大部分を占めるのは宅地ですが、宅地の場合には、市街地だと「路線価方式」、郊外だと「倍率方式」という方法で土地を評価します。

路線価方式で評価するか倍率方式で評価するかは、その所在地ごとに各国税局が定めています。

① 路線価方式とは

路線価とは、道路に面している標準的な土地1㎡あたりの価格のことです。路線価が定められている地域に所在する宅地は、路線価方式で評価することになっています。

この路線価は毎年改定され、その年の7月に路線価図という地図が公表されます。

路線価方式は、宅地の形によって変わります。たとえば同じ200㎡の宅地でも、いろいろな地形があり、同じ道路沿いにあっても地形のいい宅地が一番値段が高くなりますので、その宅地が接している道路や形などを考慮して、路線価を修正しながら、より実情に近い評価を行うことになっています。

また、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」を使用すれば、相続税がかからずに済むケースもあります。この制度は、同居していた妻や子どもが相続した場合に330㎡まで評価が80%減額になります。

これ以外にも、コンビニやレストランなどの事業を営んでいる場合には、400㎡まで80%減額が認められる「小規模事業宅地の特例」もあります。

これらの特例を利用するためには、いくつかの要件が必要になりますので、早めに相続税に詳しい税理士に相談しておくとよいでしょう。

② 倍率方式とは

倍率方式とは、郊外や農村部、別荘地など、路線価が定められていない土地の場合に使用される方式で、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて算出されます。

固定資産税評価額は、市町村で交付される固定資産税評価証明書で確認します。

この倍率については、税務署に備え付けられている評価倍率表で確認することができます。

3. 家屋の評価

相続税の課税対象は、土地だけではありません。家屋についても、税務署から評価をされて相続税がかかることになります。

家屋の評価は、固定資産税の評価額そのものが、相続税の評価額になります。

(1) 家屋の評価額の計算

家屋の評価額は、以下の計算式で算出します。

家屋の評価額=固定資産税評価額×1.0

つまり、固定資産税評価額について正確に把握することが大変重要です。

固定資産税評価額については、毎年4月頃、市役所などから送られてくる書類で確認できますが、役場に問い合わせて固定資産税評価証明書を取り寄せて確認する方法もあります。

家屋の評価については「実際にいま、同じ建物を建築するとしたら、いくらかかるか」という考え方に基づいて価値が判断されますので、インフレ時には評価額が上がることがありますし、デフレ時には、下がる可能性もあります。

(2) 貸家は評価が低くなる

賃貸用のアパートやマンション、貸家が建っている土地の事を「貸家建付土地」といいます。このような貸家建付土地の場合には、その固定資産税評価額から、借地権割合と借家権割合を常時や価額を差し引いて評価してもらうことができます。

【貸家建付土地の評価額の算式】

貸家建付土地の評価額=その土地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合)

なお、子供や親せきなどに無償で家を貸している場合などは、貸家建付土地とはなりませんし、自分の所有する土地に、妻や子ども名義でアパートを建築しても、その敷地は貸家建付土地とはなりませんので、注意が必要です。