相続財産の評価~現金、預金はいくらで評価されるか

相続財産の評価~現金、預金はいくらで評価されるか

 

相続財産には、土地や家屋などの不動産、株券、預貯金など、金銭に換算することができるプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も含まれます。

現金や預貯金などは、ほとんどのケースで、その金額がそのまま金銭価値になりますが、定期預金の場合には利子の問題がありますので、注意が必要です。

また、外貨預金は「外国の預金だから、課税対象外だろう」と考える人もいますが、相続人が国内で生活していれば、当然に課税対象となることになります。

ここでは、現金、預金の評価方法についてご紹介します。


相続財産の評価~現金、預金はいくらで評価されるか

1.現金は額面通りの評価

現金は、額面どおりの金額がそのまま評価されます。

現金は、タンス預金していた場合はもちろん、亡くなった方の財布に入っていたお金や、生活費として銀行から引き出しておいたお金などすべてが課税対象となります。

1円単位までチェックされることはあまりありませんが、1万円単位までは明確にしておくとよいでしょう。

2. 定期預金は利子も計算に入れる

預金は大きく分けて、普通預金、定期預金、当座預金があります。

これらの預金はすべて、亡くなられた時(相続開始時)の額で評価されます。

相続税の申告書には残高証明書を添付する必要ので、相続が開始したら、銀行などで相続開始日現在の残高証明書を発行してもらうようにしましょう。

なお、定期預金には利子についても考慮する必要があります。

現在は低金利なので、税務署から利子について大きく問題視されることはありませんが、利率のよい定期預金である場合には、亡くなった当日までの利子が日割で計算されます。

この利子のことを「経過利子」といいます。

評価額=定期預金+経過利子の額-源泉所得税相当額(20%)

3. 外貨預金も課税対象

「外貨預金は、外国の預金で、国内ではないのだから相続税の申告は必要ないだろう」と考える人もいますが、相続人が国内にいる場合には、課税対象となりますので、注意が必要です。

外貨預金も定期預金と同様、亡くなった当日までの利子が日割で計算されますが、外貨預金には為替変動が影響しますので、定期預金と全く同じように計算される訳ではなく、被相続人(亡くなった方)が亡くなった日のレートを適用して計算されることになります。

なお、この計算をする時には、円貨に換算して評価する必要があり、課税時期現在における納税者の取引金融機関が公表する対顧客直物電信買相場(TTB)か、またはこれに準ずる相場により評価されることになります。

この場合には、「対顧客直物電信買相場」から「金融機関が現金を保有するコスト等」を差し引いた外国通貨買相場により評価されます。

4. 名義預金は注意が必要

名義預金とは、他人の名義で積み立てられている預金のことをいいます。

通帳の名義が妻や子どもなど、被相続人本人ではない場合でも「実質的に被相続人のもの」と税務署に判断されて、そのことについて指摘された場合には、贈与とみなされて課税対象となるので、注意が必要です。

税務署からは「誰が通帳や印鑑を管理していたか」「預金される資金は、どこからされたものか」などを厳しく調査されます。

妻や子どもの名義預金とみなされた場合には、税務署からかなり厳しく調査される可能性が高くなりますので、早めに税理士に相談して名義預金とみなされないように対策をとっておくことが大切です。

贈与税は、年間110万円超の贈与を受けると課税されます。

つまり、贈与税の基礎控除額が110万円ということで、贈与を受けた金額が110万円以下の場合には、その年の贈与税はかからないことになります。

もし110万円を超えた時は、課税価格から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた額に贈与税の税率をかけた贈与税額を支払う必要があります。

「贈与をしたものであって、名義預金ではない」と言えるためには、贈与をする場合には、贈与の事実が客観的にも証拠として分かるように「贈与契約書を作成しておくと良いでしょう。

このほか、親が子どもの生活費や教育費を援助するためのお金は、課税対象としないとされています。ただし、この場合も社会常識の範囲で判断されることになりますので、あまりに高額な場合には、「多額の財産を移している可能性がある」とみられてしまうことがあります。

以上、名義預金がある場合には、税務署から厳しく調査される可能性がありますので、早めに税理士に相談して必要な対策をとっておくことをおすすめします。

5. 贈与税のかからない現金、預金もある

贈与税がかからない財産は、前述した110万円以内の贈与や、生活費、教育費以外にもあります。たとえば。法人から受けた贈与財産や、香典、祝い金、見舞金、離婚に際して受けた財産の分与などです。

ただし贈与税は課税されませんが、まったく税金を支払わないでよいというわけではありません。

たとえば法人から個人に贈与された財産は、贈与税の対象ではありませんが、所得税の対象とはなります。

もし法人から贈与を受けた人が、その会社の役員や従業員である場合には、所得税が課税されることになります。