遺産分割の注意点~共有相続はトラブルのもと

遺産分割の注意点~共有相続はトラブルのもと

 

株式や預貯金と違って、不動産は金銭などに代えない限り、相続人が納得できるような分割方法が困難です。

特に「相続財産に不動産が多数ある」「相続財産は自宅のみ」というケースでは、特にトラブルに発展するケースが多いため、注意が必要です。

上記のようなケースでトラブルを回避するためには、早めに相続対策することが大切ですし、すでに相続が開始していてトラブルに発展している場合でも、相続に豊富な知識をもっている税理士が介入すると、スムーズな相続につながるアドバイスをもらえることがあります。

1.共有相続はなぜトラブルになりやすい

相続財産の中に不動産があってその不動産を遺産分割をする際に、兄弟で共有にして相続する場合がありますが、共有相続は後々トラブルに発展するケースが多いので注意が必要です。

不動産を相続人の共有名義にしてしまうと、相続人全員の意見がまとまらなければ、その不動産を売却することが出来ませんし、アパートなどを建てて有効活用をすることも出来なくなってしまうからです。

また、相続人が亡くなりその子どもが相続した場合など新たな相続が発生した場合には、いとこ同士で土地を相続することにもなりかねず、当事者間で話し合うことすら難しい…というケースもあります。

このようなことにならないためにも、「不動産を売却してその売却代金を相続人間で分ける」というケース以外は、共有相続することは避けた方がよいでしょう。

 共有するなら「共有物分割」

共有相続をする場合には、共有名義ではなく不動産を分筆してそれぞれが相続する方法をとるのがおすすめです。

たとえば120坪の土地があり相続人が3人いる場合には、3人の相続名義にするのではなく、相続人が40坪ずつ単独所有するために120坪の土地を分筆して、それぞれの単独名義にするようにするのです。

もし分筆しようがない不動産であれば、不動産を相続する相続人が、他の相続人に対して代償金を支払って合意する代襲相続という方法をうまく利用するようにしましょう。

「とりあえず共有名義」としてしまうと、自分たちの子どもの代までそのツケがまわることになってしまうので、早めに相続問題に詳しい税理士に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。


遺産分割の注意点~共有相続はトラブルのもと

2. 相続対策する際の注意点

相続トラブルを避けるために相続対策を行うことはもちろん大切ですが、「同居している長男が他の相続人に相談せず、相続対策をしていた」という場合には、他の相続人に不信感を与えることになり、かえって相続トラブルが起こってしまうことがありますので、相続対策を行う際には、すべての相続人にきちんと対策する理由や方法をしっかり知らせてから行うようにしましょう。

(1)遺言書を作成する

遺言書は相続トラブルを防止するためのポイントです。

とくに同族会社を経営していて、長男が跡継ぎとなっている場合などは、その跡継ぎが多くの財産を相続することになります。

他の相続人にその旨を伝え、遺言書を作成しておかないと、大きなトラブルに発展してしまいます。

ただし遺言書を作成したからといって万全というわけでもありません。

配偶者と相続人には「遺留分」といって相続財産の一定割合を取得できる権利が認められているので、その権利を主張され遺留分減殺の請求をされると、遺言書通りに相続が行われない可能性もあるからです。

「せっかく遺言書を作成したのに、その遺言書が存在することでかえって相続トラブルに発展してしまった」という事態を避けるためにも、遺言書を作成する場合には、早めに相続問題に詳しい税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

(2) 二次相続まで考える

相続対策を行う時には、二次相続まで考えた対策を検討するようにしましょう。

つまり一次相続(父親の相続)の対策だけではなく、次の相続である二次相続(母親の相続)も視野に入れ、両方の相続の相続税額を合計して考えるのです。

たとえば、相続人が母親と長男、次男の子供2人である場合には、長男が相続する不動産については長男と母親の共有名義にして、次男が相続する不動産については、次男と母親の共有名義にしておきます。そうすれば二次相続(母親の相続)の際には、それぞれの相続人は自分の母親と共有になっていた文を相続することになり、トラブルを回避することが出来るわけです。

(3) 相続に詳しい税理士に早めに相談

相続税の節税は、しっかりとした事前準備を行い、中長期計画で適切に行うことこそが最大の節税効果を生むといっても過言ではありません。大切な財産を次世代へ確実に引き継ぐためにも、早めに税理士のアドバイスを受けるようにしましょう。

続税と贈与税の改正に伴って、今までは税金を払う必要がなかった方でも、課税される可能性が大きく高まりましたので、「自分が課税対象なのかどうか」を確認するためにも、税理士に相談するメリットは大きいと言えるでしょう。