相続財産の手続き・費用目安一覧&相続税の納め方

相続財産の手続き・費用目安一覧&相続税の納め方

 

 

一口に相続といっても、個々の事情によって必要となる手続きは異なってきます。家族構成やこれまでの経緯、事情はもちろん、その家族や関係者の感情、ご事情など考慮すべき点が多々あります。

そして相続手続きを進める際にも、これらのご事情に沿って、なおかつ法的ポイントを押さえながら進めることが重要となってきます。

また、相続税申告は相続開始後10か月以内に行わなくてはなりませんが、この限られた期間内に行うべき手続きは数多くあります。

ここでは、相続開始後に必要となる法的手続きや、相続税の納め方についてまとめました。個々のケースによって必要となる手続きは異なりますので、一覧に沿って必要な手続きについて確認をしてください。


相続財産の手続き・費用目安一覧&相続税の納め方

1.相続手続き

相続が開始すると、不動産の所有権移転登記や自動車の名義の移転登録など、さまざまな手続きが必要となります。

ここでは、相続開始後に必要となる主な手続きについてまとめました。

(1) 不動産(土地・家屋)

相続による所有権移転登記手続きを行う必要があります。

登記手続きを行わずに放置していると、後々大きなトラブルに発展するケースがありますので、早めに手続きを行うことをおすすめします。

■必要書類

・所有権移転登記申請書

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

・住民票抄本

・固定資産課税台帳謄本

(2)農林・山林

相続による所有権移転登記手続きを行う必要があります。

 

■必要書類

・所有権移転登記申請書

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

・住民票抄本

・固定資産課税台帳謄本

(3) 自動車

名義の移転登録を行います。

 

■必要書類

・移転登記申請書

・自動車検査証

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

・自動車損害賠償責任保険証明書

(4) 電話加入権

加入権承認手続きを行います。

■必要書類

・電話加入承継申込書

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

(4) 預金・貯金

口座の名義変更を行います。

■必要書類

・銀行にある依頼書

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

・預金通帳

・相続人全員の印鑑証明

(5) 貸金債権

相続通知などを行います。

■必要書類

・金銭消費貸借契約書の訂正または債務確認証

(6) 売掛金債権

相続通知などを行います。

■必要書類

・戸籍謄本(相続人)

・訴訟受継申立書

(7) 生命保険

生命保険金交付申請を行います。

 

■必要書類

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

・生命保険所

・生命保険金請求書・領収書

・死亡診断書

・印鑑証明書(相続人)

(8) 特許権・商標権など

相続による移転登録申請を行います。

■必要書類

・移転登録申請書

・戸籍謄本(相続人)

・除籍謄本(被相続人)

(9) 退職金

死亡退職金支払い請求を行います。

■必要書類

・戸籍謄本(相続人)

・訴訟受継の申立書

 

 

### 動産(家具・骨董・貴金属)

占有の確保を行います。

 

■必要書類

なし

(10) 裁判上の損害賠償請求権

裁判受領の申立を行います。

■必要書類

・戸籍謄本(相続人)

・訴訟受継の申立書

 

相続財産を処理する時の法的手続き、費用、必要書類    
           
相続財産の種類 必要な手続き 手続きを行う先 費用目安 必要書類 備考
不動産(土地・家屋) 相続による所有権移転登記手続きを行う 地方法務局 不動産評価額の1000分の4 ・所有権移転登記申請書
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
・住民票抄本
・固定資産課税台帳謄本
相続人のうち1人名義に変更する時は、他の相続人の相続放棄申述受理証明書または印鑑証明書を添付した遺産分割協議書が必要となります。
農地・山林 相続による所有権移転登記手続きを行う 地方法務局 不動産評価額の1000分の4 ・所有権移転登記申請書
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
・住民票抄本
・固定資産課税台帳謄本
耕作地の所有権制限を超過するときは、超過分を耕作者もしくは国に対して譲渡する必要があります。
自動車 名義の移転登録 陸運事務局 500円程度 ・移転登記申請書
・自動車検査証
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
・自動車損害賠償責任保険証明書
運送業の場合には、相続人が新たに大臣の許可を受ける必要がある
電話加入権 加入権承認手続き NTT 無料 ・電話加入承継申込書
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
 
預金・貯金 口座の名義変更 預貯金をしている銀行 無料 ・銀行にある依頼書
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
・預金通帳
・相続人全員の印鑑証明
 
貸金債権 相続通知など 債権者 無料 ・金銭消費貸借契約書の訂正または債務確認証  
売掛金債権 相続通知など 債務者 無料 ・戸籍謄本(相続人)
・訴訟受継申立書
 
生命保険 生命保険金交付申請 生命保険会社 無料 ・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
・生命保険所
・生命保険金請求書・領収書
・死亡診断書
・印鑑証明書(相続人)
 
特許権・商標権など 相続による移転登録申請 特許庁登録課 1件につき3000円程度 ・移転登録申請書
・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
 
退職金 死亡退職金支払い請求 被相続人が勤めていた会社 無料 ・戸籍謄本(相続人)
・除籍謄本(被相続人)
 
動産(家具・骨董・貴金属) 占有の確保 なし 無料 なし  
裁判上の損害賠償請求権 裁判受領の申立 裁判所 無料 ・戸籍謄本(相続人)
・訴訟受継の申立書
 

2.相続税の納め方

平成27年に相続税の改正によって、相続税基礎控除額が4割減となり、課税対象が大幅に増加されることが予想されています。

たとえば、相続人が3人の場合、改正前の相続税基礎控除額は、8000万円(5000万円+1000万円×3人)でしたが、現在は4800万円(3000万円+600万円×3人)です。

自宅不動産や金融資産等の相続財産の合計額が7000万円の人の場合、改正前は相続税の申告は不要(相続税もゼロ)でしたが、今後は相続税の申告が必要となりますし、相続税の支払い義務が発生するケースもありますので、注意が必要です。

(1) 普通に申告する時

相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告する必要があります。

(2)期限内に申告できない時

期限内に申告をしなかった者または期限内に申告義務はなく期限後に相続人の異動などにより納税義務が生じたものは、法定通知のある日まで提出できます。

(3)多すぎる申告をした時

原則として申告期限1年以内に提出する必要があります。

(4) 相続税を納める時

期限内申告または申告期限に、期限後申告と修正申告は申告の日に納付します。

相続税の納め方    
       
  期限 備考 相続税を払えない時
普通に申告する時 相続開始を知った日の翌日から10カ月以内 平成27年に相続税が改正され、相続税基礎控除額が4割減となりました。
例:相続人が3人の場合
改正前の相続税基礎控除額は、8000万円(5000万円+1000万円×3人)でしたが、改正後は、4800万円(3000万円+600万円×3人)です。
申告期限までに延納または物納の手続きをする
期限内に申告できない時 期限内に申告をしなかった者または期限内に申告義務はなく期限後に相続人の異動などにより納税義務が生じたものは、法定通知のある日まで提出できる   無申告加算税
少なく申告した時 期限内申告または期限後申告の課税価格または相続税額に不定額ある時に提出する 修正申告によって、増加した相続税額または贈与税額の5%の過少申告加算税を課される 申告期限の翌日から納付の日まで日歩四銭の延滞税が課される
多すぎる申告をした時 原則として申告期限1年以内に提出する 期限内申告または修正申告で、価格や相続税額・贈与税額が課題であったときに減額の申請をする。
・遺言などの発見で、相続税額が過大となった場合には、その事由を知った日の翌日から4か月以内に更生請求できる
延納・物納の場合は、別に申請書を提出する
相続税を納める時 期限内申告または申告期限に、期限後申告と修正申告は申告の日に納付する 各相続人は、相続によって受けた利益の価格に相当する金額を限度として互いに連帯納付の義務がある 延納・物納の場合は、別に申請書を提出する


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