死後離婚って何?配偶者が亡くなって婚姻関係を終了させる「婚姻関係終了届」遺産や遺族年金に影響はある?

死後離婚って何?配偶者が亡くなって婚姻関係を終了させる「婚姻関係終了届」遺産や遺族年金に影響はある?

最近「死後離婚」という言葉をよく耳にします。この「死後離婚」はマスコミが作った造語ですが、配偶者の死亡後に婚姻関係終了届の提出を行うことで、婚姻関係を終了させることから「死後離婚」という表現が作られたようです。この死後離婚の数はここ数年でかなり増加傾向にあるとのことです。なんだか少し複雑な気持ちですが、死後離婚による遺産や遺族年金の給付についてご紹介したいと思います。


死後離婚って何?配偶者が亡くなって婚姻関係を終了させる「婚姻関係終了届」遺産や遺族年金に影響はある?

1.死後離婚とは

最初に少しご説明しましたが、死後離婚とは配偶者が亡くなった後に婚姻関係終了届を提出することで、婚姻によって結ばれた、配偶者の親族との縁を切ることを言います。

結婚すると、家系図上は配偶者の血族は姻族という形で親族になりますね。配偶者が亡くなったとしても、とくに手続を行わなければ、離婚とは異なるため姻族との関係は継続します。

死後離婚を選択する理由は

死後離婚を選択する主な理由

などが多いようです。色々な事情がありますし、ご自身の人生は1回ですから婚姻関係を解消させて自由になりたいという思いもわかるような気がします。

ちなみに、婚姻関係終了届を提出するケースの多くは旦那さんを亡くした奥様のようです。

2.婚姻関係終了届を提出したら遺産は相続できる?

死後離婚って何?配偶者が亡くなって婚姻関係を終了させる「婚姻関係終了届」遺産や遺族年金に影響はある?

生前に離婚した場合には、離婚した配偶者は相続人では無くなり、被相続人の財産を取得することは出来ません。しかし、婚姻関係終了届による死後離婚の場合、婚姻関係が終了したという旨は戸籍上に記載されますが除籍される理由ではありません。被相続人の死亡後に婚姻関係を終了したという届けを提出したということですので、遺産や遺族年金の受給に関しての変更等はありません。

つまり、遺産の相続も、遺族年金の受給も行えるということになります。

配偶者の死亡届を提出している段階で、婚姻関係は解消されているという扱いになっているので、婚姻関係終了届を提出していても、していなくても、相続や遺族年金には影響しないということになります。婚姻関係を終了しても相続の権利は変わらないという理由も死後離婚が増加傾向にある理由のひとつと言えます。

3.婚姻関係終了届を提出したら子どもはどうなるの?

婚姻関係終了届を提出した方の配偶者(被相続人)の親族との姻族関係は終了となりますが、配偶者(被相続人)の子が配偶者(被相続人)の血族であることに変わりはありません。

まず、婚姻による系図を確認してみましょう。

婚姻による系図

上記のように、自分の子、父母、祖父母、兄弟姉妹は血族です。そして、婚姻によって夫婦となった配偶者の血族が、自分の姻族という形になります。配偶者が亡くなった後に「婚姻関係終了届」の提出を行うと、以下のような系図に変わります。

死後離婚後の系図

婚姻関係を終了したことにより、姻族という関係がなくなりました。しかし、子は夫、妻、どちらにとっても血族であることは変わりません。上記の図のように、夫(被相続人)の父母が存命の場合、

夫(被相続人)の死亡後に父母の相続が発生した場合には、子は夫(被相続人)の代襲相続人として父母の遺産を相続することが出来ます。

まとめ

配偶者が亡くなり、死亡届を提出すると婚姻関係は解消されたことになりますが、姻族との関係は変わらないため、姻族の扶養義務が発生する可能性があります。姻族の扶養義務を負いたくないという場合には、婚姻関係解消届を提出することで姻族との関係も解消されるということになります。婚姻関係解消届は配偶者の死後であればいつでも提出することが出来ます。また、特別な期間の定め等も無く、配偶者の親族の許可を得る必要もありません。ただし、配偶者が祭祀財産を承継している場合には、祭祀財産をどうするかなどを配偶者の親族としっかりと話し合う必要があります。

配偶者の死後、婚姻関係を終了させるための手続は簡単ですが、人の心情とは簡単にいかないものです。婚姻関係終了届けを提出するかどうかしっかりと考えてから行ってくださいね。