兄弟でも相続財産を取得することができるのか?

兄弟でも相続財産を取得することができるのか?

 兄弟も相続人になる可能性があることをご存知でしょうか?例えば、あなたのお兄さんが亡くなってしまったとします。
その際に、要件を満たしていればあなたも相続財産を受取ることができる権利が発生する可能性があります。
では、どんな場合に権利が得られ、どのくらい取得できるのでしょうか?
また、兄弟の相続でのトラブルも意外とあることをご存知でしょうか?
今回は、兄弟の相続について簡単にご説明しておりますので気になった方はぜひご覧ください。


兄弟でも相続財産を取得することができるのか?

1.兄弟の相続とは?

兄弟
兄弟が相続する場合とはどのような状況なのでしょうか?
まず、相続人の決定方法を理解する必要があるため、『相続人の決定方法』をご説明します。

(1)被相続人(亡くなった方)の配偶者は常に相続人

 被相続人(亡くなった方)の配偶者は常に相続人となります。
例えば、夫が亡くなった場合には妻が必ず相続人となります。
妻が亡くなった場合には夫が必ず相続人となります。

(2)配偶者以外は優先順位で決まる

配偶者以外の相続人は以下の順位によって決まります。

第1順位


亡くなった方の子供
その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。
子供も孫もいるときは、子供が相続します。
子供がおらず、孫がいる場合には、孫が相続します(これを代襲相続と呼びます)
※「代襲相続」については「5.兄弟の子は代襲相続できるのか?」で説明しております。

第2順位


死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
第1順位の人がいないときは第2順位の方が相続人となります。
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。

第3順位 


死亡した人の兄弟姉妹
第1順位の人も第2順位の人もいないとき第3順位の方が相続人となります
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
 

つまり、原則として、兄弟が相続人となる場合は、

①相続人が、兄弟しかいない場合

②相続人が、配偶者と兄弟のみの場合

となります。

※ 相続人についてさらに詳しく知りたい方は「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」をご覧ください。

2.兄弟が相続人となった場合、どれくらい相続分(財産をもらう権利)があるか?

兄弟間の相続

(1)相続人が兄弟のみの場合

兄弟がすべて取得します。
兄弟が複数いる場合には、全ての相続財産を相続人の数で割って求めます。
例えば、相続財産が1億円、兄弟が2人であれば、
兄弟1人当たり 1億円×1/2=5,000万円 もらう権利があります。

(2)配偶者と兄弟が相続人となった場合

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1
例えば、相続財産が1億円、兄弟が2人であれば、
兄弟1人当たり 1億円×1/4×1/2=1,250万円 もらう権利があります。
 
※ 相続分についてさらに詳しく知りたい方は、「相続分を知らないと本来の取り分が貰えない可能性も!?」をご覧ください。

3.兄弟間で発生する相続時のトラブルとは?

(1)トラブルは一般的な家庭の方が多い?

 兄弟の相続は、次の例のような、一般家庭でも起こります。

例えば、被相続人(相続財産を残して亡くなった方)の遺産が時価1億円の土地付き建物のみだったとします。
相続人は、配偶者と被相続人の兄・弟の合計3人です。

相続割合(特定の記事にしか使えない)

 配偶者は被相続人(相続財産を残して亡くなった方)と一緒に暮らしており、遺産の土地付き建物に現在住んでいる状況です。

兄と弟が1億円の土地付き建物を売却して遺産分割を要求した場合には、相続人3人の間で、争いが発生することが予想されます。

この相続では、法律上、兄も弟も相続財産の1/8を分けるように請求できることになっています。(相続分が1/4×1/2=1/8あるからです)しかし、配偶者としては、現在住んでいる土地付き建物を売却して、1/8を欲しいと言われても納得できるものではないでしょう。

この例でお気づきの人がいるかもしれませんが、相続争いが多いのは、いくつも不動産を持っており相続財産がたくさんあるお金持ちではなく、実はむしろマイホームを持った中流家庭クラスの一般的なご家庭の方が多いのが現状なのです。

(2)『法定相続分』と『遺留分』を理解しておけば争いを避けられる可能性も?

『法定相続分』と『遺留分』を正確に理解していない方が多いので、まずは違いをご説明しますと、『法定相続分』とは、民法で定められている相続の割合の目安のことです。
『遺留分』とは、①遺言があり②相続できる割合がとても少なくても、最低限もらえる割合のことです。
つまり、遺言がなければ法定相続分を兄弟が主張できるため、遺産分割協議で争いになることがあります。
兄弟には、遺留分が認められていないため、しっかり遺言を書いておけば、兄弟の中でも相続財産を渡したくない方に財産を取られることはありません。よって遺言により争いを避けられる可能性があります。

4.遺留分は兄弟にはない!?

 遺留分とは、一定の相続人が一定割合を相続できることを保障する制度です。
遺留分は配偶者、子供、父母にのみ認められているため、兄弟には、認められていません
また、遺留分は遺言があることが前提です。
つまり、①遺言があり、②相続できる割合が少なくても、最低限はもらえる割合」が遺留分ですので遺言がなかったり、遺産分割協議となった時点で、遺留分は論点にはなりません。

要するに、兄弟姉妹には、遺留分は存在しないので、遺言に兄弟姉妹には相続財産を渡さないことが書いてあれば、争ったとしても兄弟姉妹が財産を相続することはできません。

※ 配偶者、子供、父母の遺留分については「遺留分を知らないと相続財産を1円ももらえない可能性も?」で詳しく説明しておりますのでご覧ください。

5.兄弟の子は代襲相続できるのか?

 代襲相続とは、子や兄弟が相続するはずだったにもかかわらず、子や兄弟が死亡している場合には、その子や孫が代わって相続人になるという制度です。
例えば、被相続人に兄が1人いて、その兄が相続人となるはずであったのに、兄がすでに死亡している場合には、その兄の子が相続人となるのです。
代襲相続人の相続分は、本来の相続人(兄)が受けるべきであった相続分となります。
※ 代襲相続についてはさらに詳しく知りたい方は「代襲相続って何?代襲相続の基礎知識」をご覧ください。

まとめ

兄弟がどんな時に相続人となるのか?また、兄弟の相続分がどれくらいあるのかをご理解頂けたでしょうか?
兄弟であっても相続財産を受取る可能性がありますので、もし対象になる方は今回の記事を覚えておくとよいでしょう。