不動産を利用した相続対策とは?

不動産を利用した相続対策とは?
平成27年から基礎控除が40%減少し増税となりました。
この増税の影響で、相続税の対象となってしまう方や、今まで以上に相続税を納めなければならない方が出てきております。
そのため、少しでも節税したいと不動産を利用する方が増えております。
今回は、不動産を利用する相続税対策方法をご説明させて頂きます。

不動産を利用した相続対策とは?

1.相続税対策で不動産(貸家)を取得すべき?

家賃 相場
 みなさんに最初にご質問します。

あなたは、現金5,000万円を保有しております。

①現金5,000万円を保有したまま、亡くなってしまい現金5,000万円が相続された場合

②現金5,000万円で不動産(貸家)を取得してから亡くなってしまった場合

上記の2つのケースでは、相続税にどれだけの違いが出るでしょうか?
簡単に説明すると、①よりも②の方が相続税の評価額が30%ダウンします。
 現金そのものを保有している場合には税金計算のもとになる相続税評価額を下げることは出来ません。

しかし、現金で不動産を購入すると、不動産の相続税評価額は、現金で持っているときよりも約3割価値が下がります。 

建物(貸家)の相続税評価額 = 建物の評価額 ×(1-30%)
(例)現金5,000万円で購入した貸家の相続税評価額はいくらになるか?

   ※5,000万円の貸家は100%賃貸物件として使用していることを前提に説明します。 

①現金をそのまま保有していたら相続税評価額は5,000万円

②現金5,000万円で貸家を購入した場合には、

相続税評価額はなんと3,500万円 (=5,000万円×(1-30%))となります。

【広告用】節税スキーム 貸家で相続した場合
これだけでなんと評価額が約3割減に!!
 

もちろん相続税対策にはなりますが、全く収益性がない不動産を購入しても毎年赤字が続き毎年損失が出てしまうような不動産を購入しても意味がありません。
収益性が高い不動産を購入することで、相続税の節税にもなりますし、将来の固定収益も獲得できることから一石二鳥になるでしょう。

この節税スキームを成功させるポイントは2つです。

①不動産を購入する際に、貸す目的で購入していること
 (居住用不動産ですと、この評価額を下げる方法は利用できません)
②収益性が少しでも高い不動産を購入すること

2.相続税対策で不動産を利用するメリットは?

メリット1

 土地の評価額を約2割減少させることが可能!
貸家建付地(賃貸用の建物を建てて、他人に貸している場合の土地)となり、約2割評価額が下がります。
なぜ賃貸マンションを建築するだけで土地の価値が下がるのか?

貸家が建てられている土地の評価額は次の算式で求めます。

貸家が建てられている土地の評価額  = 更地の評価額 ×(1-借地権割合×借家権割合)

※借地権割合は60~70%(地域によって異なります)

借家権割合は、全国一律30%となっています。

よって、上記の算式に当てはめると、借地権割合に借家権割合を掛けた分だけ評価が下がることとなります。

(例)更地(土地)の評価額1億円

   この更地の上に貸家を建設した場合

   ①貸家を建てなければ、土地の評価額は1億円

   ②貸家を建てた場合の土地の評価額は?

《借地権割合60%の場合》

    1億円×(1―60%×30%)=8,200万円

    なんと土地の評価額が18%ダウン

           または

《借地権割合70%の場合》

    1億円×(1―70%×30%)=7,900万円

    なんと土地の評価額が21%ダウン

※借地権割合は地域によって60%か70%となるため、どちらの場合もご説明致しました。

よって、貸家を建てるだけで、『約2割』土地の評価額を下げることが出来るのです。

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メリット2

 小規模宅地等の優遇措置(宅地等の評価額を引き下げる特例)で評価額が50%減となります。
不動産を購入した際の敷地(貸付土地)は、事業用の土地として200㎡で50%減額が受けられる可能性があります。

※注意点として、小規模宅地等の優遇措置は、基本的には遺産の中で最も有利な土地から適用します。
仮に、事業用の土地以外に、他の土地(自宅等)があれば330㎡まで80%減額することが可能です。

従って、他に有利な土地(居住用の土地など)がないときにメリットがあります。
つまり、居住用の土地を保有している場合には、居住用の土地の評価額が80%評価減。
居住用の土地を保有していない場合に貸付土地がある場合には、貸付土地の評価額が50%評価減します。

※ 小規模宅地の特例について詳しく知りたい方は、「最大80%評価減を実現させる「小規模宅地等の特例」とは?」をご覧ください。

(例)一番得するケースの例

【前提条件】更地1億円分(200㎡)を保有。その他に土地を保有していない場合

①更地のまま相続した場合

相続税の計算に使う土地の評価額は1億円

②更地に貸付不動産を建てた場合の
まず、相続税の計算に使う土地の評価額は
1億円×(1-70%×30%)=7,900万円
さらに小規模宅地の特例により50%評価減となります
7,900万円×50%=3,950万円

①と②で、評価額が6,050万円変わってきます!

メリット1とメリット2を両方利用することで、60%以上相続税の評価額を引き下げることができます。

空き地(更地)は、被相続人(相続財産を遺して亡くなった方)の事業又は居住用の土地とはいえないため小規模宅地等の優遇措置(土地の評価額を下落させる特例)を選択することが出来ません。
つまり、小規模宅地の特例という優遇措置を受けるためには、事業用又は居住用でなければならないため、ただの空き地(更地)の場合には優遇措置は受けることができません。

3.不動産を購入する際に、不動産管理会社はどこにすべきか?

 不動産管理会社は、まず、土日祝日も営業している会社を選ぶべきでしょう。土日祝日に営業していない会社は不都合なことが多いです。
もちろんそれだけでは決められないので、管理会社の担当者とアポを取る際に、「 屋根裏を見たいので当日は脚立を持って来て欲しい」とお願いしてみてください。
その際に、『脚立の足にカバーを付けている場合』には信頼できる管理会社といえるのではないでしょうか。脚立の足にカバーをしなければ床に傷が付く可能性があります。
プロ意識の高い管理会社スタッフなら必ずカバーをするはずです。管理会社のプロ意識を見抜くためのポイントだと思って下さい。

4.不動産投資のデメリットは?

(1)アパートの管理が面倒

 アパートの管理には、手間がかかります。
もちろん管理会社に頼めばある程度手間は軽減出来ますが、不動産の所得が生じるために、所得税の確定申告が必須となります。
ご自身ですべてをやろうと考えてしまうと相当な手間となるでしょう。 しかし、税理士にお任せしてしまえば手間も解消されるでしょう。

(2)修繕費が高額に?

建物が築10年程度までは良いのですが、10年以降となってくると修繕費が高額になります。
家賃収入でまかなえる程度であれば、良いのですが、入居者を集めるために大規模なリフォームが必要となると出費も高額となりかねません。

(3)アパートの空室により借金が返済できない?

借入をして不動産を購入した場合には、当たり前のことですが、空室が続くと借入の返済が出来なくなるでしょう。
空室リスクを加味してアパートを購入することが必要になるでしょう。

5.不動産の購入が結果として相続対策になるのか?

 もし収益性の低い不動産であれば、絶対に購入しない方が良いでしょう。
 しかし、収益性が高いものであれば、購入をオススメしたいケースが多いです。
相続税の軽減にもなり、さらに将来の安定収益が確保されるためです。
もちろん収益性が高いものかどうかの判断が非常に難しいので、税理士さんとご相談の上購入を検討されるのがベストな選択でしょう。

6.二世帯住宅で節税対策

 二世帯住宅についても、条件を満たせば節税対策することが可能です。今回の記事では割愛させて頂きますが、「二世帯住宅で相続税が安くなる仕組みとは?」で詳しくご説明しております。

7.相続税を納税するために不動産を売却予定の方は、絶対確認すべきこととは?

不動産を相続し、相続税を支払わなければならないケースはよくあります。この際、不動産を売却して相続税をお支払いする方も多くいらっしゃるのです。

不動産を売却する際に、査定をしてもらうことなく売却してしまうと、相場がわからず、安い価格で買い取られてしまう可能性があるのです。

500万円以上も安く買い取られた!という話もあるのが現状なのです。

安く買い取られないためにも、不動産査定をしてもらうことをお勧め致します。お勧めの不動産査定会社の情報は下記のサイトをご参照ください。

相続税納税のために、不動産を最も高く売却する方法とは?

まとめ

 不動産を利用した相続対策は確実に節税効果があります。一番の理想は、節税対策にもなり、かつ、将来の安定した収益を確保することでしょう。
そのためにも税理士と相談の上不動産を購入するか否かを検討する必要があるのではないでしょうか。理想の物件を見つけることがあれば即決で購入すべきでしょう。

《不動産を利用して相続対策をする場合の注意点》

不動産を活用した相続対策の場合

  • ワンルーム販売会社だと、ワンルームを販売
  • 建築会社だと、賃貸マンションを建築

といったようにゴールありきの提案をされる業者が多いのですが、本来であれば、不動産による相続対策は、下記の図のようなことを考えて対策を取らなければなりません。

相続対策をトータルでプランニングしたいという方は、相続専門税理士にご相談ください。