相続発生時に住宅ローンが残っている場合の論点とは?

相続発生時に住宅ローンが残っている場合の論点とは?
 相続が発生した際に、住宅ローンがまだ全額返済終わっていないという方も多いのではないでしょうか?
「住宅ローンを返済するために不動産の売却を検討する」と、相談に来られる方もいらっしゃるのですが、本当に不動産を売却して住宅ローンを返済するという判断が正しいのでしょうか?

今回は、相続発生時の住宅ローンが残っている場合の論点を全て簡単にご説明させて頂きます。

相続発生時に住宅ローンが残っている場合の論点とは?

1.相続時に残っている住宅ローンの取り扱いとは?

相続 住宅ローン
 ご主人が急死され、現在住んでいるマンションの住宅ローンが残っており、子供が2人いることから、「今後の住宅ローンを返済するのは厳しいということで、マンションの売却を検討しています!」と、ご相談に来られた方がおりました。

皆さんも、もし、住宅ローンが残っているにもかかわらず、旦那様が亡くなってしまい、住宅ローンを返済することが出来そうでなければ不動産を売却しなければいけないと思いますか?

そう思った方、その考えは間違っております!!!

 住宅ローンには、基本的に、団体信用生命保険がついています。団体信用生命保険は、ローンの借入契約時に、原則として同時に契約する保険です。

団体信用生命保険とは、ローンの借主が死亡した場合、残っているローン残高全てを、団体信用生命保険金で支払われるので、死亡後に残っていたローンはゼロとなります
団体信用生命保険に加入していれば、もちろん不動産を売却することなく、住宅ローンを全て完済したこととなるため、いままで通り不動産に住みながら、かつ、借金がゼロとなります。
団体信用生命保険は、お金を借りた人が不運にも死亡または高度障害になり、ローンの返済が出来ない状態となった場合には、ローンの残債を全額肩代わりしてくれる生命保険です。
この保険に加入して家を購入した場合には、それ以外に加入していた死亡保障の保険を解約する方も多いようです。

2.団体信用生命保険に加入しているにもかかわらず、ローンを返済していたら?

 団体信用生命保険の受け取りは契約者の死亡と同時に権利が発生します。よって、団体信用生命保険に加入していれば、借入主が死亡後にローンの返済をする必要がなくなります。
しかし、実務上は気づかずに、死亡後も引き続き住宅ローンを返済してしまっている方がいるのです。

 では、払わなくてよかった住宅ローンの返済額はどうなるのでしょうか?

もちろん返還の手続きをすれば、本来払う必要がなかった住宅ローンの返済額全額が戻ってきます
しかし、このことについては問い合わせをしなければ金融機関から教えてくれることはありません。
もし死亡後に住宅ローンの返済を引き続き行っている方がいるのであれば、すぐ金融機関に確認してみましょう。返還されるはずです!

※ 団体信用生命保険の加入率は住宅ロ-ン利用者の95%以上と言われております。

3.住宅ローンを無くすために必要な手続きとは?

 銀行などに借主が死亡した旨を伝えると、住宅ローンの担保として住宅と土地に設定されていた抵当権を抹消するための書類を渡されます。
抵当権の登記を抹消するには、銀行から預かった一定の書類を添付して、 その不動産を管轄する法務局へ、自ら抵当権の抹消登記を申請する必要があります。
抵当権抹消登記にかかる費用として登録免許税がかかります。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1物件につき1000円(抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、20物件を超えると、申請件数1件につき一律2万円です。)

4.抵当権抹消の手続きは司法書士に頼んだ方が良い?

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 抵当権抹消登記を、自分でやる場合には、手間と時間が発生します。
そのため、専門家に頼んでしまった方が良いのではないでしょうか?登記の専門家である司法書士に依頼した場合、もちろん費用が発生するため、デメリットもあります。
しかし、安い司法書士事務所だと1万円以内でやってくれる会社もあり、手間と時間を考えた場合には、頼んでしまったほうが楽なのではないでしょうか?

5.団体信用生命保険と相続税の絡みは?

(1)団体信用生命保険は、相続税の対象となるか?

 団体信用生命保険は契約者および受取人が金融機関となります。
よって、被保険者(住宅ローン債務者)の死亡によって支払われたとしても、その死亡保険金は相続税の課税の対象資産とはなりません。
つまり、相続税の計算上考慮しません。

(2)住宅ローンの残債は債務控除として相続財産からマイナスできるのか?

 団体信用生命保険の保険金は、債務控除は受けられないという取扱いになっています。
よって、相続財産から差し引くことはできません。
※ 債務控除って何?と思われた方は、

まとめ

 相続発生時に住宅ローンが残っている場合の取り扱いをご理解頂けたでしょうか?
まず、住宅ローンがある方の95%以上の方が団体信用生命保険に加入しておりますので、加入しているかどうか必ず確認してください。
加入しているのであれば、住宅ローンは今後返済する必要はなくなります。今まで通り、家に居住しつつ、ローンの返済も無くすことが出来ます。
うっかり忘れていて住宅ローンを引き続き返済していたという方は今すぐに金融機関に確認して、返還の手続きをしてください。
手続きをすれば返還されるということの関連記事を記載しておきます。