『調停』でも決着がつかない場合の遺産分割『審判』とは?

『調停』でも決着がつかない場合の遺産分割『審判』とは?
 遺産分割の争いは毎年多く発生しており、『調停』事件は年に約1万件、『審判』事件は年に約2,000千件も発生しております。約1%の方が争っているのです。

相続財産の争いが起こるのは、『不動産』が相続財産に含まれている場合が一番実務上多いと言われております。
とくに、相続財産が不動産しかなく、その不動産が居住用の住宅であり、そしてそこに相続人の一人が居住しているような場合に、相続争いが起こりやすいのです。
その争いで『調停』でも解決しそうにない場合には、『審判』で決着をつけることとなります。
「遺産分割調停でも解決しそうにない争いが発生している」あるいは、「発生する可能性のある方」はぜひご覧ください。


『調停』でも決着がつかない場合の遺産分割『審判』とは?

1.遺産分割審判とは?

りんご カット
被相続人(相続財産を残して亡くなった方)が死亡し、その遺産の分割について相続人の間で遺産分割協議(遺産分割の話合い)がまとまらない場合には一般的には、まず家庭裁判所の遺産分割の調停を行い、調停でも解決しない場合には、審判の手続を行います。
調停については「遺産分割調停の流れと、争いが起こった後の対処法は?」をご覧ください。

2.審判手続とは?

調停手続きを行っても、話合いがまとまらずに、調停が不成立となった場合には次に審判手続が開始されます。
裁判官が遺産に属する物または権利の種類等の事情を考慮して、審判を行います。

(1)調停から審判への移行について

調停から審判へ移行する場合、その事件(争い)は、遺産分割『審判』に自動で移行されることとなります。

(2)審判期日に出頭する

遺産分割審判に移行した際は、家庭裁判所によって審判期日が指定されます。その指定された日に家庭裁判所へ出頭します。

(3)審判における各相続人の主張

審判手続では、訴訟と同様に、各相続人が、書面で事実を主張し、その事実を裏付ける書類や資料を提出します。
各相続人の主張が終了するまで、審判手続は何度も行われます。

(4)審判での話し合いで和解した場合

審判での話し合いで和解した場合には、調停が成立したものとし、裁判所によって調停調書が作成されます。
つまり、和解した段階で審判は終了です。

(5)審判での話し合いでは和解出来なかった場合

話し合いで解決しない場合には、家庭裁判所に審判されます。
言い換えれば、裁判所に判断を決められることとなります。

(6)裁判所の審判(決定)に不服がある場合には?

遺産分割の審判は、その告知の日の翌日から2週間で確定することとなります。
しかし、この確定事項(審判)に不服があるときは,2週間以内に不服(即時抗告)の申立てをすることができます。

(7)審判の不服申立の注意事項

不服申立の期間は2週間以内です。もし一日でも遅れてしまうと不服申立ができなくなりますので注意しましょう。
また、不服(即時抗告)は高等裁判所宛の書類を家庭裁判所に提出します。
書類の宛先は高等裁判所宛、書類の提出先は家庭裁判所になりますので提出する方は注意しましょう。

(8)抗告審の審理(裁判官が事実関係を明らかにすること)とは?

 家庭裁判所で行った主張を同じことの繰り返しに過ぎないなどの場合には、抗告はただちに棄却されます。

 ①とは異なり、抗告に理由があると考えられる場合には、抗告状と抗告の理由書が相手に届きます。相手は抗告の理由に対して反論をすることとなります。

 審理を行った後に、抗告審としての判決が出されます。

 高等裁判所が抗告の手続きを調停の手続きに変更することができます。この場合には,調停手続が優先され、調停が成立しない場合には抗告審の判断がなされることとなります。

 高等裁判所の判断に対して、不服がある場合には、さらに最高裁判所に特別抗告・許可抗告をすることもできますが、最高裁判所への不服申立で結論が変わることはほとんどないでしょう。

3.遺産分割審判の管轄とは?

裁判
審判手続きの際の管轄は、被相続人の住所地、または相続開始時の家庭裁判所です。

4.遺産分割審判を欠席することはできるのか?

審判手続きでは、 家庭裁判所の裁判官が双方から事情を聞いて、審判(決定)してしまうことから、欠席者がいても手続きは進行します。
注意点としては、遺産分割「調停」は話し合いで合意することを前提に進めますが、「審判」は裁判官が事情を聞いて決定するため、本人の主張によって把握できる寄与分など(法律で定められた相続割合を超える分など)、欠席してしまうと一切主張しないこととなるため、不利になる可能性がありますので気をつけましょう。

まとめ

相続財産を争う場合に、『調停』でも和解できない場合には、『審判』で決着をつけることとなります。
『調停』についても『審判』についても難しい法律が絡んできますので、弁護士さんにご相談の上、どのようにしていけば良いのかを相談すべきではないでしょうか。
争わないために大事な論点の遺言の記事も是非ご参照ください。