離婚した後に相続が発生した場合、財産はもらえるのか?

離婚した後に相続が発生した場合、財産はもらえるのか?

離婚した後に相続が発生した場合には、財産を取得できるのでしょうか?今回の記事では、離婚後に相続が発生した場合のよく出てくる論点を記載致しましたのでご覧ください。

離婚した後に相続が発生した場合、財産はもらえるのか?

1.離婚した場合の相続の論点とは?

離婚した後も、相続財産を取得する権利があるのではないか?と期待している方もいらっしゃるようなのですが、離婚をすると夫婦関係は解消され、他人となりますので相続財産を取得する権利はありません。

例を使ってご説明すると、夫Aと妻Bが平成25年に離婚しました。

その後、夫Aが平成27年に死亡しても、妻Bには相続する権利はありません。

2.離婚していても子供がいる場合には、相続財産を取得できる!?

 離婚をしていても子供がいる場合には、相続財産を取得する権利が出てきます。
もちろん離婚により夫婦は法律上、他人となるため、元配偶者には相続する権利はありませんが、子供は、親子の関係が切れることは無いので、子供は両方の親にとって第1順位の相続人となります。

元配偶者は、相続する権利なし

元配偶者の子供は、相続する権利あり

※誰が相続人になるか興味のある方は「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」ご覧ください。

 例を使ってご説明すると、夫Aと妻Bの間に子供Cがいました。平成25年に夫Aと妻Bは離婚し、妻Bが子供Cを連れて出て行きました。
平成27年に夫Aが死亡した際、妻Bは相続する権利はありませんが、子供Cは夫Aの子供であることに変わりはないので、子供Cは相続人となります。

上記の例で、もし夫Aが死亡した際に、妻Bが再婚していた場合、子供Cは相続人となることができるのでしょうか?

3.再婚した場合の子供の相続の取り扱い

相続 子供なし

 再婚していても再婚していなくてもどちらでも子供は相続人となりますので、相続する権利を有しております。

 例を使ってご説明すると、夫Aと妻Bに子供Cがおりました。平成20年に夫Aと妻Bは離婚し、妻Bが子供Cを連れて出て行きました
。平成25年Bは別の男性Dと再婚しました。
平成27年に夫Aが死亡した際、Bは相続する権利はありませんが、子供Cは夫Aの子供であることに変わりはないので、子供Cは相続人となります。

 つまり、子供Cは、Aの子供でもあり、Dの子供でもあることから、どちらが死亡した場合にも、第一順位の相続人となるため、相続する権利を有しております。

離婚により何十年も親子が会っていない状況だったとしても、ある日突然身内の方から相続の事で連絡がある可能性があります。

 実務上も珍しいことではなく、頻繁に出てきますので、離婚されたご経験がある場合にはかならず覚えておかなければならない知識といえるでしょう。

4.再婚して、前妻に引き取られた子供に相続財産を相続させないためには?

 再婚後に、前妻に引き取られた子供に相続させたくないと考える方も多いのではないでしょうか?
相続させないための方法としては、生前に遺言を残しておくことをお勧めします。

遺言がある場合は『遺言』を優先します。そのため、前妻の子がいた場合でも、再婚後の妻と子に相続するという遺言を残しておけば、その遺言通りに相続されます。

しかし、遺言さえあれば確実に再婚後の妻と子に相続させることができるわけではないのです。

先妻の子にも遺留分(最低限相続する権利)があり、もし遺留分を請求をされてしまうと一部財産を取られてしまうことも考えられます。

もちろん遺言があれば、亡くなった方の遺言が考慮されて遺留分減殺請求されない可能性もありますので、出来る限り、再婚後の妻と子に相続させてあげたいという考えの方は、遺言を残しておくべきでしょう。

『遺言』『遺留分減殺請求』につきましては、
遺言で相続時の争族がなくなる?5分でわかる遺言のすべて
遺留分減殺請求で貰えるはずの財産は全て取得しよう!!!
をご参照ください。

また遺言も、『公正証書遺言』と『直筆証書遺言』の2つの種類がありますが、『公正証書遺言』を残しておくべきでしょう。

2つの遺言の違いについては、

遺言書でモメてしまう具体例と解決策のすべて

公正証書遺言を作らなければ絶対に後悔します!

5.離婚後の子供の遺留分とは?

(1)遺留分とは?

遺留分とは相続人(相続する人)が最低限相続できる財産割合のことをいいます。

基本は、被相続人(相続財産を残して亡くなった人)の意思を尊重するため、遺言書の内容が優先されます。

では、遺言書に、「全ての財産を愛人に渡す」と書いてあった場合には本当に全てを愛人に相続させることとなるのでしょうか?

もし全てを愛人が相続することになった場合、被相続人(相続財産を残して亡くなった人)の財産に依存していた子供や配偶者にとっては、生活することが大変となり、残された遺族は非常に気の毒な状況となります。
そこで最低限相続できる財産を保証することを民法では規定しております。

(2)遺留分の計算方法

① 法定相続人が直系尊属(両親など)だけの場合

相続財産の3分の1

② ①以外(法定相続人が配偶者のみ・子供のみ・配偶者と子供・配偶者と親)の場合

相続財産の2分の1

仮に元妻に子供が2人いた場合には、相続財産に1/2した額が2人でもらえる合計で、各自の遺留分は2人いるためさらに1/2します。

※各自の遺留分は、全体の遺留分に各自の法定相続分を乗じて算出します。

遺留分についてさらに詳しく知りたい方は「遺留分を知らないと相続財産を1円ももらえない可能性も?」をご覧ください。

まとめ

離婚した後に相続が発生した場合の論点をご理解頂けたでしょうか?
離婚前に子供がいなければ相続の論点は出てきませんが、離婚前に子供がいた場合には非常に複雑な取り扱いとなっております。
実務上も離婚前に子供がいた場合の相続はモメることが多いので、対象となりそうな方は事前に遺言を作成する等の対策が必要となるでしょう。