相続税額が少なくなる!相続税の6つの税額控除を理解してますか?

相続税額が少なくなる!相続税の6つの税額控除を理解してますか?

相続税の計算上控除できるものをご存知でしょうか?
相続税から控除できる税額控除は6つあり、相続税の計算をする上では、非常に大切な論点となります。
もし知らなかったという方は是非一度ご覧ください。


相続税額が少なくなる!相続税の6つの税額控除を理解してますか?

相続税を控除するものとは?

相続税を控除するものを相続税法では、『税額控除』と呼びます。

相続税の仕組み

上記図の右から2列目(NO.7)に「税額控除」とありますが、今回は、この税額控除についてご説明していきます。

【税額控除の代表例】

(1)贈与税額控除
(2)配偶者控除
(3)未成年控除
(4)障害者控除
(5)相次相続控除
(6)外国税額控除

上記の税額控除後の金額が、各相続人が納めなければならない相続税となります。

(1)贈与税額控除とは?

相続人が、相続開始前3年以内に被相続人(亡くなった方)から贈与された財産は、相続税の対象となります。
 もし贈与した時に、贈与税を支払っていたら、その財産は、『贈与税』も『相続税』も発生してしまうこととなってしまいます。
日本の法律では、同じ財産に対して2度税金を課する二重課税を排除するという考え方があります。
そのため、2重で課税しないように、相続税から以前に支払った贈与税の金額を控除することとしております。
課税遺産総額の計算Step

つまり、
Step1の相続時精算課税制度の適用を受ける贈与財産に係る贈与税
          +
Step3の相続開始前3年以内の贈与財産に係る贈与税
を、相続税の計算上控除するという考え方が、『贈与税額控除』となります。
 
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(2)配偶者控除とは?

配偶者控除(配偶者の税額軽減)の規定は、配偶者が取得した遺産額が遺産総額に配偶者の相続分を乗じて計算した金額以下であるならば納める相続税がないような仕組みになっています。

配偶者控除(配偶者の税額軽減)について例を使ってご説明致します。
例えば、相続人が配偶者と子供の場合、配偶者の法定相続分は2分の1となり、この場合には、配偶者が遺産全体の2分の1までの財産の取得であるならば納める相続税はゼロとなります。
この規定には金額の上限などはありませんので、遺産総額が6億円であれば3億円もらっても配偶者の負担する相続税はゼロ。
10億円であれば5億円までもらっても配偶者の負担する相続税はゼロです。

また、遺産総額が少ない場合にも配偶者の生活保障を考えなければならないという理由から、遺産総額に配偶者の相続分を乗じた金額が1億6千万円を下回る場合には1億6千万円までは財産を取得しても相続税がかからないようにしています。

つまり、配偶者はもらった財産が1億6千万円以下または1億6千万円を超えた場合であっても法定相続分までなら相続税額がゼロとなります。

※ 配偶者控除(配偶者の税額軽減)の規定をさらに詳しく記載した記事、「配偶者の税額軽減で相続時1億6千万円までの財産は無税に!」をご覧ください。

(3)未成年控除とは?

未成年 出発

相続人(相続する人)が未成年の場合には、未成年者控除を受けることができ、相続税が減額となります。
※ 誰が相続人になるか不明な方は「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」でご確認ください。

①未成年控除の適用要件は?

次のすべてに当てはまる人は、未成年控除を行えます。

a 相続や遺贈(遺言による贈与)で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
又は、日本国内に住所がない人でも次のいずれかに当てはまる人
  イ 日本国籍を有している人で、その人又は被相続人が相続開始前5年以内に日本国内に住所を有していたことがある。
  ロ 日本国籍を有していない人で、相続や遺贈で財産を取得したとき、被相続人が日本国内に住所を有している。
b 相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である人
c 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。

要件が少し複雑ですが、一般的には、
・日本に住所があり
・財産取得時の年齢が20歳未満で
・財産を取得した方が相続人
であれば、要件を満たします。

②未成年者控除の額は、その未成年者が満20歳になるまでの年数1年につき6万円(※)で計算した額です。

※平成27年1月1日以後の相続等の場合は、「年数1年につき10万円」です。
 また、年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

(例) 例えば、未成年者の年齢が15歳9か月の場合は、9か月を切り捨て15歳で計算します。この場合、20歳までの年数は5年になります。

したがって、平成26年12月31日までの相続開始の場合、未成年者控除額は、6万円×5年で30万円となります(平成27年1月1日以降の相続開始の場合、10万円×5年=50万円)。

 なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。

この場合は、その引き切れない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。
 また、その未成年者が今回の相続以前にも未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
(注) 扶養義務者とは、一般的に、配偶者、祖父母・父母・子・孫及び兄弟姉妹等のうち一定の者をいいます。

参照:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4164.htm)

【関連論点】

未成年者が相続する場合の注意点とは?

(4)障害者控除とは?

 障害者控除とは、相続人が85歳未満の障害者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引くという制度です。

①障害者控除を受けられる方

障害者控除が受けられるのは次の全てに当てはまる人です。
a 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人
b 相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である人
c 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。

②障害者控除の額とは?

障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき6万円(※)で計算した額です。

この場合、特別障害者の場合は1年につき12万円(※)となります。
※平成27年1月1日以後の相続開始の場合は、1年につき10万円(特別障害者の場合は、1年につき20万円)になります。
また、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者(注)の相続税額から差し引きます。
 (注) 扶養義務者とは、一般的に、配偶者、祖父母・父母・子・孫及び兄弟姉妹等のうち一定の者をいいます。
なお、その障害者が今回の相続以前の相続においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

参照:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4167.htm)
※未成年控除と、障害者控除の計算方法は、とても似ているので、比較して抑えて下さい。

(5)相次相続控除

第1次相続と第2次相続が短い間に起こった場合には、相続を受ける人は非常に大変な思いをします。

1度目の相続で相続税を支払い、またすぐに同じ財産に相続税がかかってくるからです。

これでは納税負担が非常に大きくなることから、第2次相続時において、一定の金額が相続税から控除されます。

これを『相次相続控除』と呼びます。
 10年以内に続けて相続がある場合には、2度目の相続(2次相続)で、1度目に支払った相続税(1次相続)の一部を差し引くことができる制度です。

①相次相続控除の要件とは?

相次相続控除の適用は、次の全ての要件を満たす必要があります。
2次相続の被相続人が1次相続の相続人であること
2次相続の被相続人が1次相続で財産を取得し、相続税が課されたこと
1次相続開始から2次相続開始までの期間が10年以内であること
相続人や被相続人についてはこちらの記事で詳しく記載しておりますので、参考にしてください。

②相次相続控除の対象者は?

相次相続控除の適用対象者は、次の者に限られます。
第2次相続の相続人
※適用できるのは相続人に限られますので、注意をして下さい。
※『相続を放棄した者』及び『相続権を失った者』が遺贈により財産を取得した場合は「相次相続控除」の適用はできません。
さらに詳しく相次相続控除について知りたい方は、「相次いで相続が発生したときは相続税が控除出来る?!」をご覧ください。

(6)外国税額控除

 外国に相続財産があった場合には、外国で日本の相続税と同じ正確の税金を払うことがあります。
その際に、外国で払った税金分を、日本の相続税から差し引くことが出来るようになっています。
もし、外国でも相続税を支払い、日本でも相続税を支払った場合には、二重課税となりますので、控除が認められております。

まとめ

相続税の税額控除をご理解頂けたでしょうか?ご自身が該当しそうなものだけをじっくり読むことが大事だと思います。
税金が減額する仕組みとなりますので、忘れないようにしておきましょう。