相続税の増税で10人に1人が相続税の申告が必要に?

相続税の増税で10人に1人が相続税の申告が必要に?

平成27年に相続税は増税されました。どれくらい増税されたかご存知でしょうか?相続税はどんどん増税されて現在最高税率は55%となっております。また、基礎控除額の減少により申告しなければならない方が大幅に増加しました。東京23区では、25%の方が相続税の申告をしなければならなくなるとも言われております。

今回は、相続税増税の概要を説明し、増税の対策で何をしていかなければいけないのかをご説明していきます。

相続税の増税で10人に1人が相続税の申告が必要に?

1.相続税増税の理由は?

税金

(1)基礎控除4割カットによる増税

2015年改正の最も大きな改正点といわれているのが「基礎控除額の4割削減」でしょう。

基礎控除はなんと、

 平成26年まで:「5,000万円+1,000万円×相続人の数」

                ↓       なんと4割縮小!!!

  平成27年以降:「3,000万円+600万円×相続人の数」 

 基礎控除とは、相続財産の合計が基礎控除以内であれば相続税を納める必要はないという枠のことです

平成26年までは「相続税」は、富裕層の一部にしか関係ないものとされ、実際に亡くなった人100人のうち4人の割合でしか、相続税は発生しないという状況でした

要するに96%の方は何もする必要がありませんでした。

 しかし、基礎控除の金額が4割も下がったため、相続税を申告しなければならない方々が増大することになるのです。

基礎控除の詳細につきましては、

知らないだけで大損に!相続税の基礎控除のすべて

をご覧ください。

 (2)税率の増加による増税

税金

「税率の増加」により相続税が増税となります。

相続税は

(相続財産の合計-基礎控除額)×税率

(上記の算式は、説明上難しいところは省いております)

【平成26年12月31日までの場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円
平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 (1)と(2)の改正により大幅な増税となったため、早めに相続対策をしなければならない方が増加しております。

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2.相続税増税による影響は?

以前は「100人に4人が相続税を払っている」と言われていますが、平成27年の改正により予想では今後、全国平均の割合が6%まで上昇、東京都では13.5%まで上昇、さらに東京23区では25%の人が「相続税」の申告が必要になると言われています。

3.相続税増税で申告の対象となる人は?

相続財産が基礎控除を超えるときは、申告と納税が必要となります。相続財産を取得した人が、相続発生後10ヶ月以内に申告しなければなりません。

※『小規模宅地等の特例』や『配偶者控除(配偶者の税額軽減)』の適用を受ける場合にも、相続税の申告が必ず必要となります。優遇措置を適用する場合には、相続税の申告が必ず必要となりますが、この場合には、納税がないケースもあります。

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4.不動産による相続税対策とは?

不動産

 もし更地の土地を保有している場合には、次のように相続税を節税する方法があります。

 (1)土地の相続税評価額を2割引にする方法

更地の土地に賃貸マンションを建設するだけで、相続税法では土地を「貸家建付地(賃貸用の建物を建てて、他人に貸している場合の土地)」として評価をすることが出来るようになります。

その結果、更地の土地に賃貸マンションを建設するだけで土地の相続税評価額は約2割価値が下がります。

 なぜ賃貸マンションを建築するだけで土地の価値が下がるのか?

貸家が建てられている土地の評価額

 = 更地の評価額 ×(1-借地権割合×借家権割合)

※借地権割合は60~70%(地域によって異なっています)

借家権割合は、大阪など一部を除き30%となっています。

よって、上記の算式に当てはめると、借地権割合に借家権割合を掛けた分だけ評価が下がることとなります。

(例)更地(土地)の評価額1億円

   この更地の上に貸家を建設した場合

   ①貸家を建てなければ、土地の評価額は1億円

   ②貸家を建てた場合の土地の評価額は?

    1億円×(1―60%×30%)=8,200万円

    なんと土地の評価額が18%ダウン

           又は

    1億円×(1―70%×30%)=7,900万円

    なんと土地の評価額が21%ダウン

※借地権割合は地域によって60%か70%となるため、どちらの場合もご説明致しました。

 貸家を建てるだけで、その土地は約2割価格を評価減出来るのです。

多くの土地をお持ちの方は、早めに検討しておくべきでしょう。

もちろん貸家を建てて満足するのではなく、収益が見込める貸家を建設しなければいけません。

どんな貸家を建設するかは、相続専門の税理士にご相談の上決定すべきでしょう。

(2)現金を建物に変えるだけで相続税評価額を3割引にする方法

現金そのものの相続税評価額を下げることは出来ません。

しかし、現金で賃貸マンションを購入し、建物を建設すると、建物の相続税評価額は、現金で持っているときよりも約3割価値が下がります。

建物(貸家) = 建物の評価額 ×(1-30%) 

(例)現金5,000万円で購入した建物の相続税評価額はいくらになるか?

   ※5,000万円の貸家は100%賃貸物件を前提に説明します。

  1. 現金をそのまま保有していたら相続税評価額は5,000万円
  2. 現金5,000万円で貸家を購入した場合には、

5,000万円×(1-30%)=3,500万円

これだけでなっと評価額が約3割減に!!

(3)小規模宅地の特例により、土地の相続税評価額を減額する方法

上記(1)で記載した通り、賃貸マンションを建設するだけで、相続税法では土地の評価額を約2割評価減することができます。

 さらに、小規模宅地の特例の制度を利用することによって評価減が可能です。

小規模宅地等の特例は、『自宅の敷地に対するもの』と『事業用地に対するもの』があります。

最大で評価額が80%も減少する特例となっております。

5.小規模宅地等の特例を利用するか否かで納税額が570万円違う?

例(小規模宅地の特例を使わないとどれだけ損するか?)

570万円節約になる事例!!

【相続人】
配偶者
配偶者と同居の息子A
配偶者と別居の息子B
【相続財産】
自宅用敷地1億
建物2,000万円
預金2,000万円
保険1,000万円
合計1億5,000万円

【ケース①】小規模宅地の特例利用できる場合

配偶者がすべての自宅用敷地を受け取った場合

1億 ⇒ 2,000万円(小規模宅地の特例で財産評価額が下がる)

【ケース②】小規模宅地の特例利用できる場合

同居の息子Aがすべての自宅用敷地を受け取った場合

1億 ⇒ 2,000万円(小規模宅地の特例で財産評価額が下がる) 

【ケース③】小規模宅地の特例利用できない場合

別居の息子Bがすべての自宅用敷地を受け取った場合

 ケース③の別居の息子Bが受け取ってしまうと小規模宅地の特例を使用できないため、

1億円の土地の評価額を減らすことができない

 特例を使用できない場合のケース③

 15,000万円-基礎控除(4,800万円)=10,200万円

10,200万円✕1/2 ×30%-700万円=830万円(配偶者の税金)

10,200万円✕1/4✕15%-50万円=332.5万円(子供Aの税金)

10,200万円✕1/4✕15%-50万円=332.5万円(子供Bの税金)

合計の相続税額は1,495万円

 特例を使用した場合のケース①②

7,000万円✕1/2✕20%-200万円=500万円(配偶者の税金)

7,000万円✕1/4✕15%-50万円=212.5万円(子供Aの税金)

7,000万円✕1/4✕15%-50万円=212.5万円(子供Bの税金)

合計の相続税額は925万円

特例を利用するように工夫するだけで、570万円節税に!!

※配偶者の税額軽減の優遇措置を利用することで税金が変わりますが、複雑になるため今回は説明を割愛させて頂きます。

6.保険による相続税対策とは?

相続税対策というと、節税対策をイメージする方が多いのですが、実際には、以下の3つの相続対策があります。

  • 節税対策
  • 納税資金準備対策
  • モメないための対策

この3つの対策を行うことができるのが、終身保険を利用した相続税対策です。

詳しくは、下記サイトをご参照ください。

知らなきゃ損!終身保険を利用した相続対策とは?

まとめ

平成27年の大改正により、基礎控除の増大と、税率の増額で相続税を申告しなければならない方が増大することが予想されております。

早めに対策を打っておけば、無駄な相続税を払わなくて良い場合が多いです。

相続税の申告をご自身ですべて行うのは難しいでしょう。

そのため、相続専門の税理士に、早めに相談をするのが理想ではないでしょうか?

意外と多いご質問

不動産(土地、建物)を保有している方は、その価値がわからず、基礎控除を超えるかどうかの判断ができないというご質問を多くいただけます。

昔から保有している不動産は、意外にも価値が高く、その不動産を売却して、相続税を支払わなければならないケースがあります。

早めに対策をとる準備をするためにも、一度不動産を査定してもらうことをお勧め致します。

不動産は、どこで売却するかで、数百万の差が生じることがありますので、下記のサイトを参考にしてみてください。

相続税納税のために、不動産を最も高く売却する方法とは?