相続放棄申述書と、相続放棄する際の5つの判断基準

相続放棄申述書と、相続放棄する際の5つの判断基準

相続放棄をする場合には相続放棄申述書が必要になります。
今回の記事では、次の内容を記載しましたので、ご覧ください。

相続放棄申述書と、相続放棄する際の5つの判断基準

1.相続放棄申述書とは?

放棄2
相続放棄は各相続人が、相続人になったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して『相続放棄申述書』を提出しなければなりません。相続放棄するために必要な書類の一つです。
もし3ヶ月以内に、申述しなければ、単純承認したものとみなされます。単純承認とは、簡単に言えば、資産や負債の全ての承継を承認することです。つまり、3ヶ月以内に申述をしなければ、仮に、被相続人(亡くなった方)が多くの借金を残して亡くなった場合(債務超過で亡くなった場合)、相続人は全てを引き継がなければならないということです。

2.相続放棄申述書の書式とは?

裁判所のホームページに、申述書の書式と記入例がありますのでご確認ください。
相続の放棄の申述書(20歳以上) [裁判所]

3.相続放棄した方が良い場合の代表例とは?

(1)債務超過の場合

父(被相続人)は、借金1億円、預金2,000万円を残して亡くなりました。
このケースでもし相続放棄しなければ、2,000万円-1億円=△8,000万円 この△8,000万円の借金を相続しなければならなくなるので、相続放棄をすべきでしょう。

(2)生命保険金がある場合

 父(被相続人)は、借金5,000万円、預金4,000万円と生命保険金2,000万円を残して亡くなりました。
 仮に相続した場合、単純に計算すると4,000万円+2,000万円-5,000万円=1,000万円なので、相続してもプラスになり、相続すべきと考えるかもしれませんが、相続放棄をすれば、生命保険の2,000万円のみを引き継ぐことが出来ます。
相続放棄をすると預金や借金は放棄となるのですが、生命保険金は受取人固有の財産と考えることから放棄の対象になりません。
結果、2,000万円の現金が残ります。
生命保険は、相続放棄しても貰える!ということを知っておくことが重要になるでしょう。

(3)被相続人(亡くなった方)が保証人となっている場合

父(被相続人)は、借金5,000万円の保証人になっており、今年亡くなりました。その保証人としての義務も相続人が引き継ぐことになってしまいます。
もちろん、保証人はあくまで借金をした方が借金をちゃんと返済すれば問題になることはありません。しかし返済できない場合は代わり保証人が返済しなければなりません。
そのため、保証人になっている場合には、相続放棄した方が良いケースがあるでしょう。
 被相続人が保証人になっているかどうかの見分け方は、保証人であれば『金銭消費貸借書』を所有しているはずですので、被相続人の持ち物をチェックしてください。
保証人を付けて借入をする場合には、原則として、債権者、債務者、連帯保証人のそれぞれが1通ずつ金銭消費契約書を保管しますので、まずは金銭消費貸借書を確認して保証人の有無を確かめることが重要になるでしょう。

(4)相続人が多く、関与したくない場合

何も相続しない場合には、何もすることがないとお考えの方も多いかもしれませんが、何も相続しなくても面倒なことがあるのです。
遺産分割の話し合いや名義変更の手続きなどで、他の相続人と打ち合わせしなければならないことがあります。
その都度、実印や印鑑証明書を要求されることもあるので、最初から関与したくない場合には、相続放棄をすべきでしょう。

(5)被相続人が訴えられている場合

被相続人が訴えられていれば、被相続人は被告となります。もし相続してしまうと、被告の地位まで引き継がなくれはいけません。そのため、相続放棄した方が良いでしょう。

4.相続放棄をする際の注意点

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(1)深く考えずに相続放棄は禁物!

3ヶ月以内に相続放棄をしなければならないため、考える時間が少ないことから、深く考えることなく相続放棄してしまう方がおられますが、相続放棄をすると全ての財産・債務を放棄することになりますので注意が必要です。
例えば今お住まいのご自宅など、絶対に引き継ぎたい資産があれば相続放棄しない方が良いケースも存在します。
一度相続放棄を申請してしまうと、原則として撤回することが出来ませんので慎重に判断してください。

(2)相続放棄した場合には、権利が引き継がれる

相続放棄をした場合には、放棄した方の次の順位の方が相続人となります。
※ 相続人の順位について詳しくは、「5分でわかる!相続する人(相続人)って誰?」をご覧ください。
相続人 順位
上記図で、本人が死亡し、配偶者と第一順位、第二順位の子・父母が相続放棄していました。その場合には、第三順位の兄弟姉妹に相続人となります。
兄弟姉妹が何も知らされていなければ、自動的に相続人となるため、もし債務超過だった場合には兄弟姉妹と争いになってしまう可能性もあるので、相続放棄する場合には、下の順位の方々にはしっかり報告するようにしてください。

まとめ

相続放棄申述書は、専門家でなくても、裁判所のHPを参考にすることで簡単に記載することができます。
書類の作成よりも、どんな時に相続放棄すべきか?という内容が非常に重要かと思いますので、相続放棄すべき状況はしっかり覚えておくことをオススメ致します。

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