サービス付き高齢者向け住宅で収益化!収入を得る上で知るべき基本情報

サービス付き高齢者向け住宅で収益化!収入を得る上で知るべき基本情報

サービス付き高齢者向け住宅で収益化!収入を得る上で知るべき基本情報

1.そもそもサービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢の単身者や夫婦世帯が安心して生活できるようなサービスがいろいろと付随している住宅を指します。基本的には、バリアフリーの賃貸住宅となっています。もう少し詳しく解説すると、専用部分の床面積は25平方メートル以上(台所や居間、食堂を共同使用している場合は、専有部分は18平方メートル以上)、その専用部分に台所や水洗便所、収納設備、洗面設備、お風呂を備えていないといけません(共同の台所やお風呂があれば、備えていなくてもいい)。

バリアフリーというのは、転びやすいところに手すりを付け、床の段差をなくし、廊下に一定の幅がある住宅を言います。

入居対象者は、介護認定なしか軽度の要介護の高齢者です。

ただ、最近のサービス付き高齢者向け住宅は少し受け入れ範囲が広がっているようです。高齢者の方たちはなんらかの病気を抱えている人も多く、ある程度は受け入れ可能にしておかないと、入居できる人の範囲が狭まってしまいます。そのために、サービスを充実させて、より多くの高齢者が利用できるようになっています。

そのサービスには、最低限の決まりがあります。その決まりとは、安否確認と生活相談ができるようになっていないといけません。

日中は、そのためのケアの専門家が常駐します。

ケアの専門家とは、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、指定居宅サービス事業所の職員などの人たちです。ただ、夜間は、職員がいることもありますが、緊急通報サービスなどに連絡が行くようになっていることが多いです。

このほかに、施設によっては、医療、介護、生活支援などの様々なサービスが行われます。

これらのサービスがしっかりしているところほど、受け入れ可能な高齢者の範囲が広くなります。特に、一部施設では、食事、掃除、洗濯などの生活支援や入浴や排せつの介護、リハビリなども行っているところもあり、いろいろなタイプの高齢者に対応できるようになっています。

サービス付き高齢者向け住宅では、自立を重んじることから、一般的な賃貸住宅と同じような雰囲気になっています。一方で、共用スペースを充実させ、高齢者同士の交流が深まるように工夫がされた施設もあります。小さなパーティーを開催する施設もあり、それぞれが独自の趣向を凝らしています。

このサービス付き高齢者向け住宅は、次のようなきっかけで始まりました。

もともと日本では、サービス付き高齢者向け住宅の供給が欧米に比べて立ち遅れていました。そんな中、高齢者住まい法が改正されて、2011年10月からこのような住宅の登録制度が始まりました。高齢化社会を迎えた日本では、特別養護老人ホームへの入居自体もたいへんであるうえ、有料老人ホームは入居料がばかにならず、別な仕組みを求める人がたくさんいました。そういう事情から生まれたのがこの登録制度です。

なお、サービス付き高齢者向け住宅へ入居するためには、一定の手続きが必要です。

まず、入居に当たっては、必要書類を提出します。そして、高齢者の置かれた状態が細かくチェックされます。高齢者が要介護か自立度はどの程度か、資産はどのくらいかなどを調べるのです。連帯保証人も必要です。施設スタッフが審査を行い、最終的な判断をします。

サービス付き高齢者向け住宅は、登録制度ができて以来、確実に増えつつあるので、入居できる施設が見つかる確率は高いです。審査に通過すれば、それ以降は落ち着いて暮らせます。好条件の物件となると、やや狭き門となりますが、まったく空きが見つからないということはないでしょう。

費用は、最初にかかる敷金が0~数百万円とかなり幅があります。しかし、低めに設定しているところもかなりありますから、不安になる必要はありません。このほかには、毎月かかる家賃や光熱費、食費、生活サービス費などを含めて、10~30万円くらいです。

2.サービス付き高齢者向け住宅を運営するデメリット

サービス付き高齢者向け住宅を運営するデメリットは、主に4つあります。

デメリット①

まず、補助金を受けることにより、賃料を設定する際に縛りが生まれます。

一般的に、同じ程度の広さである近隣住宅の80パーセントから90パーセントほどの賃料に制限される場合が多いです。

デメリット②

一括借り上げの場合に、最初の2ヶ月から6ヶ月間は、賃料の支払いが猶予されることがあります。よって、賃料で収入を得られるようになるまで時間がかかるのです。

デメリット③

次に、高齢者向けの住宅であるため、認知症対策や生活支援などが必要とされ、介護や福祉業に近い事業になる可能性があります。介護会社などに全て任せることも出来ますが、その会社の行うサービスの質で入居が左右される場合がほとんどです。よって、介護会社は慎重に選ぶ必要があり、選定に多くの時間を要するのです。さらに、介護会社があらかじめ決まっていたとしても、変更時に入居者への説明などで大きな負担がかかります。

デメリット④

最後に、高齢者以外の受け入れが出来ないために、需要が限られます。また、高齢者向けに作られるため、その後の一般向けのアパート等への転用も難しいものになります。

3.サービス付き高齢者向け住宅を運営するメリット

サービス付き高齢者向け住宅を運営するメリットは、主に4つあります。

メリット①

利便性のある土地でなくても、営業することができます。そのため、田舎でも不利にはなりません。

メリット②

現状は、それほど多くないため、競合が少ないことがメリットといえるでしょう。今後は、現状よりもさらに高齢化社会となるため、上手に経営することで、一定の集客が見込める可能性が高いです。

メリット③

中高齢層の割合が多い地域では、潜在ユーザーが多いため、売上が見込みやすい。

4.運営するために!必要となる条件とは?

サービス付き高齢者向け住宅の運営を始めるためには、都道府県・政令市・中核市の住宅部局や福祉部局、または指定された登録機関に届け出をする必要があります。以下に登録の基準を示しますが、各地域によって独自の基準を設けていることもあるので、注意が必要です。

まずはサービス付き高齢者向け住宅となる建物が必要です。建物には細かく条件が定められており、各部屋の床面積は25平方メートル以上必要です。居住者が共同で使用する居間や食堂、台所などで十分な面積がある場合は、18平方メートル以上と少し狭くてもよくなっています。さらに各部屋に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室が必要です。これらについても居住者が共同で使用するスペースに台所、収納設備、浴室が設けられる場合、それぞれの部屋へ設置をしなくてもよくなっています。また各部屋は手すりを設置したり、段差をなくし、バリアフリーとしなければなりません。段差の高さや廊下の幅についても細かく定められています。

また運営する事業者によってサービスの内容には違いがありますが、最低限実施する必要があるサービスは、安否確認サービスと生活相談サービスの2つです。

安否確認サービスとは?

安否確認サービスとは、定期的に各部屋を訪ねたり、食堂で食事をされる時などに居住者の方を観察し、健康上問題がないか確認をするサービスです。

生活相談サービスとは?

生活相談サービスとは、介護や医療サービスを必要とする方に対して、その手配を行います。さらに買い物やゴミ出しといった日常的な生活上の問題へも対応を行います。これらを実施するために、日中は社会福祉法人、医療法人または居宅介護サービス事業者の職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員といった資格を持つ者が常駐する必要があります。専門のスタッフが常駐しない夜間等は、緊急通報システムによって対応をしなければなりません。

入居者との契約はどうなっているのか?

入居者との契約については、書面による契約が必要です。居住部分については明示し、家賃やサービス料金以外の権利金等を受け取ることは禁止されています。家賃やサービス料金の前払いを請求する時には、その算定方法を示した上で請求するよう義務付けられています。また入居者が長期入院等をされるために、事業者から居住部分の変更や退去について一方的に行うことは禁止されています。

サービス付き高齢者向け住宅を運営する事業者は、介護系や医療系の事業者が多いですが、近年不動産・建築系事業者の参入も増えてきました。事業者によって提供できるサービスも違ってきます。

4.実際どれくらいの収入を得られるものなの?

土地活用の方法により、得られる収入に差が出ることは明らかです。最も簡単な土地活用方法として、土地自体に手を加えず貸す借地であれば、年2%の利回りが出れば良い方だと言われています。アパートを建設して貸し出す方式であれば、利回り10%以上を狙えるのでアパート経営に乗り出す人がいることが理解出来るでしょう。

サービス付き高齢者住宅でも、ほとんどの利益は、不動産利用料です。食費や介護を行う対価は、ほとんど利益が見込めないと考えておくべきでしょう。

そのため、10%程度の利回りがあれば十分と考えておくとよいでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅では、補助金が出ますので、その補助金を含めるともう少し利回りを高く見込むこともできるでしょう。

土地活用を行なう際には、土地の評価額を基準としてどのくらいの利益が出るか名目利回りを計算しがちですが、固定資産税や都市計画税などの税金や経費を差し引いた実質利回りを計算して経営を行わなければなりません。

収益物件として売買されているアパートやマンションでは、名目利回りと実質利回りが併記されているのは、経費がどのくらいかかるかを示しているので参考になるでしょう。

固定資産税と都市計画税は、土地に建物が建設されていて、アパートであれば1戸あたりの広さが200平方メートル以下かどうかで小規模住宅用地に伴う減免措置が受けられるかが決まります。

1/3に課税対象額が圧縮出来れば、支払う税金を大幅に減らすことが出来ます。名目利回りについては、賃貸に出した部屋が満室となっている場合を想定しているので、空室が出た際には再度入居者募集を行なう必要があるので、不動産会社に支払う広告料についても考慮しなければなりません。

不動産経営を行なう際に最も気にしなければならないことは空室率ですが、空室率を左右するのは実は管理会社ということは余り知られていません。

自主管理に切り替えるオーナーが増えている背景として、管理会社選びを誤ってしまうと不動産会社と組まれて入居者の入れ替えを頻繁に行われてしまうことがあるからです。不動産会社はオーナーからの管理手数料と入居者からの仲介手数料が収入源ですから、管理会社と組めば入居者の入れ替えを計画的に行なえてしまうわけです。

管理手数料を毎月5%前後取る管理会社が多い中で、2年ごとに行われる賃貸契約更新の際に、いかに多くの更新が行われるかを重視して管理会社選びを行なうことが余計な経費を使わないコツと言えます。入居者が契約更新を行なえば、不動産会社に支払う入居者募集コストが不要となり、実質利回りを20%に乗せることも可能となります。土地活用を行なう際には、ある程度のコストを掛けて実質利回りが安定することを確認してから、徹底したコスト削減を行なうことが大切です。

5.田舎は需要あり?成功しやすい立地条件は?

駅からは遠く、すぐ近くに商業施設や病院があるというわけでもない。そんな立地条件の悪い土地、さらには田舎であっても、十分に需要が見込めそうなのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

静かな郊外や自然豊かな田舎は、穏やかに暮らしたいと願う高齢者の方のニーズにまさにピッタリ。しかも田舎の場合、都会よりも高齢者の割合が高いときていますから、その分、安定した需要が期待できるというわけです。

とは言え、自然環境の良さだけで、サービス付き高齢者向け住宅の経営を考えるのは危険です。実際、高齢者だから自然環境の良いところを選ぶだろうというのは、言ってみれば、一つの思い込みにしか過ぎません。高齢者の方々に直接話を聞いてみると、「自宅など、今まで住み暮らしていた場所の近くがいい」という声もよく耳にします。

しかも、高齢者施設に入ることの決定には、入居者の家族の意思も大きく作用しています。考えてもみてください。郊外ならまだしも、気軽に会いに行けないような田舎に、はたして親などを入居させたいと思う家族がどれだけいるでしょうか。また、田舎にサービス付き高齢者向け住宅を設ける場合、サービスを提供する人材をいかに確保するか、という難題が新たに出てきます。

結論として言えば、サービス付き高齢者向け住宅の経営を立地条件の面から考えた時、広い土地を比較的安く入手できるという点で、郊外や田舎は理にかなっています。

ただしその場合、本当に需要が見込めるどうかは、あくまでも不透明……。家族が面会に来る際の利便性やスタッフの確保なども考え合わせると、街中からもさして遠くなく、しかも自然環境面での良さも享受できる場所が、やはり一番ということになりそうです。

まとめ

少なくとも、アパート・マンション経営をするには立地条件が悪いから、それならサービス付き高齢者向け住宅で……という思考は決して賢明とは言えません。まずは、あなた自身を高齢者、あるいは高齢者を身内に持つ家族に置き換えて、「ここに施設を建てたら、自分は入居したいと思うだろうか」「親を入れてあげたいと思うだろうか」と自問することから始めてはいかがでしょうか。営業マンの言葉を鵜呑みにせず、冷静に需要を見極めることが、何よりも大切です。